終盤まさかの逆転劇で、♯504の藤田/伊藤/真田が耐久を制覇

  • 開催場所:岡山国際サーキット
  • 開催日:2023年04月02日(日) 〜 2023年04月02日(日)
2023 OKAYAMAチャレンジカップ Nゼロ-86 第2戦 2時間耐久

4月2日、岡山国際サーキットで2023年「OKAYAMAチャレンジカップレース」シリーズの第2戦が開催された。この日のメインレースは複数のカテゴリーが混走する名物の2時間耐久で、42台のエントリーを集めた。ブリヂストンのポテンザRE71-RSをワンメイク指定タイヤとする「Nゼロ-86」のクラス1もこの中に組み込まれ、3チームが参戦。優勝は♯504藤田真哉/伊藤鷹志/真田拓海組が大逆転で獲得した。
チャレンジカップ伝統の2時間耐久だが、今シーズンは従来の年2回から1回の開催となった。ただNゼロ-86については、昨年までもナンバー付きであることに配慮して、年に1回のみの開催であることに変更はない。決勝レースは2時間で、2回以上のピットストップが義務。ドライバーも3名までエントリーできるが、他のカテゴリーの中には1名で走りきるという猛者もいる。今回エントリーした3組中、2月の開幕戦にも出場していたのは♯186西村宏樹/宇都宮勇仁組の西村のみ。♯330杉山博紀/岡本 径組と前述の♯504の3名は今シーズンの初戦だが、杉山はディフェンディングチャンピオン。昨年はわずか2戦の出場ながら、どちらも予選でポールポジションを獲得し、決勝でも先着した実績を持つ。一方で♯504は、昨年のGR86/BRZカップでチャンピオンに輝いた冨林勇佑が、一昨年に乗っていたマシン(ZN6)を使っての参戦。今回Bドライバーの伊藤はその冨林と組んで、昨年のスーパー耐久ST-3クラス王者となった実力者だ。さらにCドライバーの真田もスーパー耐久の出場歴を持ち、今季はSUPER GTへのデビューを予定しているとのこと。

◆予選
公式予選は9時40分からの25分間。この日の岡山は春らしい穏やかな晴天で、路面も終始ドライコンディションでの戦いとなった。この耐久レースの予選は、各チームのベストラップでグリッド順を決めるシンプルなルールだ。クラストップタイムは♯330杉山博紀の1分50秒718で、
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これに♯504伊藤鷹志が1分50秒827と肉薄。グリッドも35番と36番で横に並んだ。
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♯186西村宏樹は1分54秒676と少し水を開けられてしまい、40番グリッドからのスタートとなった。
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◆決勝
直前のロードスターのレースで4周にわたってセーフティカーが入った影響もあり、2時間耐久の決勝レースは3分ほど遅れて14時58分過ぎにスタートが切られた。
午後に入ってからは少し日差しが弱まったが、手元で計測した直前のコンディションは、気温18℃/路面温度36℃/湿度32%という穏やかなレース日和だった。
Nゼロ-86の決勝でのレース展開は、序盤から3台が離れての戦いになった。♯330でスタートを務めた杉山がチャンピオンの貫禄を見せてリードを広げていき、直前のロードスターのレースを終えたばかりの♯504真田はチームの指示もあったのか、ペースを維持しながらの走りになった。
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♯186も西村がまずは完走を目指して、燃料もかなり余裕を見た満タンで周回を重ねていったという印象だ。このレース、途中2回のピットイン時に給油できる量は1回につき20ℓまでと決められている。もちろんスタート時には50ℓの満タンまで入れられるため、トータルでは15ℓほど余裕があるとのこと。安全を見越して多めに入れるか、ギリギリのラインを攻めるかはチーム次第だ。レースは終始♯330が先頭を引っ張るカタチで進み、2度目のピットインも一番先に済ませる展開となった。
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ちなみに♯330はそのピットでタイヤを4本とも交換。これは停車義務時間に余裕があるため、可能な作戦だ。一方で、♯504と♯186は最後のピットインがほぼ同時。
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それぞれエース格の伊藤と西村に追い上げを託すことになったが、残り約10分という最終盤に大きなドラマが待っていた。なんと♯330が3回目のストップのためにピットロードに入ってきたのだ。どうやら燃費の計算を間違えて、スプラッシュ給油をせざるを得なくなった様子。これでクラストップが♯504に入れ替わってしまい、♯330はラップダウンとなった。
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また♯186は通信が一時通じなくなり、♯330の緊急ピットインに気付くのが遅れたこともあって、チャンスを活かせなかったと聞いた。
結局、♯504が60ラップを2時間02分16秒588で走破してクラス優勝。続いて♯330が1周遅れの59ラップを2時間02分10秒305で通過。♯186も同じ周回を2時間02分27秒881で走り切ってチェッカーフラッグを受けた。
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優勝した♯504のAドライバー、藤田真哉選手コメント
「40代のサラリーマンが昨年デビューして、今回はクルマもサーキットも初めてでした。素晴らしいチームと、若くて優秀な同僚から多くのことを学んだレースになりました」
同車を走らせているデルタモータースポーツの田中延男代表
「奇跡が起きたねぇ」と、波乱のレースを振り返った。

今回の結果、4戦中2戦を終えて、♯186西村宏樹が18ポイントでポイントリーダーに浮上。開幕戦優勝の大崎達也が15ポイントで続き、開幕戦3位の柳堀翔太と今回の優勝ドライバー3名が10ポイントで続いている。次戦は6月25日の日曜日に、N1やNゼロのクラス2と混走の10ラップの決勝で争われる。

OKAYAMA チャレンジカップ Nゼロー86 公式ページ
http://www.okayama-international-circuit.jp/hashiru/race/car/cc_ae86.html




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商品紹介ページ:https://tire.bridgestone.co.jp/potenza/re71rs/

レース結果

コース:岡山国際サーキット

[OKAYAMA チャレンジカップNゼロ86クラス]

決勝

  • 開催日:2023/04/02
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:3
  • 完走:3
  • (3.703km x 60laps = 222.18km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 504 藤田 真哉 /伊藤 鷹志/眞田 拓海 BS Bridgestone EXEDY ZENKAIRACING86 60 2:02'16.588
2 330 杉山 博紀 /岡本 径 BS Bridgestone ネッツトヨタ岡山Nin倉敷86 59 2:02'10.305
3 186 西村 宏樹 /宇都宮 勇仁 BS Bridgestone 旭モータースHIROKKIE Racing 59 2:02'27.881
[OKAYAMA チャレンジカップNゼロ86クラス]

予選

  • 開催日:2023/04/02
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 決勝出走:3
  • 完走:3
  • (3.703km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 330 杉山 博紀 /岡本 径 BS Bridgestone ネッツトヨタ岡山Nin倉敷86 3 1'50.718
2 504 藤田 真哉 /伊藤 鷹志/眞田 拓海 BS Bridgestone EXEDY ZENKAIRACING86 2 1'50.827
3 186 西村 宏樹 /宇都宮 勇仁 BS Bridgestone 旭モータースHIROKKIE Racing 4 1'54.676