生涯一番のスタートで本多が最多勝記録を更新!

  • 開催場所:岡山国際サーキット
  • 開催日:2023年06月11日(日) 〜 2023年06月11日(日)
ロードスター・パーティレースⅢ 西日本 NDシリーズ Rd.2

6月11日、岡山国際サーキットでロードスター・パーティレースⅢ西日本シリーズの第2戦が開催。16名の実力者が集結したNDシリーズクラスは予選と決勝で多くのドラマを生んだが、最後に笑ったのは88号車の本多永一。開幕戦で更新したばかりの記録をさらに更新する、堂々21回目のトップチェッカーだった。

■予選
西日本シリーズ第2戦のエントリー合計は24台で、NDシリーズクラスが16台、NDクラブマンクラスが8台という内訳だ。公式予選は9時10分からの15分間。昨日からの雨は上がっていたが、路面はウエットのまま。気温22.0℃/湿度94%/路面温度21.9℃というコンディションで始まった。走行に先立ってのブリーフィングで「本日は予選・決勝を通じてソフトトップを閉めての走行がOK」という通達があったため、確認できた全車が空力的に有利なクローズ状態でアタックに臨んだ。
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当然のように、予選の序盤は全員がコースの状態を確かめながらのアタックだったが、モニター最上段に登場したのは本多。4月2日の開幕戦で、通算最多となる20勝目を達成した西日本マイスターが、やはり貫禄を見せた。タイムの推移は、2分24秒916→2分15秒397→2分15秒102。ところが、4周目からはトップも含めて激しく順位が入れ替わった。まずは開幕戦でも予選・決勝とも2位だった97号車の原山 怜が2分14秒608を記録。本多も14秒914と縮めてきたが、それを上回った。さらに5周目は14秒台で5名が鎬を削ることに。トップタイムは61号車の米川直宏で2分14秒165。
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これに本多が14秒229で続き、84号車の吉田和成も14秒295で肉薄。
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原山はこのラップは14秒704でタイムを削れずに4番手に後退し、67号車の鎌田昌弘も一気に14秒629まで削ってきた。
このあたりから、明らかに路面状態が変わった。フルウエットの岡山はよく“アウト→アウト→アウト”が最速ラインと言われるが、オーソドックスな“アウト→イン→アウト”で攻められるようになったとは、あるドライバーの感想だ。この難解な状況にいち早く合わせてきた本多が、2分12秒331と一気にタイムアップ。そして吉田も2分12秒687と突き抜けて、残された最後のアタックに入っていく。7周目の本多は「厳しいところで別々に3台も引っかかってしまいました」とアタックを諦め、2分14秒086でチェッカーを受けた。一方、参戦3年目の吉田が叩き出したタイムは2分11秒954。堂々のポール獲得だ。
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ちなみに吉田は今季開幕戦の予選5位(決勝8位)がともにベストリザルト。予選後も「自分でもびっくり。決勝は表彰台に立てればと思います」と、控えめなコメントに終始していた。最後のアタックとなった7周目には米川も2分12秒363を記録して、本多に続く3番グリッドを獲得。そして2列目の最後は鎌田でベストは2分13秒682。以下、2020年の西日本王者の110号車・末金孝夫が2分13秒747、原山が2分13秒922をそれぞれ7周目に記録した。以上の6台が、シリーズクラスの入賞圏内から決勝をスタートすることになった。

■決勝
今日の岡山の空模様は予選後も今ひとつだったが、なんとかドライ路面に回復して、決勝を迎えることができた。直前の気象条件は気温26.0℃/湿度67%で、レース中に計測された路面温度は29.6℃。14時03分にオールレッドの5連シグナルが消えて、勝負が始まった。
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ポールシッターの吉田も決して失敗ではなかったようだが、2番グリッドの本多のスタートダッシュが圧巻だった。1コーナーへの進入ですでに先行してイン側に位置しているから、もはや勝負は明らかだった。他の上位陣では原山が6番グリッドから2台を抜いて4位までジャンプアップ。後方では、14番グリッドの124号車・松田友明がクラッチミートに失敗してエンジンストール。直後の56号車・小林太一をはじめ、後続の選手たちが落ち着いて回避してくれたので、事なきを得た。さらにオープニングラップの最終コーナーでは、3番グリッドだった米川が吉田のイン側にスーッと入り込むことに成功。続く2周目でさらに勢いを見せたのが原山で、1〜2コーナーで吉田を、バックストレートでは米川をも抜き去って2位まで浮上した。2周目終了時点で整理すると、先頭は本多で2.434秒という大きなリードを確保。2番手の原山から米川、吉田、鎌田、末金までの5台がそれぞれ1秒以内のダンゴ状態で続く展開になった。
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やはり上位グループでのバトル経験が薄かった吉田に、厳しい洗礼が待ち受けていたことになる。
シリーズ上位陣の順位は、ここで一度落ち着いた。ただ勢いが良かったのは、6番グリッドから2位まで浮上した原山。3周目には1.679秒差、4周目には1.246秒差と、徐々に本多との差を縮めていき、5周目には一気に0.469秒差に接近。ここからチェッカーフラッグが振られるまで、1秒以内で背後を脅かし続けた。それでも、先日の開幕戦で通算最多となる20勝目を達成した本多の走りは乱れない。0.377秒という僅差でも、原山を従えて21回目のトップチェッカー。暫定表彰式には3番手でチェッカーを受けた米川までが登壇した。
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ところが、決勝後の再車検で原山のマシンに車両規定違反(キャンバー角)が判明。残念ながら失格という処分になった。そのため順位が繰り上がって米川が2位、吉田が3位となり、両名ともに初めての表彰台とJAFメダル獲得となった。以下、4位が鎌田、5位が末金で、6位は小林だ。
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小林は前述の通りで、なんと16番グリッドからの追い上げが実っての入賞。開幕戦3位の実力者だが、予選での大失敗を決勝で挽回。ゴルフでいうと本日の“大波賞”だろう。
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優勝した本多選手コメント
「4月のレースでスタートに失敗したので、今日は念には念を入れて温めました。そのお陰か生涯一番というほどバッチリ決まりました。前回も同じことを言いましたが、原山さんとのバトルは楽しいので、次は最後まで隣でお願いします」
タイヤについて
「今日は決勝までウエットという可能性も考えて、少し深めのセットで臨みました。残り2周くらいは曲がりにくくなって大変でしたが、堪えてくれましたね」

西日本シリーズの第3戦はここ岡山国際サーキットで、8月20日に予定。またパーティレースの次の戦いは早くも1週間後の6月18日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで、ジャパンツアーシリーズの第3戦が開催される。
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レース結果

コース:岡山国際サーキット

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2023/06/11
  • 天候:Cloudy
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:16
  • 完走:15
  • (3.703km x 8laps = 29.624km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 88 本多 永一 BS Bridgestone LEG Eds ロードスター 8 15'58.260
2 61 米川 直宏 BS Bridgestone Mm絆ロードスター 8 16'02.708
3 84 吉田 和成 BS Bridgestone NDロードスター 8 16'08.947
4 67 鎌田 昌弘 BS Bridgestone Team634ロードスター 8 16'11.334
5 110 末金 孝夫 BS Bridgestone KMAXやじま電機ロードスター 8 16'12.336
6 56 小林 太一 BS Bridgestone youサービスロードスター 8 16'19.532
7 19 田中 健太 BS Bridgestone 祝ランテ30KMRロードスター 8 16'20.326
8 58 桂 涼 BS Bridgestone サンデボーテG山根ロードスター 8 16'21.296
9 50 八木 淳 BS Bridgestone 走環開PFロードスター 8 16'23.317
10 59 村上 元気 BS Bridgestone ガレージ山根ロードスター 8 16'25.307
11 124 松田 友明 BS Bridgestone Matsudaロードスター 8 16'29.220
12 146 岸 智裕 BS Bridgestone KRTKロードスター 8 16'29.875
13 142 村田 悠磨 BS Bridgestone ジルコンサンドドアロードスター 8 16'31.778
14 187 頭井 与志範 BS Bridgestone midnight ロードスター 8 16'42.783
15 4 渡邊 敏康 BS Bridgestone WATANABEロードスター 8 16'44.173
- 97 原山 怜 BS Bridgestone RWR #5ロードスター DQ