前年王者、箕輪卓也が今度は実力で2勝目
- 開催場所:筑波サーキット
- 開催日:2023年05月05日(金) 〜 2023年05月05日(金)
5月5日、筑波サーキットでロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズが開幕。今回はジャパンツアーシリーズの第2戦とのダブルタイトルで行われた。フルグリッドを超える34台がエントリーしたNDシリーズは予選から2組に分かれての走行となり、各組上位10台が決勝に進出。35号車の箕輪卓也がポールtoウインで、ジャパンツアーシリーズの開幕2連勝を達成した。
岡山の西日本シリーズ、SUGOの北日本シリーズに続いて、いよいよ茨城県の筑波サーキットでも東日本シリーズが開幕。2018年から「筑波サーキット・カーフェスティバル(筑フェス)」と名称をリニューアルしているが、その37年前から「オールドナウ・カーフェスティバル」として、こどもの日恒例のイベントの中での開催だ。パーティレースにとっても21年前のこの日から、歴史を刻んできた記念日でもある。
今回のエントリーは東日本シリーズでは過去最多となる合計79台。NDシリーズは冒頭のように予選から分割され、各組上位の合計20台が決勝に進出。予選落ちとなった残る14台にはボーナスレースが用意されることになった。その高いハードルにも6名の新人が挑んだ。ゼッケン順に紹介すると、2号車・鷲尾拓未/54号車・加藤達彦/144号車・白石 健/160号車・久松厚介/230号車・澤井良太朗/280号車・宮園拓真という6名だ。注目はやはりグランツーリスモ世界王者の宮園の実戦デビュー。果たしてリアルでも通用するのだろうか?
◆予選
今年の「筑フェス」は晴天に恵まれた。時折り強い風が吹くが、もはや初夏を思わせる1日となった。朝8時の段階で気温20.8℃/湿度62%/路面温度24.5℃というコンディション。ここからまず、1組の予選が開始。注目の前年王者、箕輪は15分間の半ばを過ぎる頃にアタックに入り、いきなり最終コーナーで膨らんでコースを逸脱。その周は自重して、次に出したタイムが圧巻の1分10秒104。
2番手の16号車・上田純司が1分10秒700なので、この差は限りなく大きい。先日のSUGOで箕輪と激しいバトルを演じた63号車の吉田恭将が1分10秒829、91号車の沢崎祐一が1分10秒887と続いて、7番手のルーキー鷲尾までが1分10秒台。さらにルーキーの久松が1分11秒231でギリギリの予選通過。同じくルーキーの白石は1分11秒235で、わずか0.004秒届かずにボーナスレースに回ることになった。
8時20分から始まった2組目の予選では、昨年はクラブマンで連勝街道を驀進していた155号車の松原泰世が輝いた。アタック1周目に1分10秒544を叩き出すと、次の2周をクールダウンに当てて、さらに1分10秒773を記録。実はこのセカンドベストでも、この組ではトップだった。暫定結果ではこれに続いていたルーキーの宮園は、残念ながらキャンバー角度の車両規定違反のため失格。車両を整備した上で出走嘆願書を提出して、ボーナスレースに回ることになった。したがって2番手は78号車の出来利弘。以下、171号車の野村 充と71号車の登坂 紀までが1分10秒台。14号車の菊池崚斗が1分11秒498というタイムで決勝に進出。36号車の上入佐慶太は菊池に遅れることわずか0.016秒差で涙を飲んだ。気温と路面温度の違いの影響もあってか、1組の方が予選通過のタイムが若干早かったことになる。なお今回の予選走行の組み分けは過去のレース結果などは考慮せず、ゼッケン番号の若い方から交互に振り分けている。ローリングスタートを採用する決勝のグリッドは、予選の最高ラップタイムを記録したドライバー(今回は箕輪)のいる組を奇数グリッドに、そうではない組を偶数グリッドに配置。もちろんタイムの速い順番となり、ボーナスレースも同様の方法でグリッドを決めている。
◆決勝
精鋭20台によるNDシリーズ決勝。12時59分に15ラップのバトルを開始した。13時のコンディションは気温26.6℃/湿度40%/路面温度50.3℃。まずはフロントローの箕輪と松原が2台揃って好ダッシュを見せて、後続を引き離しにかかった。
少し後方では5番グリッドの吉田の勢いがよく、オープニングの第1ヘアピン立ち上がりで先行する出来のアウト側にノーズを滑り込ませ、次のダンロップコーナーでイン側を奪って鮮やかにオーバーテイク。次の周には3番グリッドだった上田をもとらえて3番手まで浮上。さらに前を追いかけていった。ただ実は、このレースでの最大の見どころは後方の大集団だったかもしれない。レース中の暫定順位で言うと10位だった31号車・和光博紀から最後尾までの全車が、一触即発の集団バトルを延々と続けたのだ。11周目にルーキーの鷲尾が和光をパスして少し先行したが、その後も10台がひとかたまりのまま、チェッカーまで戦い続けた。
話をトップ争いに戻すと、松原が箕輪の背後を脅かせたのは、残念ながら0.536秒差だった3周目まで。次の4周目に箕輪が最速ラップの1分11秒176を記録すると、一気に1.288秒差に拡大。アドバンテージは6周目には2秒台、8周目からは倍の4秒台になり、その時にはすでに吉田が松原をロックオン状態に。
これで105号車の菅原達也までも集団になってしまった。つまり箕輪以外のほぼ全員が、ふたつのグループでバトルするという珍しい現象になったのだ。吉田の勢いは止まらないが、コース外側の白線をはみ出して走行をしているとの警告で11周目には黒白旗が掲示され、それでも繰り返したために走路外走行違反との判定により、競技結果に対して1分が加算されることになった。その後のレースは箕輪、吉田、松原の順にゴールして暫定表彰も行われたが、正式結果では吉田の最下位降格が確定。
そのため、松原が2位で上田が3位。さらに野村が4位、出来が5位、沢崎が6位に繰り上がって入賞となった。
なお今回、沢崎に対して、パーティレースに通算10年シーズン以上、公式戦30戦以上の出場を果たした功労をたたえる「Great Party Racer賞」が授与され、仲間たちからも拍手でダブルの祝福を受けた。この価値ある賞の受賞者も、これで25人目を数えることになったとのことだ。
優勝した箕輪選手のコメント
「先月のSUGOは結果こそ優勝でも、速さで劣っていたので、そこが課題でした。予選アタックの最初に失敗したのも上手くカバーできました。決勝は内圧が上がれば自分の強みが出ると思っていました」
タイヤについては
「今日はなるべくいじめないようにということを心がけました。松原さんを背負った時も同じですね」とガマンの作戦を明かした。
ロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズ第2戦は同じ筑波サーキットで、5月28日の日曜日の開催を予定。またジャパンツアーシリーズの次なる第3戦は、栃木県のモビリティリゾートもてぎで、6月18日の日曜日に開催される。
MAZDA MOTOR SPORTS
https://www.mazda.com/ja/innovation/motorsports/
MAZDA ROADSTER NR-A
https://www.mazda.co.jp/cars/roadster/grade/nr-a/
MAZDA ROADSTER Party Race Ⅲ
https://www.party-race.com/
BRIDGESTONE POTENZA Adrenalin RE004
https://tire.bridgestone.co.jp/potenza/re004/
決勝
- 開催日:2023/05/05
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:20
- 完走:20
- (2.045km x 15laps = 30.675km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 35 | 箕輪 卓也 | BS | ミノワファクトリーロードスター | 15 | 17'53.860 | ||||||
2 | 155 | 松原 泰世 | BS | CR55Profiロードスター | 15 | 18'03.181 | ||||||
3 | 16 | 上田 純司 | BS | 上伸物流 ロードスター | 15 | 18'03.592 | ||||||
4 | 171 | 野村 充 | BS | HC・RACINGロードスター | 15 | 18'04.101 | ||||||
5 | 78 | 出来 利弘 | BS | ディーテクニック☆ロードスター | 15 | 18'05.790 | ||||||
6 | 91 | 沢崎 祐一 | BS | DELTAロードスター | 15 | 18'06.227 | ||||||
7 | 71 | 登坂 紀 | BS | Moty'sJF☆ロードスター | 15 | 18'07.758 | ||||||
8 | 105 | 菅原 達也 | BS | SPK・TCRロードスター | 15 | 18'08.165 | ||||||
9 | 2 | 鷲尾 拓未 | BS | CP和光モタスポ部ロードスター | 15 | 18'17.331 | ||||||
10 | 31 | 和光 博紀 | BS | KENMoty'sロードスター | 15 | 18'21.612 | ||||||
11 | 133 | 辻田 佳典 | BS | ZEST★ロードスター | 15 | 18'21.966 | ||||||
12 | 132 | 新井 博史 | BS | メデアARASHOロードスター | 15 | 18'23.415 | ||||||
13 | 33 | 恵木 勇哉 | BS | プロフィスヤマ岡崎ロードスター | 15 | 18'23.660 | ||||||
14 | 238 | 宮應 政宗 | BS | RSF 38Rロードスター | 15 | 18'23.952 | ||||||
15 | 103 | 松尾 康博 | BS | 密林雲ロードスター | 15 | 18'24.165 | ||||||
16 | 14 | 菊池 峻斗 | BS | ニワレーシングロードスター | 15 | 18'24.804 | ||||||
17 | 8 | 須藤 利明 | BS | 酒レーシングロードスター美酒堂 | 15 | 18'25.208 | ||||||
18 | 77 | 石川 充彦 | BS | MS77ROADSTER | 15 | 18'25.532 | ||||||
19 | 160 | 久松 厚介 | BS | ELEVレーシングロードスター | 15 | 18'25.947 | ||||||
20 | 63 | 吉田 恭将 | BS | 村上モータースロードスター | 15 | 19'02.391 |