ST-5Rクラスに挑むKOSHIDO RACINGの#610号車。そのステアリングを握るのはドラゴンクエスト好きを公言し、人生を“ドラクエの冒険”のように楽しみ続ける佐藤元春(さとう・もとはる)選手です。佐藤選手は、どちらかというと堅実派プレイヤー。40代からモータースポーツ活動を開始し、徐々にその活躍の場を広げ、その挑戦はeモータースポーツというバーチャルの世界にまで到達しています。S耐には2025年から自らのパーティー・KOSHIDO RACINGとともに参戦。様々なチャレンジを通じて少しずつレベルアップし、失敗を重ねながら成長していく過程をみんなと一緒に楽しみたい──そう語る佐藤選手に、自身の“冒険”とS耐について話を伺いました。
免許を取った18歳の頃からスポーツカーを買ってサーキットを走ったりしていましたが、レベル(資金)が足りなかったため、15年間くらい我慢してビジネスに集中しました。まずはスーパーカーを買えるレベルへ、次はスーパーカーを維持できるレベルへ。そして壊れても笑っていられるくらいの心の余裕を持ってサーキットを本格的に走るステージへ到達しました。
ここでは、ポルシェ 997 Carreraやフェラーリ430、458、ロータス・エリーゼ、エキシージなどでサーキットアタックを楽しんでいたのですが、乗りこなすためにはスタミナ、筋力、スキルの全てが必要とされます。ドライビングの基礎から学び直さなければいけないと感じていたときに出会ったのがVITAでした。モータースポーツという次のステージが現れたんです。
VITA Raceは、プロに匹敵するようなアマチュアが大勢集まっていて、ワンメイクなので純粋に“腕”で勝負できる環境があり、参戦してすぐに”ここで戦いたい"と思いました。VITAでドライビングの基礎を徐々にレベルアップさせて、2021年、23年には地元の北海道クラブマンカップレースのVITA Raceでシリーズチャンピオンの称号を獲得しました。その間にもGTワールドチャレンジ・アジアなどに参戦していたのですが、次のステージを考えるとS耐だと思い、2022年に友人のチームから初参戦しました。
3年間、ドライバーとして楽しかったのですが、そろそろ自分の“パーティー”でタイトルという試練に挑みたいという気持ちになり2025年からのST-5Rクラス参戦を決断しました。立ち上げに当たって、クラウドファンディングにも挑戦しました。単なる資金集めではなく”応援されている”、"みんなで一緒に戦っている"という一体感とプレッシャーが欲しかったからです。このクラスは各チームのレベルが非常に高くて、表彰台に上がるのも本当に難しい。でもだからこそ面白い。本気の勝負ができるステージです。
ブリヂストンのタイヤは安定して周回を重ねられるのでレベルアップに最適です。特に我々のようなジェントルマンドライバーにとっては練習しやすくアタックもしやすいです。レインタイヤも正直びっくりするほどグリップしますし、コントロール性が高くて、本当にありがたいタイヤです。
S耐は、花火や音楽イベントなど家族連れが楽しめる企画も増えてきて、レースに馴染みが薄い人たちも"なんとなく"来ることができる空間になっていると思います。このクロスカルチャーな取り組みは非常に重要だと思います。私たちも"北海道イエロースターズ"というプロバレーボールチームとコラボして相互にファンを交流させています。また、チームとしてはeモータースポーツのJEGTという国内のトップリーグに初年度から参戦しています。今後は、相互のドライバー交流を深めてリアルとバーチャルの駆け橋になりたいと考えています。
いつかSQUARE ENIXに正式に応援されて、ドラクエの公認コスプレでレースに出るのが夢なんです(笑)。私たちの活動が、自然とSQUARE ENIXに届くように全力でやっています。レースも会社も、すべてをつなげて、いま”冒険の真っ最中”だと思っています。これからも、自分の“物語”を見せていけたらと思います。
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ブリヂストンは、スーパー耐久を支える“ひと”の力とともに、
その想いがゴールまで届くよう、足元から走りを支えていきます。
【編集部注】
本記事は2025シーズンに収録したインタビューです。




















