【2024年全日本ロードレース選手権 第6戦 オートポリス JSB1000】岡本裕生が中須賀克行を破ってダブルウイン

全日本ロードレース第６戦の戦いの場は九州のオートポリス。台風の影響で事前テストがキャンセルされたため、各車初日から忙しくセッティングに勤しむウイークになった。
好天に恵まれたレースウイークは2レース制。土曜日の午前中に予選、午後にレース1が組まれた。

【予選】
予選は30分間の計時予選方式。1分48秒449で真っ先にリーダーボードのトップに立ったのは野左根航汰（ブリヂストン）。3周目に中須賀克行（ブリヂストン）が1分46秒962と一気に1分46秒台に突入。岡本裕生（ブリヂストン）が1分47秒862で2番手につける。中須賀が唯一の1分46秒台。岡本は唯一の1分47秒台という状況のまま時計が進む。
中須賀と岡本はランデブー走行を繰り返す。セッション残り8分。岡本が1分47秒101と自身のタイムを短縮。翌周には1分47秒046とさらにタイムを詰める。野左根も1分47秒735と1分47秒台に突入。
残り5分。中須賀が転倒。しかし中須賀以外に1分46秒台にタイムを入れる者は現われず、そのまま中須賀のポールポジションが確定。セカンドタイムで決定するレース2は岡本がポールポジション獲得。なお、中須賀は転倒でマシンにダメージがあったものの、ライダーの体は無傷だった。

【決勝レース1】
土曜日午後に行なわれたレース1は15周の周回数。ホールショットを決めたのは中須賀。岡本、野左根と続き3台でトップ集団を形成する。オープニングラップの最終コーナー手前で野左根が岡本を捕らえて２番手浮上。
3周目の1コーナーで野左根が中須賀の前に出た。しかし野左根にジャンプスタートのライドスルーペナルティが示される。そうこうしている間に名越哲平（ブリヂストン）がトップ集団に加わる。

4周目に野左根がペナルティ消化。これで首位は中須賀に戻り、再び岡本を従える。少し離された名越は水野涼（ブリヂストン）に表彰台争いを挑まれる。
7周目に長島哲太（DL）が転倒。トップが8周目に突入したところで赤旗が出される。

8周という超スプリントレースがクイックリスタート。好スタートを切ってリードしたのは岡本。中須賀を従える。しかし中須賀はオープニングラップで首位奪取。岡本は果敢に中須賀のすきをねらう。後方では水野、名越、野左根の表彰台争いが勃発。それぞれのバトルが激化する。
岡本は何度も中須賀の前に出る。その間に表彰台争いにけりをつけた水野がヤマハ2台との差を詰め始める。
4周目に完全にトップに出た岡本がファステストラップをたたき出しながら中須賀を引き離しにかかり、そのまま岡本は今季2勝目を飾った。

●岡本裕生（予選２位／決勝1位）
「レースは予選よりも路面コンディションが悪く、スリッピーだったのですが、そんな中でもブリヂストンタイヤは最初から最後までしっかりグリップを保ってくれました。赤旗中断中にコンディションに応じたセッティング変更をしたら、さらにグリップ感が増しました。その安心感で勝てました。8周の短いレースでも、明日の18周のレースにも対応できるようなセッティングを見つけられました」

【決勝レース2】
レース2はレース1よりも3周多い18周の周回数でスタート。ホールショットを奪ったのは中須賀。岡本、野左根と続き、オープニングラップからサイドbyサイドのバトルを展開。ここに水野、名越、岩田悟（ブリヂストン）と続く。
4周目に岡本が中須賀を捕らえてトップに浮上し、ペースを上げる。これで完全にヤマハファクトリーチームの2台が集団から抜け出して一騎打ち。野左根、水野、名越、岩田は4台での表彰台争いに移行。
7周目。水野がコースアウトして転倒。これで3台での表彰台争いに変わる。
岡本は中須賀をじわじわと引き離し、8周終了時点で1秒以上のアドバンテージを築く。

レース中盤。表彰台争いから徐々に岩田が遅れ出す。野左根と名越の一騎打ちになった表彰台争いを猛追したのは高橋巧（ブリヂストン）。レース終盤には完全に3台での争いに持ち込む。最終ラップで名越が転倒。
岡本は大差をつけてダブルウイン。中須賀はダブル2位。表彰台争いは高橋が制した。

●岡本裕生（予選1位／決勝1位）
「路面温度が高くなって、厳しいレースになりました。昨日よりもアベレージタイムは落ちましたが、最後まで自分で思っていたペースを刻めました。中須賀選手を大きく引き離せたことは次のレースに向けてポジティブです。どんどんタイヤへの理解が深まっているので、そこをうまく使って次戦に挑みたいです」