予選からのドライ路面に手探り状態ながら 蒲生尚弥が今シーズン自己ベストとなる2位表彰台を獲得
- 開催場所:鈴鹿サーキット
- 開催日:2024年10月05日(土) 〜 2024年10月06日(日)
現行のトヨタGR86とスバルBRZによって競われる、GR86/BRZ Cupの3シーズン目もいよいよ終盤戦を迎えた。指定もしくは認定されたパーツであれば自由な交換が許され、セッティングの幅が広がり、それに合わせたドライビングを要することで、バトルがますます激化した感がある。
ブリヂストンは十勝スピードウェイでの第5戦から、POTENZA RE-10Dを導入した。従来のRE-09Dの持ち味だったロングライフに加え、ウォームアップ性能を向上させて、予選の一発もより狙えるようにチューニングされている。
第7戦の舞台、鈴鹿サーキットでのレースウィークは、ウェットコンディションではじまり、木曜日、金曜日と連日雨に見舞われた。そのためPOTENZA RE-10Dのウェットパフォーマンスに関しては、多くのチームが理解を深めることができたようだった。それは「ウェットはPOTENZA一択」ということ。
金曜日に行われた専有走行では、絶えず雨量が変化したため、どのタイミングでアタックシミュレーションができたかにもよるが、トップは2分32秒308を記していた松井孝允(DL)ながら、2番手に2分32秒327で久保凜太郎(ブリヂストン)が、4番手には2分32秒489で井口卓人(ブリヂストン)がつけることになった。
今回のエントリーは33台で、そのうち21台がブリヂストンのPOTENZA RE-10Dを装着する。
●予選
予選の行われる土曜日になると、天候が急転。
晴れて、ドライコンディションが整った。POTENZA RE-10Dでドライコンディションの鈴鹿を走るのは、どのユーザーも初めて。タイヤの内圧を含めたセットアップを、決め打ちで行う必要があった。
そんな状況において、計測と同時にコースインし、早めにアタックを行なった蒲生尚弥(ブリヂストン)が2分26秒020をマークしてトップに浮上。
しかし、ワンタイミング遅らせてアタックした菅波冬悟(DL)が2分25秒626を出して逆転する。
それでも蒲生は2番手を獲得、堤優威(ブリヂストン)が2分26秒374で4番手に。
後半に勝負をかけた井口、久保らは、路面温度の上昇が裏目に出て、15番手、12番手に留まる。
正式結果は、3番手の選手に走路外走行があったため、堤が3番手、中山雄一(ブリヂストン)が8番手、久保が11番手、井口は14番手から決勝に臨むことになった。
第7戦で予選2番手を獲得した蒲生尚弥のコメント
「今週はずっとウェットで走っていたのですが、予選でいきなりドライコンディションになってしまいました。その中で、うまくまとめられました。2番手ならば勝負できる順位なのでよかったと思います。路面は前日まで雨が降っていたので、変なクセもなかったですね。決勝は…そっとしておいて欲しいです(笑)。いや、精いっぱい頑張ります」
●決勝
翌日曜日も朝から晴れ模様。しかし、まだロングランのテストができていないPOTENZA RE-10Dユーザーには、試練を与えることとなった。
2番手からスタートした蒲生のダッシュは鋭かったが、ポールシッターの菅波はグリッドの有利さを活かして1コーナーへのホールショットに成功。
そして、その後方では堤を、予選4番手の奥本隼士(DL)がかわしていたが、2周目のスプーンカーブでミッショントラブルによりストップ。これで堤が順位を戻す。
その後方で5番手に上がっていたのが岡本大地(ブリヂストン)だった。予選は9番手だったものの、「今までで一番」と本人が言うスタートが決まり、1周目を終えた段階で4番手松井の背後にまで迫っていた。
普段なら、大接戦が繰り広げられるはずのトップ争いだが、今回は様子が違っていた。早い段階からトップの菅波、2番手の蒲生、3番手の堤が、それぞれ単独走行となっていたからだ。中盤からは松井との差を岡本が詰めていたものの、抜くまでには至らず。
その一方で激しかったのが、伊東黎明(DL)と中山、久保、小河諒(DL)による6番手争い。
なかでも久保は1周目を終えた段階でふたつポジションを上げていた。
その勢いで5周目には中山を抜いて7番手に浮上する。
その間にいったんは伊東の逃げを許すが、終盤に入って伊東のペースが鈍り始めたのを見逃さず、最終ラップに久保、中山が相次いでパスしていく。
その間にもトップ菅波は、安定の走りを続けて5勝目をマーク。最終戦を待たずして2度目のチャンピオンを獲得した。2位は蒲生、3位は堤が獲得。奇しくも、この順位は昨年の鈴鹿ラウンドと同じだった。
5位は岡本、6位に久保、そして7位は中山が獲得。中山は堤と同ポイントのランキング3位で最終戦に臨むことになった。また、唯一菅波の王座決定を阻止できる立場だった井口は、ミッショントラブルに見舞われて5周目にリタイアを喫してしまった。
●第7戦 プロフェッショナルシリーズ決勝レースで、2位となった蒲生尚弥のコメント
「久しぶりの表彰台で、嬉しそうに見えないかもしれませんが、本当に嬉しいです(笑)。ですが接戦に持ち込めないほどトップが速かったですね。僕の後ろの展開は分からないですけど、決勝のドライはぶっつけ本番だったことが、その理由だと思います。内圧も合わせられなかったので。みんな同じだと思うんですけど、路面温度も上がって、きつかったですね。とはいえそのなかでも、タイヤの落ちも小さく、抜くまでには至りませんでしたが、やはり後半に強かったと思います。次回は、木曜、金曜から、予選も含めて、もっと早い段階であわせられるように、なんとかしたいと思います」
決勝
- 開催日:2024/10/06
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:33
- 完走:31
- (4.801km x 8laps = 38.408km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 10 | 菅波 冬悟 | DL | OTG TN滋賀 GR86 | 8 | 19'52.555 | ||||||
2 | 121 | 蒲生 尚弥 | BS | tomicaネッツ兵庫 BS GR86 | 8 | 19'53.349 | ||||||
3 | 7 | 堤 優威 | BS | CABANA BS GR86 | 8 | 19'57.787 | ||||||
4 | 123 | 松井 孝允 | DL | NETZ富山Racing GR86 | 8 | 19'58.842 | ||||||
5 | 293 | 岡本 大地 | BS | BRMトヨタカローラ高知GR86 | 8 | 19'59.064 | ||||||
6 | 87 | 久保 凜太郎 | BS | 千葉スバル BS BRZ | 8 | 20'05.633 | ||||||
7 | 18 | 中山 雄一 | BS | IBARAKI TOYOPET GR86 | 8 | 20'06.035 | ||||||
8 | 80 | 伊東 黎明 | DL | OTG DL GR86 | 8 | 20'06.352 | ||||||
9 | 60 | 小河 諒 | DL | OTG DL GR86 | 8 | 20'06.535 | ||||||
10 | 225 | 平良 響 | BS | KTMS GR86 | 8 | 20'07.572 | ||||||
11 | 550 | 宗藤 昌太朗 | DL | 名神タイヤGR86 | 8 | 20'08.470 | ||||||
12 | 98 | 元嶋 佑弥 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 | 8 | 20'08.969 | ||||||
13 | 70 | 服部 尚貴 | DL | OTG DL GR86 | 8 | 20'11.128 | ||||||
14 | 31 | 青木 孝行 | BS | ケーエムエス フェニックスGR86 | 8 | 20'12.619 | ||||||
15 | 160 | 吉田 広樹 | BS | GR Garage 浦和美園 BS GR86 | 8 | 20'13.251 | ||||||
16 | 906 | 近藤 翼 | DL | RECARO DL BRZ | 8 | 20'13.878 | ||||||
17 | 700 | 地頭所 光 | BS | DTS WRF/カバナ GR86 | 8 | 20'14.174 | ||||||
18 | 34 | 佐々木 雅弘 | BS | 小倉クラッチ REVO BS GR86 | 8 | 20'15.169 | ||||||
19 | 17 | 谷口 信輝 | BS | K-one 愛知トヨタ GR86 | 8 | 20'20.611 | ||||||
20 | 97 | 高橋 知己 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC GR86 | 8 | 20'21.125 | ||||||
21 | 56 | 鶴賀 義幸 | BS | 栃木トヨタT2FACTRY BS GR86 | 8 | 20'21.715 | ||||||
22 | 199 | 小林 利徠斗 | BS | COROLLA MIE GR86 | 8 | 20'22.617 | ||||||
23 | 910 | 坂 裕之 | DL | MプランニングDLエンドレスGR86 | 8 | 20'22.975 | ||||||
24 | 5 | 井上 尚志 | BS | レストアパーツBSまんさくGR86 | 8 | 20'23.619 | ||||||
25 | 909 | 小暮 卓史 | DL | RECARO DL BRZ | 8 | 20'23.877 | ||||||
26 | 72 | 坂口 夏月 | NX | NEXEN 4MINUTES GR86 | 8 | 20'25.537 | ||||||
27 | 8 | 渡辺 圭一 | BS | JCS GR 浦和美園 GR86 | 8 | 20'26.274 | ||||||
28 | 76 | 森川 基雄 | BS | ウィニング制動屋 NUTEC GR86 | 8 | 20'28.625 | ||||||
29 | 32 | 市森 友明 | BS | 大阪トヨタ NiX GR86 | 8 | 20'38.227 | ||||||
30 | 504 | 冨林 勇佑 | DL | エアバスターEXEDY DL GR86 | 8 | 20'47.174 | ||||||
31 | 1 | 井口 卓人 | BS | 東京スバル BS BRZ | 5 | 12'36.036 | ||||||
- | 85 | 奥本 隼士 | DL | AT K-one DL GR86 | 1 | DNF | ||||||
- | 55 | 鎌倉 裕貴 | BS | YS PRODUCE GR86 | DNS |