2024年 JAF カップオールジャパンジムカーナ

　2024年のジムカーナで最後の大舞台となるJAFカップオールジャパンジムカーナ/JMRC全国オールスタージムカーナが、三重県の鈴鹿サーキット 南コースで開催された。全日本選手権の上位選手と全国8地区の地方選手権の上位選手同士が一堂に会し、年1回の真剣勝負であるこの大会に198台（併設クラスを含む）ものエントリーを集め、熱い戦いが繰り広げられた。
コースは鈴鹿南を逆走、最終コーナー手前からスタートし、シケイン・ヘアピンをクリアしたあとR=25手前のパイロンによるシケインを抜け、1コーナーに繫がる広い場所に180度・360度・180度のターンセクション。
S字を抜けて4コーナー・3コーナーを経て2コーナーに飛び込む手前にパイロンスラローム、そして最後のゴール直前に2本パイロンによる360度ターンという設定。

土曜日の公開練習は雨でウェット路面だったが、決勝日は一日中雲一つない快晴。競技が始まる頃には18℃、その後も少しずつ上がって23℃まで達する小春日和の中での戦いとなる。
そんな中、RE-71RSを履くPE・PNクラスのPOTENZA装着勢は、PE2クラスで全日本チャンピオンの高屋隆一（ZD8BRZ／ブリヂストン）がチャンピオンの貫禄を示して優勝。
PN2クラスでは惜しくも優勝を逃したものの、全日本PN3クラス2位のユウと関東地区2位の藤井裕斗（ロードスター／ブリヂストン）が同じクルマでダブルエントリーして走り、ベストタイムが同タイムで2位と3位に入った。
PE1クラスでも深川敬暢（テスラモデル3）が3位に入り、表彰台の一角を占める活躍を見せた。
RE-11SやRE-12D TYPE Aも履くことができるBCクラスのPOTENZA装着勢は、BC2クラスで全日本2位の広瀬献（S2000／ブリヂストン）が優勝。
BC3クラスでも全日本チャンピオンの菱井将文（GRヤリス／ブリヂストン）が優勝と、2クラスを制覇。
また、全日本PN2クラスで2位の小林規敏（RX-7／ブリヂストン）が借り物のRX-7でBC2クラスに参戦し、3位入賞を果たした。

＜PE2クラス優勝、POTENZA RE-71RS装着＞（オートマチックトランスミッション搭載の2輪駆動車。改造範囲が最も狭い）

今季全日本ジムカーナ選手権PE2クラスでチャンピオンを獲得している高屋隆一（ZD8BRZ／ブリヂストン）が1本目から2位以下を3秒近く引き離すタイムを出し、そのまま逃げ切って優勝。2015年にスイフトでJAFカップを手にして以来2個目のJAFカップを手に入れる。

●優勝した高屋隆一選手コメント
「今年一年CP2（Challenge PE2 Program）活動として全日本を東美里選手とダブルエントリーで追ってきました。今回のJAFカップに東選手がWomenクラスにエントリーするということで、だったら僕も同じクルマでPE2クラスにエントリーしようじゃないかとなりまして、参加することにしました。参加するなら勝たなきゃというプレッシャーもありましたが。また、今回は11月ということで気温が低いことが予想されていたので、来年3月の開幕戦を想定して低めの気温の中でのタイヤの挙動を確認したかったのと、このコースをこのクルマで走ったことがなかったので、来年の全日本ジムカーナ選手権第8戦鈴鹿南に向けてコース攻略を考えるための参戦となりました。しかし今日は暖かくなって当初の目論見からは外れてしまいましたが、RE-71RSにバッチリ合う路温になってくれて2位とのタイム差をかなりつけることができました。来年また全日本では僅差の戦いになると思いますが、その中でも勝ち抜いて行ける様に頑張ります。」

＜BC2クラス優勝、POTENZA RE-12D TYPE A装着＞（後輪駆動車。改造範囲が広い）

今季全日本ジムカーナ選手権BC2クラス2位の広瀬献（S2000／ブリヂストン）が唯一の1分07秒台を叩き出し、初のJAFカップを手にする。

●優勝した広瀬献選手コメント
「今回はRE-12D TYPE Aの255/40R17をチョイスしました。土曜日に皮剥きのつもりで1本走ったのですがウェット路面だったのでスピューも残ったままの新品状態でした。1本目、路温がちょっと高いかなぁと思ったのですが途中でタレることもなく最後まで高いグリップ力を発揮してくれました。
　2本目は18インチのRE-12D TYPE Aに変更して走ったのですが、マシントラブルが出たので途中でリタイアしてしまいました。JAFカップジムカーナには2008年のSSパークサーキットに初めて出場して以来2回目の参戦なんです。あのときは2位だったので、今回初のJAFカップ獲得となりました。」

＜BC3クラス優勝、POTENZA RE-12D TYPE A装着＞（4輪駆動車。改造範囲が広い）
　
今季全日本ジムカーナ選手権BC3クラスでチャンピオンを獲得している菱井将文（GRヤリス／ブリヂストン）が、チャンピオンの座を最終戦まで争った大橋渡（インプレッサ／DL）を退けて優勝。
1999年に浅間台スポーツランドでGC8インプレッサを駆って3個目のJAFカップを手にして以来全日本ではチャンピオンを何度も獲得しているもののJAFカップには出場していなかったので、今回が通算4個目となる。

●優勝した菱井将文コメント
「今回はタイヤがめっちゃ良かったです。路温もバッチリでした。最初のコーナーで行けると確信し、最後まで裏切られることなく高いパフォーマンスを発揮してくれました。2本目はゴール直前の360度ターンで失敗してタイムロスしたのに1本目よりタイムアップしてた（パイロンタッチがあって幻のベストタイム）のには驚きましたが、それくらい路面に食いついてくれました。」