2021年 全日本ジムカーナ選手権 最終戦 エビス ブリヂストン装着選手が２クラスでチャンピオン獲得！！

2021年の全日本ジムカーナ選手権最終戦となる第2戦は、福島県二本松市のエビスサーキット 西コースが戦いの場となる。元々4月に開催が予定されていたこの大会だが、会場のエビスサーキットが2月13日に起きた福島県沖地震により甚大な被害に遭ったため、10月に延期となった経緯がある。また、第8戦の鈴鹿ラウンドが中止となったため、2021年は全7戦ということになった。既にチャンピオンが決まっているクラスもあるが、まだ決まっていないクラスでは熾烈なチャンピオン争いが繰り広げられた。
コースは前半が広く舗装が施された場所を縦横に走るパイロン区間、後半がコース上のショートカットを利用した島回り区間で、高速コーナー、低速コーナー、パイロンターンを織り交ぜた見応え走り応えのある設定。前半の540度ターンでのパイロンと後半の島回りの要所に置かれたパイロンに触ってしまう選手が多く見受けられた。決勝日の朝7時の気温は6℃。雲は多めながらも太陽が顔を出し、気温・路温とも順調に上がっていき、競技開始の10時には気温15℃、路温16℃、お昼頃には気温18℃、路温30℃まで上がる状況。そんな中、RE-12D TYPE Aを履くJG8〜JG5クラスでは、JG7クラスで既にチャンピオンを決めている山野哲也（アバルト124スパイダー／ブリヂストン）が今期5勝目。また、河本晃一（フェアレディZ／ブリヂストン）も3位に入る。まだチャンピオンの決まっていなかったJG6クラスでは、権利を持つ選手が5人居並ぶ中、ユウ（ロードスターRF／ブリヂストン）が今期4勝目を挙げて見事にチャンピオンに輝く。ディフェンディングチャンピオンの西野洋平（86／ブリヂストン）も3位表彰台に登った。

RE-11Sも履けるJG4〜JG1クラスのPOTENZAユーザーは、ほぼ全車TYPE WS3を選択。低い路温でも高いグリップ力を発揮するコンパウンドを配したWS3の特徴を活かし、JG1クラスでは菱井将文（ランサー／ブリヂストン）が今季2勝目。また、JG4クラスでは橋本克紀（シビック／ブリヂストン）が2位、JG2クラスでは渡辺公（NSX／ブリヂストン）が2位、久保田尊治（シビック／ブリヂストン）が3位と、それぞれ表彰台の一角を占める活躍を見せた。

＜JG7クラス優勝、POTENZA RE-12D TYPE A装着＞（2006年以降にJAF登録された1600cc超の2WD車。改造範囲が最も狭い）
　
　今季4勝を挙げて既にチャンピオンを決めている山野哲也（アバルト124スパイダー／ブリヂストン）だが、前戦九州ラウンドではライバル小俣洋平（アバルト124スパイダー／DL）の後塵を拝する結果に。しかし今回の山野はやはり強かった。1本目、1:02.191というタイムでトップに立ったが、2本目、ライバル小俣が1:02.078というタイムでこれを塗り替えてきた。このベストタイム更新のアナウンスを聞きながら走る山野は怯むことなくアタックを続け、更に0.003秒速い1:02.075というタイムを叩き出して見事今季5勝目を挙げて見せた。今回の優勝で有効5戦の満点チャンピオンとなった。

●山野哲也選手コメント
　
　「今回も痺れる戦いでした。既にチャンピオンは決めているものの、今日が僕にとってアバルト124スパイダーでのラストランになるので、勝って終わりたかったんです。金曜日・土曜日とライバルの小俣選手に少し遅れをとっていましたが、今日はマシンのセットアップ、タイヤのセットアップともに完璧に決まり、1本目・2本目とも僅差ではあったけど勝つことができたということは今季の締めくくりとしてとても嬉しい終わり方でした。アバルト124スパイダーで戦った5年間で30勝を挙げ、全てチャンピオンを獲得できたのもRE-05D及びRE-12D TYPE Aのお陰です。ありがとうございました。」

＜JG6クラス優勝、POTENZA RE-12D TYPE A装着＞（2012年以降にJAF登録された1600cc超2000cc以下のRWD車。改造範囲が最も狭い）
　
　6戦を終えて野島孝宏（ロードスターRF／DL）、天満清（ロードスターRF／YH）、松本敏（ロードスターRF／DL）、ユウ（ロードスターRF／ブリヂストン）、西野洋平（86／ブリヂストン）の5名によるチャンピオン争いとなった最終戦。1本目、まず野島が1:03.243というタイムでトップに立つ。ユウは1:02.651というタイムを出したものの、ゴール直前で痛恨のパイロンタッチ。路面コンディションが上がって迎えた2本目、西野が1:02:749を出してトップに立つも、すぐさまユウが1:01.800という驚異的なタイムでトップを奪う。松本、天満、野島とそれぞれ1本目よりタイムアップしてきたもののユウの出したタイムには届かず、ユウが逃げ切って優勝。今季4勝目を挙げて見事2021年のシリーズチャンピオンを獲得した。

●ユウ選手コメント
　
　「自分で撒いた種ですが（笑）、今季はコロナウイルスの影響で2戦欠場し、四国ラウンドみかわでは1本目ミスコースしての2本目は豪雨による中止でノーポイントに終わったのが響いて、今回勝たなければチャンピオンを獲得できないという状況でした。厳しい状況でしたが自力で勝てばチャンピオンが獲れるということでもあったので、とにかく勝つことだけを考えてセットアップしてきました。金曜日・土曜日と気温が低くてライバルに有利なコンディションになるかなとも思ったのですが、今日は陽射しが路温を上げてくれたのでRE-12D TYPE Aの得意とする温度域で走れたのがよかったのかなと思います。ロードスターRF はJG7クラスのアバルト124スパイダーとは兄弟車だし、履くタイヤサイズも同じなので同レベルで走れるはずと思っていましたが、今日はJG7クラスで優勝したチャンピオン山野選手のタイムを上回ることができたのもチャンピオン獲得と共に嬉しかったです。」

＜JG1クラス優勝、POTENZA RE-11S TYPE WS3装着＞（4WD車。改造範囲が広い）
　
　1本目、菱井将文（ランサー／ブリヂストン）が0:59.374という唯一1分を切るタイムを出したもののパイロンタッチの判定で下位に沈んだが、2本目に安全マージンを多めに取りながら走ったと本人は言うものの0:58.957という更に速いタイムを出して、今季2勝目を挙げた。

●菱井将文選手コメント
　
　「今回金曜日から練習走行をしていましたが、気温が低かったのでRE-11S WS3に絞って色々試しました。新品とUSEDを比較したところUSEDの方がタイムが出るということがわかったし、金曜日・土曜日ともライバルを上回るタイムを出せていたので、今日はUSEDのWS3を選択しました。1本目はパイロンタッチをしてしまいましたがタイムはちゃんと出ていたので、2本目も悔いのない様に攻めました。結果ご覧の通りのタイムアップで勝つことができました。」

●株式会社ブリヂストン　モータースポーツ推進部　鈴木栄一コメント
「コロナ禍でもあり、またタイヤの戦闘力としては決して楽な年ではなかったと思いますが、その中で選手の皆さんがタイヤのポテンシャルを引き出すための努力というものを弛まず続けて下さり、本当にいい結果で一年を終えることができたと思っています。特に今日は最終戦ということで、各選手いろいろな思いを持って臨んでいただいたことでしょう。積み重ねてきたものが様々な形で今日の結果に表れ、来年に繋がる一戦になったのではないかと思います。一年間お疲れさまでした。」