【2024年全日本ロードレース選手権 第2戦 もてぎ ST600】ディフェンディングチャンピオンの阿部恵斗 ポールto独走優勝

　全日本ロードレース選手権ST600にオフィシャルサプライヤーとしてタイヤ供給を始めて10年目となった今シーズン。今季も若手からベテランまでがエントリーするクラスになった。
　第２戦もてぎはST600クラスにとっては開幕戦。30分間の予選セッション前半は「調子はまずまず。悪くはない」という長尾健吾が首位をキープ。しかしセッション中盤にディフェンディングチャンピオンの阿部恵斗が逆転。そのままポールポジションを獲得した。
　阿部は「ディフェンディングチャンピオンとしてかっこ悪い走りは見せられない」とプレッシャーがあったことを告白。「1分51秒台をねらっていたけれど、ちょっと届かなかった。今日のタイムは3周のアタックで3周目に出したもの。どうにかまとめられた」と笑顔をみせた。
　また阿部から1秒以内に長尾、芳賀涼大、鈴木光来、岡谷雄太、小山知良、菅原陸、伊達悠太とそうそうたるメンバーが連なり、決勝の混戦を予感させた。

　好天に恵まれた決勝日。気温も上昇して絶好のレース日和となった。
　青空の下で好スタートを切ってレースをリードした阿部。すぐに独走体制に移行。追いかけた長尾は２位単独走行に入る。

激しくドラマチックだったのが表彰台争い。レース序盤は鈴木、芳賀、小山、伊達、岡谷、菅原の6台での争い。岡谷、菅原は徐々に集団から離される。さらにレース中盤は小山が遅れ、次いで伊達も遅れて小山と伊達が5位争い、鈴木と芳賀が3位争いを開始。10周目に芳賀が転倒し、鈴木が単独3番手走行とめまぐるしい展開。レース終盤には伊達、小山が鈴木に追いついて表彰台争いを挑む。

　阿部は後方の混戦を尻目に最後まで好走。初めてのゼッケン１番でのレースを独走優勝で飾った。長尾は「残り3周でバイクがガタガタし始めたからペースを落として2位をしっかり持って帰ろうと冷静に判断できた」と2位表彰台を獲得。3位争いは最終ラップで伊達が逆転。表彰台を獲得した。

●阿部恵斗（予選１位／決勝１位）
「決勝レースは気温が高くなることを想定していました。アジア選手権で試していたセッティングを取り入れたら、うまく当てはまりました。最後の2周はしんどかったけれど、それはそれでよかったです。ポールポジションも取れて、苦手なスタートも決まって、完璧なレースになりました」