驚速の坪井翔にトラブルが発生、波乱の決勝レースで近藤翼が2位
- 開催場所:富士スピードウェイ
- 開催日:2021年05月08日(土) 〜 2021年05月09日(日)
およそ2カ月ぶりの開催となり、そのインターバルの間にプロフェッショナルシリーズに参戦する各チーム、各ドライバーはテストを経て、2021年仕様の完成度を高めたことが予想された。開幕戦の結果は、今シーズンの勢力図を判断するには不十分だ、ということだ。
予選前日、金曜日の夜に降った雨は黄砂を含んだもので、路面コンディションは砂混じりの滑りやすいものとなっていたようだ。そのため事前のテストとのフィーリングの違いに戸惑うドライバーも少なくなかった。タイヤのブランドを固定しないドライバーのほとんどはブリヂストンタイヤを選択しており、エントリーした30台のマシンのうち実に20台がブリヂストンという、新しいポテンザRE-07Dは高い支持を受けていた。
●予選
やはり多くのドライバーはコースコンディションがわずかでも良好化するセッション後半を狙い、ピット前での待ち時間を過ごしていた。セッション前半にコースインしたのはわずか。トップでコースインし、単独でタイムアタックを行ったのは#56鶴賀義幸(ブリヂストン)で、結果としては15位となった。やはりストレートの長いコースレイアウトでは、他車のスリップストリームを使うことが、タイムアップには重要だったのだ。予選トップタイムをマークしたのは#41坪井翔(ブリヂストン)。「自分のフィーリングにピッタリきた」ということで、わずか1度しか走らせていないブリヂストンへとタイヤを変更。しかし若き日本のトップドライバーが信じた自身の感覚は正しく、2位に0.3秒近くの大きな差を付けてポールポジションを獲得した。
2位には、富士スピードウェイを得意としている#25水谷大介(ブリヂストン)が入り、3位はこれまた富士で強さを見せる#98近藤翼(ブリヂストン)となり、トップ3をブリヂストンが独占した。ブリヂストン装着勢は、トップ10に6台が入った。
●決勝レース
トップカテゴリーのレースでトップ争いに加わっている若手バリバリの坪井が、果たしてどのようなレース展開を見せるのか、注目は高まっていた。しかし、残念なことにマシンは悲鳴を上げ、彼に応えてはくれなかった。まずまずのスタートを決めトップで1コーナーに入った坪井選手は、続く2コーナーの立ち上がりでシフトアップできず失速、8位までポジションを落としてしまう。一時は素晴らしいスパートで2位にまでポジションを戻したものの、その後も同じ症状を繰り返して順位を失い、9周目には大幅に失速したところに#1久保凜太郎(ブリヂストン)が避けきれず、2人ともマシンをコースサイドに停めることになった。オープニングラップでトップに立ったのは水谷。
しかしペースは上がらず、後続のマシンを抑える形になり、2位以下は順位を入れ換えながら、2台〜3台が同時にコーナーに入るような状況となった。4周目、#10菅波冬悟(DL)がただひとり水谷をオーバーテイクすると、大きくリードを拡げていく。次にオーバーテイクしたのは7周目、ポジションを怒濤の勢いで挽回してきた坪井で、彼のオーバーテイクでバランスを崩した水谷を、後続の選手が次々とオーバーテイクしていった。しかし、その時点で菅波のリードは5秒以上にも達しており、そのままチェッカーを受けた。失速した坪井に代わって2位となったのは近藤で、3位には予選14位から追いあげてきた#31青木孝行(ブリヂストン)が入った。
ブリヂストン装着勢は、トップ10に6台が入った。
プロフェッショナルシリーズで2位表彰台を獲得した#98近藤翼選手のコメント。
「ずいぶんと激しいレース展開になりましたけど、生き残って2位になることができました。ハードなレースだったので、レース展開を覚えていないくらいです。すごく集中していたので、ちょっと疲れました。今回はブリヂストンを選択してレースに臨んだんですけど、タイヤとしては最後まで全く問題なく、高い性能を発揮してくれました」
決勝
- 開催日:2021/05/09
- 天候:Cloudy
- 路面:Dry
- 決勝出走:30
- 完走:28
- (4.563km x 10laps = 45.63km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 10 | 菅波 冬悟 | DL | OTG TN滋賀 86 | 10 | 21'09.038 | ||||||
2 | 98 | 近藤 翼 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC 86R | 10 | 21'16.093 | ||||||
3 | 31 | 青木 孝行 | BS | ケーエムエス フェニックス86 | 10 | 21'17.779 | ||||||
4 | 160 | 吉田 広樹 | BS | 埼玉トヨペットGB 86 BS | 10 | 21'18.806 | ||||||
5 | 293 | 岡本 大地 | NX | N Fera Sports 86 | 10 | 21'21.952 | ||||||
6 | 80 | 宮田 莉朋 | DL | OTG DL 86 | 10 | 21'22.734 | ||||||
7 | 60 | 服部 尚貴 | DL | OTG DL 86 | 10 | 21'23.172 | ||||||
8 | 11 | 脇阪 寿一 | BS | Owltech 86 | 10 | 21'23.614 | ||||||
9 | 988 | 井口 卓人 | BS | RECARO BRZ BS T | 10 | 21'24.740 | ||||||
10 | 34 | 佐々木 雅弘 | BS | 小倉クラッチ REVO 86 BS GR86 | 10 | 21'24.812 | ||||||
11 | 82 | 谷口 信輝 | BS | KTMS 86 | 10 | 21'26.006 | ||||||
12 | 504 | 冨林 勇佑 | DL | エアバスター86DL デルタ | 10 | 21'26.733 | ||||||
13 | 906 | 佐々木 孝太 | DL | RECARO BRZ DL K | 10 | 21'27.008 | ||||||
14 | 521 | 川合 孝汰 | BS | 埼玉トヨペットGB 86 BS | 10 | 21'27.585 | ||||||
15 | 700 | 吉田 綜一郎 | BS | トレジャーワン Tby2 86 | 10 | 21'28.936 | ||||||
16 | 18 | 中山 雄一 | BS | 茨城トヨペットGRつくば86R | 10 | 21'29.501 | ||||||
17 | 70 | 伊東 黎明 | DL | OTG DL 86 | 10 | 21'29.951 | ||||||
18 | 813 | 坂 裕之 | DL | MプランニングK2 アクセス DL86 | 10 | 21'30.338 | ||||||
19 | 550 | 宗藤 昌太朗 | BS | 名神タイヤ86 | 10 | 21'31.930 | ||||||
20 | 999 | 森川 基雄 | DL | ウイニング制動屋NUTEC86 | 10 | 21'33.339 | ||||||
21 | 5 | 井上 尚志 | BS | まんさくレストアパーツBS86 | 10 | 21'40.460 | ||||||
22 | 25 | 水谷 大介 | BS | GRTokyoRacing86 | 10 | 21'41.871 | ||||||
23 | 7 | 堤 優威 | BS | muta BS カバナ86 | 10 | 21'53.193 | ||||||
24 | 56 | 鶴賀 義幸 | BS | 栃木トヨタT2FACTRY BS86 | 10 | 21'57.723 | ||||||
25 | 97 | 橋本 陸 | DL | 神奈川トヨタ ☆ DTEC 86R | 10 | 22'01.306 | ||||||
26 | 199 | 大原 佳祐 | BS | COROLLA MIE 86 | 10 | 22'05.173 | ||||||
27 | 41 | 坪井 翔 | BS | C.S.I Racing 86 | 8 | 17'05.494 | ||||||
28 | 1 | 久保 凜太郎 | BS | CG ROBOT BRZ BS | 8 | 17'06.224 | ||||||
- | 557 | 大西 隆生 | BS | オートバックス G7 AS86 BS | 0 | DNF | ||||||
- | 88 | 手塚 祐弥 | BS | CG ROBOT BRZ BS | DQ |