参戦4年目の吉田恭将がダッシュ鋭く、頂点の座を射止める

  • 開催場所:モビリティリゾートもてぎ
  • 開催日:2024年06月16日(日) 〜 2024年06月16日(日)
2024年ロードスター・パーティレースⅢ ジャパンツアーRd.3 NDシリーズ

6月16日、ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズの第3戦が栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された。夜来の雨で朝方にはウエット路面も残り、実力者たちが予選で下位に沈む波乱の展開。そして決勝は、予選2番手からスタートダッシュでトップに立った63号車の吉田恭将が最後までその座を譲らず、参戦4年目での嬉しい初優勝を達成した。

今回のエントリーはNDシリーズに26台、NDクラブマンに5台の合計31台。シリーズクラスへの初出場は69号車の奈良敬志。スーパー耐久に86やロードスターで出場した経験があり、「初めてですが、ポイント圏内に入賞できるよう頑張りたいと思います」という目標を朝のブリーフィングで語った。
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●予選
公式予選は9時20分から40分までの20分間。シリーズの1台が欠場となり、合計30台がアタックに入った。天候は曇り、路面はハーフウエットと発表されたが、見た目はほぼ完全にドライの状態。手元の計測では気温24℃/湿度64%/路面温度31.6℃で、湿度が高いために蒸し暑さを感じた。
最初にリーダーボードの最上段に立ったのは33号車の惠木勇哉で、タイムは2分30秒304。2番手に35号車の加藤達彦、3番手に28号車の普勝 崚が続いた。その後、続いてアタックした普勝が2分30秒080まで削り込んで逆転し、惠木と加藤という順となった。この普勝のベストタイムは加藤の背後にピタリとつけてのアタックで出したもの。つまりスリップストリームの恩恵をかなり受けた結果だ。
予選後半に入ると、残り6分ほどで63号車の吉田恭将が2番手に躍り出た。実はこのレースには兄の75号車・吉田綜一郎も出場していて、ふたりで交互に前に出てスリップをシェアしてのアタックの成果だ。
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その後の上位の順位変動はなく、グリッドが確定。つまり最前列が普勝と吉田、グリッド2列目が惠木と加藤、さらに186号車・勝木崇文と初出場の奈良が健闘し、3列目のグリッドから決勝をスタートする。
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上位6台の中で過去、優勝を経験しているのは加藤のみ。吉田(恭)/惠木/普勝の3名は、表彰台には立っているが未勝利。勝木は2戦目で前回は5位ということで、予選の結果は波乱含みとなった。
今年のジャパンツアー第2戦を勝ったばかりの105号車・南澤拓実が予選8位、2年連続東日本チャンピオンの16号車・上田純司が予選10位、ジャパンツアー開幕戦を制したポイントリーダーの117号車・石谷豪志が予選11位ということで、実力者たちの決勝での挽回にも注目したい。

●決勝
予選を戦った時の上空には雲が目立っていたが、昼が近づくに連れて青空が広がってきた。路面はドライに回復し、手元の計測では気温28℃/湿度52%/路面温度50.6℃という、きわめてタフなコンディションになった。本日はジャパンツアーということでローリングスタートが採用され、周回数は9ラップ。オンタイムに近い13時4分に戦いの火蓋が切られた。
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開始早々、普勝に吉田(恭)が仕掛けた。1〜2コーナーでアウト側からサイドbyサイドで並びかけることに成功すると、次の3〜4コーナーでイン側となる有利さを活かしてトップが逆転。巻き返しを狙った普勝だったが、5コーナーを通過中に勝木に追突されて180度スピン(勝木には30秒加算のペナルティ)。まさに不運の連鎖で、優勝争いからの脱落を余儀なくされた。
吉田(恭)はそのままトップを走行するが、代わりに後方での争いが激化。まずオープニングラップでは混乱に乗じて、7番グリッドだった54号車の三宅陽大が一気に2位にジャンプアップ。
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3位にも奈良が6番グリッドから浮上した。2周目に入ると、奈良を抜いた加藤が3位に上がってきた。
しかし3周目のS字の縁石で姿勢を乱して6位に後退。この時点では吉田(恭)と三宅が少し抜け出して後続を引き離し、再び3位となった奈良を僅差で追うのが惠木と、8番グリッドだった南澤という展開になった。
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そしてレースが中盤に入ってから目立ったのは、加藤の巻き返しだった。
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4周目に5位、6目に4位、7目に3位と順位を徐々に戻していき、2位の三宅の背後にも急接近。さらに加藤に抜かれたあとも食い下がっていた惠木も追い付いてきて、三宅を先頭にする3台のバトルがファイナルラップで勃発した。まずは5コーナーを上手に立ち上がってアウト側から並んだ加藤がS字までに先行。さらに惠木はV字から加速して、ヘアピンの進入で三宅をとらえることに成功した。
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吉田(恭)は6周目に2.275秒という貯金を作ると、その後はペースをコントロールする余裕も生まれた。最後は3.374秒という十分な差をつけて、初めての優勝を果たした。
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以下、加藤と惠木が表彰台に立ち、三宅は悔しい4位。
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さらに南澤が5位、吉田(恭)の長兄である吉田(綜)が6位となり、ここまでがNDシリーズクラスの入賞となった。

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初優勝の吉田(恭)選手コメント
「一昨年からフルに参戦して、ずっと上位争いには食い込めていましたが、やっと初優勝できました。マシンを提供してくれたオーナーさんをはじめ、チーム関係者みんなのサポートがあったおかげです」
タイヤについては
「ライフが長いのはサンデーレーサーの味方です。しかも減ってきても、タイムがあまり変わらないのもメリットですね」

パーティレースの次戦は、7月21日の日曜に北日本シリーズ第3戦が宮城県のスポーツランドSUGOにて、また東日本シリーズの第2戦が7月27日の土曜日に茨城県の筑波サーキットにて、そしてジャパンツアーシリーズの第4戦が8月11日の日曜日に北海道の十勝スピードウェイで開催される。

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レース結果

コース:モビリティリゾートもてぎ

[NDシリーズ]

決勝

  • 開催日:2024/06/16
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:25
  • 完走:25
  • (4.801km x 9laps = 43.209km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 63 吉田 恭将 BS Bridgestone YOSHIZOMmロードスター 9 23'00.164
2 35 加藤 達彦 BS Bridgestone CABANA RTロードスター 9 23'03.538
3 33 惠木 勇哉 BS Bridgestone プロフィエラビスタロードスター 9 23'04.006
4 54 三宅 陽大 BS Bridgestone TC CORSE ロードスター 9 23'04.218
5 105 南澤 拓実 BS Bridgestone SPK・TCRロードスター 9 23'04.679
6 75 吉田 綜一郎 BS Bridgestone 村上モータースロードスター 9 23'06.843
7 117 石谷 豪志 BS Bridgestone ダイバパワーラブカロードスター 9 23'10.950
8 69 奈良 敬志 BS Bridgestone 高砂エアテックROADSTER 9 23'11.231
9 2 関 豊 BS Bridgestone 334プロジェクトロードスター 9 23'11.571
10 108 米川 直宏 BS Bridgestone 村上モータース絆ロードスター 9 23'19.243
11 16 上田 純司 BS Bridgestone 上伸物流 ロードスター 9 23'21.360
12 280 丹羽 英司 BS Bridgestone IDS NIWA Rロードスター 9 23'24.989
13 177 稲垣 知博 BS Bridgestone inaロードスター 9 23'28.149
14 153 小野 耀平 BS Bridgestone アンダーレRCロードスター 9 23'28.761
15 112 本山 賢一郎 BS Bridgestone 九州美包ロードスター メッカ 9 23'30.980
16 28 普勝 崚 BS Bridgestone CP大泉三差製作所ロードスター 9 23'31.196
17 91 沢崎 祐一 BS Bridgestone DELTAロードスター 9 23'33.075
18 31 和光 博紀 BS Bridgestone KENMoty'sロードスター 9 23'33.508
19 89 鈴木 大智 BS Bridgestone OKわーくすM・Yロードスター 9 23'34.091
20 4 TOSHIYASU BS Bridgestone WATANABEロードスター 9 23'38.977
21 23 荒川 豊 BS Bridgestone ホーショーロードスター 9 23'40.044
22 288 山根 正和 BS Bridgestone ガレージ山根レンタロードスター 9 23'42.518
23 186 勝木 崇文 BS Bridgestone RSイシイFEEDロードスター 9 23'44.533
24 127 三差 康弘 BS Bridgestone 334プロジェクトロードスター 9 23'47.791
25 10 各務 猛 BS Bridgestone エルム ロードスター 9 23'57.040