無冠の帝王、長田茂久の初優勝で今年もパーティが開幕!
- 開催場所:岡山国際サーキット
- 開催日:2020年06月28日(日) 〜 2020年06月28日(日)
2代目NBロードスター時代の2002年に茨城県の筑波サーキットで始まったナンバー付きマシンによるワンメイクレースも今年で19年目のシーズンを迎えた。今までの参加者数はのべ5,200名以上にもなり、モータースポーツの魅力を広めることにも貢献してきた。2016年からは宮城県のスポーツランドSUGOでの北日本シリーズ、筑波の東日本シリーズ、岡山の西日本シリーズという3地区での開催に発展。ここ岡山でも5年目のシーズンインとなった。
今シーズンはパーティレースも新型コロナウイルスの影響を受け、4月からの各地のスケジュールがすべて延び延びとなっていた。この西日本シリーズも4月19日に予定されていた第1戦が延期となっていたが、第2戦として組まれていた6月28日に決勝を2回行う、ダブルヘッダーとすることを決定。予選は朝の1回のみで、各自のベストタイムで第1戦のグリッド順を決めるのに加えて、セカンドベストで第2戦のグリッド順が決まるというレギュレーションになった。
第1戦のエントリーはNDシリーズが16台、NDクラブマンが11台の27台となり、西日本シリーズとしては史上最多記録を更新。今回、公式戦に初参加した新しい仲間も9名という賑わいぶりとなった。公式予選は8時30分から15分間で行われ今回は前述の通り、一発勝負というわけにいけず、しかも第2戦の決勝を走り終えるまで、同じタイヤを使用しなければならない。さらにブリヂストンの指定タイヤが今シーズンから「POTENZAアドレナリンRE004」に変更され、昨年までの「RE003」も猶予期間として使用可能なため、各ドライバーたちのタイヤマネージメントにも注目が集まった。
●予選
前夜からの雨は止んだが路面はウエット。気温も路面温度も23℃前後で湿度は95%という状況だったが、予選が始まると時折り太陽が顔を出し27台が走るとレコードラインはあっと言う間に乾いてきて、急速にコンディションが回復する中でのアタックになった。開始直後、2分6秒228でラップモニターの最上段に躍り出たのが、昨年から参戦している50号車の山下昌樹。すでに表彰台に2度立っている実力者だが、前週の合同テストでトップタイムをマークした勢いが健在だった。その後もアタック2周目に3秒880、同3周目に2秒465とタイムを削り、最後は0秒375を記録して、堂々のポールポジションを獲得。
そして今回、予選総合の2位から4位にはクラブマンクラスのドライバーたちが名を連ねた。今大会がデビュー戦の106号車・中川徹が2分0秒736、33号車・中原憲行が2分0秒877、70号車・構井将文が2分0秒904という僅差で続き。さらに総合5位にはシリーズクラス2番手となる41号車の加藤沙也香が2分0秒973でグリッド3列目を獲得。26号車の末永晃正が2分1秒138で続いた。
一方、昨年の第2戦でポールを獲得するなど実力十分の46号車・長田茂久は2分1秒298で総合8位。また最大の番狂わせが、4年連続西日本王者の88号車・本多永一が総合10位に沈んだ。実は本多はフルウエット想定の内圧でコースイン。すぐにピットインしてエアを抜いて復帰したが、クリアラップが取れず10位に沈んだ。さらに昨年の北日本チャンピオンの61号車・杉野治彦もアタックに失敗した上、ペナルティで13番グリッドからのスタートとなった。
●決勝
フォーメーションラップでオフィシャルがFHR(頭頸部保護)デバイスに不具合のある車両を発見したため、そのマシンをピットロードに誘導して安全を確保。その上で最後尾スタートという手順を踏んだのち、フォーメーションラップをもう1周行った為、第1戦は7ラップの短期決戦となった。スタート時刻は12分ディレイの10時47分。路面は完全にドライに回復。
第1戦は8番手スタートだった長田のワンマンショーとなった。1コーナーまでに2台を抜き、さらにバックストレートにかけて3台をパスして、オープニングラップだけで5台抜きで3位に浮上。2周目のアトウッドで中川をかわすと、前方にはポールシッターの山下を残すのみとなった。山下も防御を固めるが、完全にドライになった状況では長田のマシンの勢いが勝っており、5周目のヘアピンでイン側に飛び込みトップを奪うと、その後の反撃を凌ぎ切ってのトップチェッカー。参戦3年目の長田の今までの最高成績は4位。初めての表彰台が優勝という最高の結果となった。
長田と山下に続いて総合で3位と4位に入ったのが、クラブマンクラス優勝の構井と同じく2位の中川です。今回がデビュー戦だった中川はアトウッドで長田に抜かれた際に挙動を乱し、構井に先行を許してしまい、その後は構井の背後を脅かすが、逆転までには至らずそのままフィニッシュ。この2台の直後には予選総合10位から追い上げた本多が続いて、シリーズクラスでは3位。以下、4位に110号車の末金孝夫、5位に加藤、6位に杉野がシリーズクラスの入賞者。一方で、クラブマンクラスの3位は総合でも9位と健闘した111号車の長谷川順一。以下は4位に中原、5位にはベテランのガクと続いて、規定により5位までが入賞となった。
《シリーズクラス 優勝 長田選手コメント》
「山下さんとのバトルはギリギリでしたが、楽しかったです。やっぱり優勝は気持ちいいですね。アドレナリンは気に入ったので、普段使い用の86にも履いて乗っていますよ」
決勝
- 開催日:2020/06/28
- 天候:Cloudy
- 路面:Dry
- 決勝出走:15
- 完走:14
- (3.703km x 7laps = 25.921km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 46 | 長田 茂久 | BS | T'sカンパニーロードスター | 7 | 14:05.172 | ||||||
2 | 50 | 山下 昌樹 | BS | HSRロードスター | 7 | 14:06.347 | ||||||
3 | 88 | 本多 永一 | BS | LEG Eds ロードスター | 7 | 14:10.950 | ||||||
4 | 110 | 末金 孝夫 | BS | K-MAX電材一番ロードスター | 7 | 14:13.971 | ||||||
5 | 41 | 加藤 沙也香 | BS | Lovedriveロードスター | 7 | 14:18.431 | ||||||
6 | 61 | 杉野 治彦 | BS | CUBEわくサポ・ロードスター | 7 | 14:18.863 | ||||||
7 | 26 | 末永 晃正 | BS | エフケーテックロードスター | 7 | 14:19.641 | ||||||
8 | 180 | 大月 崇央 | BS | クーリングドア ロードスター | 7 | 14:20.479 | ||||||
9 | 45 | 黒原 崇正 | BS | たてぐ屋HSRNDロードスター | 7 | 14:23.622 | ||||||
10 | 82 | 兼原 洋治 | BS | 自己研鑽3★ロードスター | 7 | 14:27.796 | ||||||
11 | 112 | 松田 大学 | BS | CP和光モタスポ部ロードスター | 7 | 14:48.443 | ||||||
12 | 170 | 桑野 祐希 | BS | spirit170ロードスター | 7 | 15:13.213 | ||||||
13 | 189 | 明田 篤 | BS | 子どもの笑顔ロードスター | 7 | 15:16.766 | ||||||
14 | 17 | 菊井 哲也 | BS | 団栗会/ヒロ自動車ロードスター | 7 | 15:18.501 | ||||||
15 | 6 | 伊丹 孝裕 | BS | ROADSTER TO AER | 7 | 15:41.525 | ||||||
- | 38 | 中村 進 | BS | Shooting ロードスター | DQ |