ロードスター・パーティレースⅢ 東日本 NCシリーズ Rd.4

10月30日、ロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズ最終となる第4戦が茨城県の筑波サーキットで行われた。第2レースのNCシリーズクラスは決勝が赤旗中断となる波乱の展開も、セーフティカー先導による再開で無事にコンプリート。リスタート時に一気にリードを広げた86号車の井尻 薫が連勝記録を更新する17勝目を挙げて、4年連続のチャンピオンも獲得した。

●予選
第2レースのNCシリーズには21台がエントリー。公式予選は9時25分からの15分間の予定だったが、第1レースの予選で赤旗が出たため、少し遅れてのアタック開始となった。9時30分の時点でのコンディションは、気温15.8℃／湿度58％／路面温度19.0℃だった。

チャンピオンを争うランキング上位3名はピット待機など様子見という中で、まずは今年デビューの4戦目、168号車の森本進一が1分8秒938という素晴らしいタイムを叩き出してピットへ戻ってくる。


2番手で続いたのが43号車の平本磨音だが、アタック1周目の1分9秒559から2周目の9秒396と、森本とは少し差が開いた。

開始5分を過ぎて、ランキング2位の13号車・田宮 駿がアタックを開始。1分9秒379で、平本を抜いて2番手に浮上した。そしてランキングは3位ながら、全勝街道を爆進中の86号車・井尻 薫が8分過ぎにアタックを開始して、いきなり出したタイムが1分8秒685。その直後に森本同様にルーキーイヤーの139号車・新田孝太郎が、これも最初のアタックで1分9秒079を記録。タイムが動き出した

そして最後にアタックに入ったのが、井尻が欠場した第3戦を制して、ポイントリーダーで最終戦を迎えた195号車の中島優太。ところがエアコンONのままアタックしてしまい、タイムは1分9秒377。田宮には0.002秒差で勝ったものの、森本と新田を上回ることはできなかった。整理すると井尻と森本が1分8秒台で最前列。以下は1分9秒台で新田と中島が2列目から、田宮と平本が3列目からのスタートになった。

●決勝
第2レース、NCシリーズの決勝は予定から18分のディレイで13時08分にスタート。13時の時点でのコンディションは気温19.4℃／湿度39％／路面温度30.1℃まで上昇した。最前列の井尻と森本のオーダーは変わらなかったが、4番グリッドの中島は直前の新田を抜き去って3位に浮上。


さらに後方では7番グリッドだった163号車の宮井理充が5位までジャンプアップ。5番グリッドだった田宮はひとつ順位を落としてオープニングラップを終えた。

そして中団グループが2周目の1コーナーに差し掛かったタイミングで、大きなアクシデントが発生。どうやら9号車のケイイチロウがイン側の芝生エリアに1輪を落とした際にブレーキのコントロールを失ったようで、滑るように前方のマシンに衝突。そこで2台が動けなくなって赤旗中断に。結局、合計3台が戦線を離脱し、残る18台が規定により当初のグリッドからのSC（セーフティカー）スタートで3周目からのレース再開となった。

セーフティカーは最初の周回の途中でルーフのランプを消灯。つまり残り12ラップでのバトルになった。このリスタートでプロの技を見せたのが井尻だった。SCランの途中からマシンを左右に振ってタイヤをウォームアップ。グリーンフラッグ提示と同時に加速を開始して、後続に大きなギャップを築くことに成功した。

一方、赤旗中断が痛かったのが中島。最初のスタートでせっかく抜いた新田をまた追いかける展開となった。それでも、再開してすぐの4周目の第1ヘアピン立ち上がりで、新田が3速へのシフトアップに手間取る間に再びパッシング。ところが、このタイミングで田宮も後に続いてきたため、チャンピオン争いのライバルが背後に迫ることになった。

じつはもし井尻が優勝しても、中島は2位に入ればチャンピオン獲得だった。一方で、井尻が優勝すると可能性がゼロになる田宮は、もっと条件がシビア。当然、中島と森本を早々に抜いて、井尻との勝負に持ち込みたい田宮がまず先にチャージ。もちろん、早く森本への追撃体制を作りたい中島も必死だ。しかも中島と田宮は同じチームで、手の内を知り尽くした同士。このバトルは12周目のダンロップで田宮が勢い余ってハーフスピンを犯すまで続いた。この後、残り3周で中島は森本との差を急ピッチで詰めていくが、逆転の匂いがするまでには至らない。

結局、井尻が今季3勝目のチェッカーフラッグを先頭で受けて、大逆転でシリーズチャンピオンにも輝いた。


2位の森本は参戦4戦目にして初の表彰台を獲得。3位入賞の中島にとっては予選での不本意なミスを含めて、悔いの残る一戦になった。


以下、4位の田宮、5位の新田、6位の平本までが規定により入賞となった。

●優勝した井尻選手コメント
「セーフティカーは、自分には有利に働きましたね。今日はブレーキに少し不安を感じていたので、その貯金でペースを調整することもできました。本当にライバルの皆さんが、年々進化していると感じています。とにかく今日も勝ててよかったです」
タイヤについては
「できればアタック1周で決めたい自分にとって、今日の予選みたいに路面温度が低い状態でも比較的早く発熱してくれるのが嬉しいです」

今シーズンのロードスター・パーティレースⅢもいよいよ終盤戦を迎えて、この週末からは4週連続の開催となる。次の戦いは11月5日の土曜日に岡山国際サーキットにて、ジャパンツアーシリーズの第5戦が西日本シリーズの最終戦とのダブルタイトルで行われる。




MOTOR SPORTS
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ROADSTER NR-A
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MAZDA ROADSTER Party Race Ⅲ
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