【2022年全日本ロードレース選手権 第8戦 MFJ-GP 鈴鹿 JSB1000 レース３】中須賀克行がトリプルウインで全戦全勝

全日本最終戦鈴鹿MFJ-GPの最高峰クラスJSB1000は3レース制。通常よりも一日早い木曜日から走行が開始。さらに土曜日には予選とレース１、日曜日に２レースと、大忙しの最終戦になった。

最終レース3は予選のベストタイム順でグリッドが決定。ポールポジションは唯一の2分4秒台をマークした中須賀克行（ブリヂストン）。すでに前戦岡山大会でチャンピオンを決めている中須賀だが、連勝記録も伸ばしている。今大会でもレース１、レース２を制し、いよいよ最終レースを制すれば前戦全勝チャンピオンになる。

予選終了後に中須賀は「レコードタイム更新にチャレンジしようとプッシュした。でもクリアラップが取れないなど、難しい予選になってしまった。それでも自分の中でベストを尽くしたし、ポールポジションが取れてよかった」と語った。

日曜日最後のプログラムとして組まれたレース3。ウイークを通して好天に恵まれ、午後3時40分のスタート時も青空が広がっていた。

周回数は15周。好スタートを切って真っ先に1コーナーに侵入した濱原颯道（ブリヂストン）はオーバーラン。替わって渡辺一樹（ブリヂストン）がレースをリード。出遅れたかに見えた中須賀はオープニングラップで順位を挽回して2番手で戻ってくる。

あっという間に渡辺の背後につけた中須賀。後続を引き離して一騎打ちに突入する。後方では作本輝介（ブリヂストン）、岩田悟（ブリヂストン）、亀井雄大（ブリヂストン）が表彰台争いを開始。

4周目に表彰台争いの3台とトップ争い2台が一つになって5台の首位争いに発展。さらに岡本裕生（ブリヂストン）、榎戸育寛（ブリヂストン）も加わり、大きな集団に。

６周目。亀井が中須賀の前に出ると最終シケインで渡辺をも捕らえて一気にトップ浮上。レースペースが上がる。

8周目。中須賀が渡辺を捕らえて2番手浮上。この激しい展開でトップ集団は亀井、中須賀、渡辺、作本、岡本の5台に絞られる。

8周目の最終シケインで渡辺が中須賀を捕らえて2番手に上がる。9周目に中須賀が渡辺から2番手の座を奪い返す。中須賀と渡辺は何度もポジションを入れ替える。しかし亀井は2台を引き離すことができない。

残り4周を前にした11周目の最終シケインでいよいよ中須賀がトップに浮上。ラストスパートをかける。ついていけたのは渡辺だけ。亀井は作本、岡本との表彰台争いに移行する。

渡辺はファステストラップをたたき出しながら必死に中須賀を追う。しかし前に出ることはできない。

ラストラップ突入直前の最終シケインでついに渡辺がトップに浮上。中須賀はすべてのコーナーで渡辺のすきをねらう。ヘアピンで中須賀がインを差して首位奪回。渡辺も諦めずに何度もアタック。しかし二度とチャンスは訪れず、中須賀が全戦全勝を達成。ハイレベルな戦いに、観客席は総立ち状態だった。

●中須賀克行（予選１位／決勝１位）
「レース2の反省点を踏まえて、様子を見ながらタイヤライフを維持したけれど、思った以上にほかのライダーもそれができていて、同じようにやられたなっていうイメージです。その中でも安定したタイムが刻めました。レース3は気温が下がって路面温度が下がったにもかかわらず安定していたのは、ブリヂストンタイヤのおかげです。１年間、安定したタイヤを供給してくれたブリヂストンには感謝しかありません。11連覇を全戦全勝で成し遂げられたのは非常にうれしく思います。引き続き気を引き締めて、ブリヂストンタイヤと一緒に戦っていきたいです」