谷口信輝が完全制覇し4度目の王者にポテンザRE-07Dが上位を独占
- 開催場所:岡山国際サーキット
- 開催日:2019年10月19日(土) 〜 2019年10月20日(日)
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 2019の最終戦が、10月19日(土)〜20日(日)、岡山国際サーキットで開催された。10月だというのに台風が数多く襲来する不安定な天候の中、この最終戦もまた天候に翻弄された難しいレースとなった。結果ウエットでのグリップ性能が結果を大きく左右することになり、ライバルに対して優位にあるポデンザRE-07Dがレースの上位を占めることに なった。
シリーズチャンピオン争いは4人に絞られた。#1谷口信輝(ブリヂストン)がランキングトップで、14.5ポイント差で#98近藤翼(ブリヂストン)、21ポイント差で#90阪口良平(ブリヂストン)、24.5ポイント差で#7堤優威(ブリヂストン)の4名が争う混戦。最終戦は2ヒート制で、最大33ポイントが獲得できるだけに、どの選手にも逆転のチャンスはあった。
●予選
プロフェッショナルシリーズの予選は、雨はほとんど感じられないレベルになっていたが、路面はウエットだった。
岡山をホームコースとし、過去速さを発揮してきた阪口が、予選開始早々にトップタイムをマークする。そのタイムをターゲットとして、次々とライバルたちがアタックしていくが、届かない。この週末、常に上位タイムを連発してきた好調さは、予選が始まっても変わらなかった。予選の残り時間が少なくなっても、タイミングモニターのトップは阪口のままだった。このままポールポジションが決まるのか? そういう空気が漂っていた。しかしウエットということもあり、多くのドライバーはいつものように1アタックではなく、周回を重ねていく。むしろ気温が低く、想定されたよりもタイヤの暖まりが遅く、ピークは3〜4回目のアタックとなるドライバーが多かった。それを終盤のアタックでタイム更新してみせたのは、谷口だった。さらにそれを岡山育ちの#121蒲生尚弥(ブリヂストン)が更新したが、最後に谷口がさらにタイムアップして逆転、ポールポジションを獲得。3位には#25水谷大介(ブリヂストン)が入り、阪口は最終的に6位。シリーズを争う堤は5位だったが、近藤は13位とやや後方となった。ブリヂストン装着勢が11位までを占め、ウエット性能の高さを証明してみせた。
●決勝
予選の後、午後になると雨は上がり、プロフェッショナルシリーズの第1ヒートが行われる頃には、路面もドライに回復していた。第1ヒートのスタート、谷口に抑えられた蒲生選手は行き場を失い、失速してしまう。そのため好スタートを決めた水谷、堤が順位を上げて、それぞれ2位、3位ポジションへ。そこへ阪口が追いつき、2周目には3位、3周目には2位へと上がり、谷口の追撃体制に入った。しかしそのバトルの影響もあって、その差はすでに2秒以上になっていた。そして5周目、クラッシュしたマシン回収のためにセーフティカーが入ると、さらに9周目にクラッシュが発生して赤旗中断。再スタートは残り1周のタイミングとなり、上位陣の順位はそのままで、チェッカーとなった。
翌日の第2ヒート、スタート時点でポイントは谷口が21ポイント差以上を付けたものの、第2ヒートを完走しなければ第1ヒートのポイントがゼロになるため、チャンピオンは決まらない。逆にいえば、第2ヒートを完走さえすれば順位に関係なくチャンピオンが決まる。だがしかし、谷口はチャンピオンのプライドを懸けた真っ向勝負で臨んだ。スタート直後からピタリと背後についた阪口は、わずかなチャンスを見逃さない姿勢だった。3位堤がペースに苦しみ、追い上げてきた#32市森友明(ブリヂストン)を防戦する必要もあって、トップ2台から少しずつ離されてしまう。マッチレースとなった2人のプロドライバーは最後まで戦い続けたが、順位は変わらず谷口がポール・トゥ・ウィン。見事に2年連続、4度目のシリーズチャンピオンに輝いた。
2位となった阪口選手も、2度目のシリーズランキング2位。今シーズン7度目の3位となった堤選手は、シーズンランキングでも3位となり、表彰台はシリーズランキング通りとなった。ブリヂストン装着勢は上位9位までを独占、今シーズンは全8戦中6勝を挙げた。ポテンザRE-07Dのパフォーマンスの高さが改めて証明され、2019年シーズンは締めくくられた。
プロフェッショナルシリーズで、第1ヒート、第2ヒートともにポール・トゥ・ウィンを達成し、シリーズチャンピオンを獲得した#1谷口信輝選手(ブリヂストン)のコメント。
「開幕戦から勝てるポテンシャルはあると思っていたのですが、セーフティカーが入ったことで順位を下げる結果になってしまいました。そこからのシーズン前半戦は、上位にこそ入ったものの、勝てないまま終わりました。シーズン半ばに海外のレースに出るために、第5戦富士をお休みすることになって、シリーズ争いは厳しくなるかなと思っていました。でも前半戦の優勝ドライバーがバラけてポイントが分散されていたので、少しラッキーな部分もあったと思います。そこから破竹の3連勝をして、ポイントリーダーとして岡山に入ってチャンピオンを決めることができました。来シーズンはまわりのチームからのマークもさらに強くなると思いますが、3連覇を狙いたいと思います」
総合
- 開催日:2019/10/20
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:39
- 完走:36
- (3.703km x 24laps = 88.872km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 谷口 信輝 | BS | KTMS 86 | 24 | |||||||
2 | 90 | 阪口 良平 | BS | 大阪トヨタ86 Racing | 24 | |||||||
3 | 7 | 堤 優威 | BS | ADVICS カバナ BS 86 | 24 | |||||||
4 | 32 | 市森 友明 | BS | 大阪トヨタ86 Racing | 24 | |||||||
5 | 34 | 佐々木 雅弘 | BS | 小倉クラッチ REVO 86 BS GR86 | 24 | |||||||
6 | 25 | 水谷 大介 | BS | GR Tokyo Racing 86 | 24 | |||||||
7 | 17 | 織戸 学 | BS | サミー☆K-one☆MAX86 | 24 | |||||||
8 | 87 | 久保 凜太郎 | BS | CG ROBOT BRZ BS | 24 | |||||||
9 | 11 | 脇阪 寿一 | BS | Owltech 86 | 24 | |||||||
10 | 369 | 平中 克幸 | GY | GY RACING 86 | 24 | |||||||
11 | 80 | 宮田 莉朋 | DL | OTG DL 86 | 24 | |||||||
12 | 88 | 井口 卓人 | BS | CG ROBOT BRZ BS | 24 | |||||||
13 | 206 | 松本 武士 | DL | T和歌山 OGAWA 86 DL | 24 | |||||||
14 | 199 | 大原 佳祐 | BS | COROLLA MIE 86 | 24 | |||||||
15 | 97 | 小河 諒 | DL | 神奈川トヨタ ☆ DTEC 86R | 24 | |||||||
16 | 121 | 蒲生 尚弥 | BS | tomicaネッツ兵庫 BS GR86 | 24 | |||||||
17 | 160 | 吉田 広樹 | DL | 埼玉トヨペットGB86DL | 24 | |||||||
18 | 98 | 近藤 翼 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC 86R | 24 | |||||||
19 | 5 | 井上 尚志 | BS | まんさくレストアパーツBS86 | 24 | |||||||
20 | 293 | 岡本 大地 | NEXEN Racing 86 | 24 | ||||||||
21 | 92 | 河野 駿佑 | GY | THE BRIDE 86 | 24 | |||||||
22 | 178 | 吉田 綜一郎 | BS | チームトレジャー86 | 24 | |||||||
23 | 328 | 密山 祥吾 | DL | 埼玉トヨペットGB86DL | 24 | |||||||
24 | 50 | 高島 登 | BS | エムテックス制動屋SSR86 | 24 | |||||||
25 | 813 | 坂 裕之 | DL | ネッツ兵庫DLテックプロ86 | 24 | |||||||
26 | 557 | 大西 隆生 | BS | オートバックス G7 AS86 BS | 24 | |||||||
27 | 583 | 近藤 説秀 | GY | 高野山with P和歌山GY86 | 24 | |||||||
28 | 804 | 山下 昌樹 | BS | NUTECアライズ86 | 24 | |||||||
29 | 999 | 森川 基雄 | BS | ウィニング制動屋NUTEC86 | 24 | |||||||
30 | 55 | 森山 鉄也 | GY | THE BRIDE 86 | 24 | |||||||
31 | 10 | 菅波 冬悟 | DL | OTG TN滋賀 86 | 24 | |||||||
32 | 631 | コウ ウアン | BS | APG JAPAN 86 | 24 | |||||||
33 | 31 | 青木 孝行 | BS | ケーエムエス フェニックス86 | 24 | |||||||
34 | 906 | 佐々木 孝太 | DL | RECARO 86 | 22 | |||||||
35 | 312 | 松本 晴彦 | DL | 埼玉自動車大学校生駒SBS 86 | 21 | |||||||
36 | 60 | 服部 尚貴 | DL | OTG DL 86 | 16 | |||||||
- | 205 | 下垣 和也 | DL | T和歌山 OGAWA 86 DL | 8 | DNF | ||||||
- | 8 | 渡辺 圭一 | BS | LIGHTEC 86 | 7 | DNF | ||||||
- | 123 | 松井 孝允 | GY | NETZ TOYAMA Racing 86 | 5 | DNF |
決勝ヒート1
- 開催日:2019/10/19
- 天候:Cloudy
- 路面:Dry
- 決勝出走:39
- 完走:39
- (3.703km x 12laps = 44.436km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 谷口 信輝 | BS | KTMS 86 | 12 | 43:43.415 | ||||||
2 | 90 | 阪口 良平 | BS | 大阪トヨタ86 Racing | 12 | 43:43.619 | ||||||
3 | 7 | 堤 優威 | BS | ADVICS カバナ BS 86 | 12 | 43:44.019 | ||||||
4 | 25 | 水谷 大介 | BS | GR Tokyo Racing 86 | 12 | 43:46.551 | ||||||
5 | 32 | 市森 友明 | BS | 大阪トヨタ86 Racing | 12 | 43:46.777 | ||||||
6 | 17 | 織戸 学 | BS | サミー☆K-one☆MAX86 | 12 | 43:47.546 | ||||||
7 | 31 | 青木 孝行 | BS | ケーエムエス フェニックス86 | 12 | 43:48.166 | ||||||
8 | 121 | 蒲生 尚弥 | BS | tomicaネッツ兵庫 BS GR86 | 12 | 43:50.022 | ||||||
9 | 34 | 佐々木 雅弘 | BS | 小倉クラッチ REVO 86 BS GR86 | 12 | 43:50.392 | ||||||
10 | 11 | 脇阪 寿一 | BS | Owltech 86 | 12 | 43:51.125 | ||||||
11 | 88 | 井口 卓人 | BS | CG ROBOT BRZ BS | 12 | 43:51.884 | ||||||
12 | 87 | 久保 凜太郎 | BS | CG ROBOT BRZ BS | 12 | 43:53.053 | ||||||
13 | 98 | 近藤 翼 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC 86R | 12 | 43:54.054 | ||||||
14 | 206 | 松本 武士 | DL | T和歌山 OGAWA 86 DL | 12 | 43:54.502 | ||||||
15 | 60 | 服部 尚貴 | DL | OTG DL 86 | 12 | 43:55.490 | ||||||
16 | 369 | 平中 克幸 | GY | GY RACING 86 | 12 | 43:57.291 | ||||||
17 | 80 | 宮田 莉朋 | DL | OTG DL 86 | 12 | 44:00.366 | ||||||
18 | 199 | 大原 佳祐 | BS | COROLLA MIE 86 | 12 | 44:00.598 | ||||||
19 | 10 | 菅波 冬悟 | DL | OTG TN滋賀 86 | 12 | 44:00.898 | ||||||
20 | 97 | 小河 諒 | DL | 神奈川トヨタ ☆ DTEC 86R | 12 | 44:02.353 | ||||||
21 | 178 | 吉田 綜一郎 | BS | チームトレジャー86 | 12 | 44:05.237 | ||||||
22 | 160 | 吉田 広樹 | DL | 埼玉トヨペットGB86DL | 12 | 44:05.511 | ||||||
23 | 5 | 井上 尚志 | BS | まんさくレストアパーツBS86 | 12 | 44:06.832 | ||||||
24 | 55 | 森山 鉄也 | GY | THE BRIDE 86 | 12 | 44:08.496 | ||||||
25 | 50 | 高島 登 | BS | エムテックス制動屋SSR86 | 12 | 44:09.413 | ||||||
26 | 999 | 森川 基雄 | BS | ウィニング制動屋NUTEC86 | 12 | 44:09.836 | ||||||
27 | 328 | 密山 祥吾 | DL | 埼玉トヨペットGB86DL | 12 | 44:10.074 | ||||||
28 | 583 | 近藤 説秀 | GY | 高野山with P和歌山GY86 | 12 | 44:11.417 | ||||||
29 | 92 | 河野 駿佑 | GY | THE BRIDE 86 | 12 | 44:12.057 | ||||||
30 | 312 | 松本 晴彦 | DL | 埼玉自動車大学校生駒SBS 86 | 12 | 44:15.179 | ||||||
31 | 813 | 坂 裕之 | DL | ネッツ兵庫DLテックプロ86 | 12 | 44:15.385 | ||||||
32 | 293 | 岡本 大地 | NEXEN Racing 86 | 12 | 44:16.187 | |||||||
33 | 804 | 山下 昌樹 | BS | NUTECアライズ86 | 12 | 44:16.265 | ||||||
34 | 557 | 大西 隆生 | BS | オートバックス G7 AS86 BS | 12 | 44:22.730 | ||||||
35 | 631 | コウ ウアン | BS | APG JAPAN 86 | 12 | 44:23.734 | ||||||
36 | 906 | 佐々木 孝太 | DL | RECARO 86 | 10 | 44:02.761 | ||||||
37 | 205 | 下垣 和也 | DL | T和歌山 OGAWA 86 DL | 8 | 18:12.940 | ||||||
- | 8 | 渡辺 圭一 | BS | LIGHTEC 86 | 7 | DNF | ||||||
- | 123 | 松井 孝允 | GY | NETZ TOYAMA Racing 86 | 5 | DNF |