11戦目の田中祐也が連勝ストッパーで大願成就!

  • 開催場所:筑波サーキット
  • 開催日:2022年09月03日(土) 〜 2022年09月03日(土)
ロードスター・パーティレースⅢ 東日本 NDシリーズ Rd.3

9月3日、ロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズ第3戦が茨城県の筑波サーキットで行われた。NDシリーズクラスは予選2番手から田中祐也が鮮やかにロケットダッシュ。終盤は現在3連勝中の箕輪卓也の猛攻を凌ぎ切って、初めての表彰台で一番高いところに立った。

●予選
例年だと「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」と同日開催となる第3戦だが、こちらは12月に延期。ただし、もうひとつの恒例であるマツダファン・サーキットトライアル(MFCT)は併催されたので、パドックは多くのマツダ車で賑わっていた。嬉しいことに、パーティレースは今回も新しい仲間2名を迎えた。NDシリーズには160号車の古川恭兵(ツーショット写真右)が初参戦となった。
左:134号車・志田宏樹、右:160号車・古川恭兵.jpg

本土からは離れていても強力な台風11号が列島に影響を与えた週末の朝、筑波サーキットの路面はまだ一部が濡れていた。心配された空模様だが、時折ポツポツと来るものの、なんとか堪えているという印象だ。朝8時の段階では気温23.4℃/湿度90%/路面温度25.6℃というコンディション。今回は第1レースに組み込まれたNDシリーズのエントリーは19台だったが、29号車の岩田洋二が欠場して18台での戦いとなった。

公式予選は8時からの15分間だが、最初からアタックに入ったのは8台。ポイントリーダーの16号車・上田純司や第2戦優勝の35号車・箕輪卓也はピットで待機して、どうやら路面が乾くのを見極める作戦だ。
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アタック1周目は1分11秒台での攻防になったが、4分過ぎのアタック2周目で1分10秒967を叩き出したのが、123号車の助川ちひろ。久しぶりに女性ドライバーがラップモニターの最上段に躍り出た。
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アタック3周目の1分10秒992でこれに続いたのは、91号車の沢崎祐一。この時点での3番手はアタック1周目に1分11秒012を記録した71号車・登坂紀だ。15分間の予選も半ばを過ぎて、前述の上田などがアタックに入ろうとした時に、1コーナーでテールをスライドさせた1台がスポンジバリアに激しくヒット。すぐさまレッドフラッグで予選が中断となった。

その処理が終わって、残り7分で予選が再開。いきなり上田が1分10秒864でトップに立つと、すぐに27号車の田中祐也が1分10秒791で逆転。さらに105号車の菅原達也が1分10秒651でポールポジションを獲得した。
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北日本シリーズ第2戦から3連勝中の箕輪は再開後に4周連続でアタックするも、1分10秒907まで削ったところでチェッカー。それでも4番グリッドに滑り込んだ。グリッド3列目は中断前にベストを出した助川と沢崎が獲得。つまり予選では上位6台だけが、1分10秒台を記録したことになる。

●決勝
本日のパーティレースは予選と決勝の間にかなり長いインターバルが取れたため、20周年を記念する行事の一環として、参加した全車をストレート上に並べての記念撮影が行われた。3クラス合計で54台が集合した写真はご覧の通りの迫力だ。
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また、午後に入った筑波サーキットは時おり晴れ間ものぞくほどで、雨の心配がなくなる一方で、エンジンやタイヤにとっては厳しくなる要素が出現。14時には気温27.6℃/湿度73%/路面温度37.3℃というコンディションに変わった。

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第1レース、NDシリーズの決勝はオンタイム進行で14時20分にスタート。ポールポジションの菅原の出足は今ひとつだったが、一時は並びかけた3番グリッドの上田のパッシングは許さずに1コーナーへ進入。と、そこでアウト側最前列からロケットダッシュを決めた田中が一気に大外から抜き去っていく。さらに菅原と交錯して立ち上がりの加速が少し鈍った上田の横に、スルスルと4番グリッドの箕輪が並びかけることに成功。第1ヘアピンまでにかわして3位に浮上した。さらにオープニングラップでは、沢崎が助川をパッシング。なんとポールから6番グリッドまで、全車の順位が入れ替わった。

2周目終了時点では、トップの田中から5位の沢崎までのギャップが1.6秒という接近戦。さらに3周目になると3台のトップ集団が0.7秒差という一触即発状態になり、4周目の最終コーナーで箕輪が菅原のインにノーズを潜り込ませることに成功。次のホームストレートで2位に浮上した。この後も勢いに勝っていたのは現在、SUGO→筑波→オートポリスと3連勝中の箕輪。まさにテールtoノーズという状態で攻め続けるが、追われる田中も最後まで隙を見せず。最後も0.147秒という僅差だったが、逃げ切ることに成功した。
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2020年デビューの田中の今までのベストリザルトは今季第2戦の6位。11戦目での快挙達成だ。
さらに2位と0.42秒差の3位にも菅原が入賞。見応えあるトップ3のバトルには拍手喝采だ。
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続く4位の上田と5位の沢崎も、それぞれ前車との差は1秒以内で追走。最後まで諦めないファイテングスピリットに敬意を評したい。残念だったのは6番目にチェッカーを受けた12号車の氣仙直寛で、最低重量違反により失格。これにより登坂が繰り上がって6位入賞となった。

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●優勝した田中選手コメント
 「雪が降った富士の模擬戦でNCに乗って勝ったことはありますが、公式戦は初めての表彰台が優勝になりました。スタートが上手くいったので、TCRの加藤(彰彬)さんのアドバイスを思い出して、少しオーバー気味でも突っ込んでみたら、先頭に立つことができました。この経験を活かして“勝ちグセ”を身につけたいです」
 タイヤについては
 「滑り出しのインフォメーションがしっかりあるのと、ランニングコストが抑えられるのが嬉しいですね。路温の低い時や新品状態での進化も感じています」

チャンピオン争いの行方だが、今シーズンは4戦中3戦の有効ポイント制なのと、全戦でポイントを獲得したドライバーに5点のボーナスが与えられるため、少々複雑な計算が必要だ。第3戦終了時点では引き続き上田が52点でトップ。続いて菅原と登坂が42点で並んでいるが、この2名の逆転にはかなり高いハードルがある。一方、開幕戦でノーポイントだった箕輪が38点まで浮上。上田は最終戦で優勝するか、もし箕輪が優勝しても3位以内に入れば自力で王座を獲得できる有利な情勢だ。

この東日本シリーズは、最終戦となる第4戦を10月30日(日曜日)に開催。また、パーティレースの次の戦いは静岡県の富士スピードウェイにて、ジャパンツアーシリーズ第4戦を9月24日の土曜日に予定している。さらにパーティレース車両を使った新カテゴリー「ビースポーツ ロードスター・マスターズ」の第3(今季最終)戦が、9月14日の水曜日に千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催される。

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レース結果

コース:筑波サーキット

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2022/09/03
  • 天候:Cloudy
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:18
  • 完走:17
  • (2.045km x 15laps = 30.675km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 27 田中 祐也 BS Bridgestone TCC DR ロードスター 15 18'03.852
2 35 箕輪 卓也 BS Bridgestone ミノワファクトリーロードスター 15 18'03.999
3 105 菅原 達也 BS Bridgestone SPK・TCRロードスター 15 18'04.419
4 16 上田 純司 BS Bridgestone 上伸物流 ロードスター 15 18'05.225
5 91 沢崎 祐一 BS Bridgestone DELTAロードスター 15 18'05.772
6 71 登坂 紀 BS Bridgestone Moty'sJF☆ロードスター 15 18'12.679
7 132 新井 博史 BS Bridgestone メデアARASHOロードスター 15 18'13.629
8 103 松尾 康博 BS Bridgestone 密林雲ロードスター 15 18'13.881
9 160 古川 恭兵 BS Bridgestone ELEVレーシングロードスター 15 18'16.648
10 159 イシカワ BS Bridgestone TCCmtロードスター 15 18'17.147
11 98 星野 丈 BS Bridgestone MART&FSR☆ロードスター 15 18'18.574
12 133 辻田 慈 BS Bridgestone ZEST★ロードスター 15 18'27.046
13 36 上入佐 慶太 BS Bridgestone Moty's ROADSTER 15 18'29.667
14 1 SHUN BS Bridgestone IDSレイルガルフロードスター 15 18'32.863
15 46 北田 辰男 BS Bridgestone CTMサプライ・ロードスター 15 18'34.284
16 10 各務 猛 BS Bridgestone エルム ロードスター 15 18'39.901
17 123 助川 ちひろ BS Bridgestone ガレージ123ロードスター 14 17'02.716
- 121 氣仙 直寛 BS Bridgestone RPNロードスター DQ