【全日本ロードレース第4戦筑波 ST600レース１】國峰啄磨が唯一の57秒台でポールポジション。長尾健吾が逆転優勝！

ST600クラスは41台のエントリーを集め、二組に分かれての予選となった。
A組予選セッションが始まるころには上空の雲は厚みを増していた。
　A組でまずトップに立ったのは16歳の荒川晃大。2周目に58秒596をマークする。しかしすぐに國峰啄磨が57秒892をたたき出す。ディフェンディングチャンピオン岡本裕生も58秒146とタイムを詰めて2番手浮上。
　この激しいバトルの中でセッション中盤には名越公助が1コーナーで転倒。赤旗中断となってしまう。
　セッション再開後は國峰の出した57秒892を上回る者は出ず、そのまま國峰が暫定ポールポジションを獲得。
　B組はセッション開始早々からタイムアタックバトルが熾烈だった。
まずは長尾健吾が58秒828をマークすると、すぐに奥田教介が58秒592を出す。翌周の長尾58秒021に対して奥田は58秒197。ここに小山知良が58秒068と割って入る。
　セッション中盤。雨粒が落ちてきた。これで全車がピットイン。すぐに雨は上がり、セッション終盤にコースインした者もいたが、タイム更新には至らず。
結局、B組で57秒台をマークする者はなく、A組で57秒台を出した國峰がレース１のポールポジションを獲得。A組とB組の予選セッションにコンディションの違いがあったために、各組の頭取りでグリッドが決定。長尾が2番手、岡本が3番手というフロントロウになった。　

午後は雨が降ったりやんだりの不安定な天候になった。ST600のレース1が始まるころには雨が上がり、上空が少し明るくなってきた。しかし路面は完全なウエットコンディション。
　好スタートを切ったのは岡本。すぐにトップ独走状態を築くかと思われたが、長尾が食らいついて一騎打ちを挑む。後方では奥田、小山、南本宗一郎が表彰台争いを開始。奥田、小山は岡本と長尾のトップ争いに追いついて、４台での争いに持ち込む。
　11周目の１コーナーで長尾がトップ奪取。翌周の１コーナーでは奥田が岡本を捕らえて2番手浮上。岡本は3番手にポジションダウン。
　レース終盤。長尾と奥田がトップ争いを開始。岡本は小山と表彰台争いに移行。優勝争いは最後に奥田を引き離した長尾に軍配。最後まで熾烈なバトルが展開された表彰台争いは小山に軍配が挙がった。

●長尾健吾（予選2位／決勝1位）
「欲しかった優勝なので素直にうれしいです。路面はレース中盤までに乾き始めたので、かなり難しかったです。岡本選手を追いかける中で、彼がホイールスピンをして厳しそうだったので、出られるところで出ようと思いました。前に出てからはホイールスピンをさせないように濡れているところを見定めてギリギリのところで走っていたので、あっという間の20周でした。ドライコンディションの準備はできていたけれど、ウエットコンディションでもペースがつかめたので、明日のレース2はどちらでも自信がつきました」
●山田宏（株式会社ブリヂストン　モーターサイクルレーシングマネージャー）
「ST600はエントリー41台ということで予選が二組に分かれて行なわれました。ポールポジションからグリッド最後尾が1.4秒差という熾烈な予選となりました。午後のレース１は雨はやんだものの路面はウエット状態で、全車がウエットタイヤでスタートしました。レース序盤はランキングトップで去年のチャンピオン岡本裕生選手がリードしたものの、レース中盤は長尾健吾選手が前に出て今季初優勝。2位に奥田教介選手、3位は小山知良選手と3メーカーのバイクが表彰台を分け合いました。今季初のウエットレースとなりましたが非常に盛り上がりました。明日のレース2も楽しみです」