スタートで失敗しても動じない松原が堂々の今季4勝目
- 開催場所:スポーツランド菅生
- 開催日:2022年10月08日(土) 〜 2022年10月08日(土)
10月8日、宮城県のスポーツランドSUGOでロードスター・パーティレースⅢの北日本シリーズ第3戦が開催された。出場4台だったNDクラブマンクラスだが、今季ともに複数回の優勝経験を持つ2名が予選・決勝を通じて緊張感あるバトルを展開。ただ最後は松原泰世が初めてのサーキットに見事アジャストし、2週間前の富士ジャパンツアーシリーズの反省も活かして今季4勝目を達成した。
●予選
秋を迎えて不安定な天候が続く日本列島だが、この週末の宮城県も例外ではなかった。前日の金曜日は午前中から雨。ただし朝一番の練習走行枠だけはドライ路面で走れたとのことだ。北日本第3戦のエントリーはNDクラブマンクラスに4台、NDシリーズクラスに11台で合計15台だった。
初参戦者は今回いなかったが、185号車の本田真哉はなんと19年ぶり。NB時代の2003年5月に参戦して以来の復活だ。ブリヂストンに勤務する本田だが、今回は“マツ耐”に参戦している会社の後輩のマシンを借りての出場。11月にもてぎで開催されるマツ耐には、このふたりでコンビを組んでの参戦予定と聞いた。
公式予選は10時55分からの15分間。朝一番はフルウエットだったSUGOだが、他のレースの予選もあったためにコース上は全面がドライに回復。ピットでの計測では気温17℃/湿度62%/路面温度31.8℃というコンディションで走行が始まった。
クラブマンクラスの予選序盤は混戦模様だった。スプリントレースも19年ぶりでSUGOも久しぶりという本田だが、アタック2周目に計測した1分49秒657がしばらくクラストップをキープ。今季ここの第2戦と東日本の第2戦(筑波)で2週連続の優勝を果たしている23号車の荒川 豊が1分49秒875、さらに今季3勝でもはやクラブマン最強と言われている155号車の松原泰世が1分49秒942と、上位3名のタイムが超接近。紅一点の12号車・矢島貴子も1分50秒459で食い下がっていた。
ところが各車が一度ピットに戻ったあと、予選の最後にタイムが再び動き出した。2周連続でアタックした松原がチェッカーを受けた6周目に1分48秒575を記録。荒川も同じく6周目に1分49秒443までタイムを削ってクラス2番手に浮上。総合では10位と12位というグリッドになった。
一方で、本田は前述のタイムが走路外走行をしたために採用されず、やはり最後の6周目に記録した1分50秒338でかろうじて矢島を上回る14番グリッドとなった。矢島はチームテラモスから参戦しているが、寺田陽次郎監督は「じつは昨日の朝の練習では1分49秒台で走れていました。今日の予選はどこかで失敗していますね。残念です」と悔しがっていた。
●決勝
予選後のSUGOの天気は晴れ時々曇り。決勝レースの直前には、それまで太陽にかかっていた雲がいなくなるという状況だった。コンディションは気温19℃/湿度50%/路面温度29.6℃に変化。予定よりわずかに遅れた15時09分に上下2連10灯のレッドシグナルがブラックアウトして、9ラップの決勝が始まった。
総合10位のグリッドだった松原だが、直前のシリーズクラスのマシンが壁となって、少し前方がつかえてしまったのは不運だった。逆に12番グリッドからダッシュを決めた荒川の前にスペースが空いていた幸運もあり、ここはバトルなしで順位が逆転。オープニングラップは総合10位の荒川、同じく11位の松原の順で通過した。
それでも勢いは松原の方にあり、早くも2周目のヘアピンでインを差して再逆転。ちなみにこの周には、クラス3番手スタートだった本田も荒川の背後に追いついてきた。
そして最後尾からのスタートだった矢島もシリーズクラスの6号車SATOSHIに対して0.5秒以内の僅差に接近。7周目終了時点では0.2秒差と、ロックオンに近い状態まで持ち込んだ。
ただ結局、クラブマンクラスの順位変動はここまで。松原は後続の荒川に対し3周目から6周目にかけては2秒台のリードを築くが、7周目以降は1秒台まで接近を許す展開に。ただ逆転の匂いがするまでには至らない。また本田も3周目から7周目までは荒川の背後に1秒台の遅れで食い下がっていたが、8周目から力尽きた。矢島もファイナルラップの馬の背で勝負したがオーバーランで失敗。ただ挑戦した勇気は賞賛したい。
最後は1.28秒差まで迫られた松原だが、これで堂々の今シーズン4勝目を達成した。今回は参加4台のため、規定により2位の荒川までが入賞となるが、3位の本田もポディウムには登壇して祝福を受けた。
ちなみに本田は19年前の決勝は接触でリタイアしていたため、「とにかく今日は完走したかったので、嬉しいです」と笑顔で語った。
●優勝した松原選手コメント
「SUGOは今回が初めてで、昨日の朝に1回ドライで走れたことが大きかったです。予選でも色々試しながらのアタックでした。決勝は荒川さんをすぐに抜き返せたのがラッキーで、後半は正直きつくなって、貯金を使って逃げ切った感じです」
タイヤについては
「オートポリスで勝ったタイヤを今日も使ったので、これで4勝目なんです。さすがに最後になると思いますが、本当に感謝ですね」
北日本シリーズの最終戦はここSUGOで11月13日(日曜日)の開催を予定。またロードスター・パーティレースⅢの次の戦いは10月30日(日曜日)に、茨城県の筑波サーキットで行われる東日本シリーズの最終戦となっている。
決勝
- 開催日:2022/10/08
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:4
- 完走:4
- (3.586km x 9laps = 32.274km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 155 | 松原 泰世 | BS | CR55ロードスター | 9 | 16'38.343 | ||||||
2 | 23 | 荒川 豊 | BS | ホーショーロードスター | 9 | 16'39.623 | ||||||
3 | 185 | 本田 真哉 | BS | 自己研鑽BSロードスター | 9 | 16'43.176 | ||||||
4 | 12 | 矢島 貴子 | BS | チーム テラモス ロードスター | 9 | 17'02.507 |