POTENZA RE-10D投入初戦の十勝で 中山雄一が2位表彰台を獲得
- 開催場所:十勝スピードウェイ
- 開催日:2024年08月24日(土) 〜 2024年08月25日(日)

3シーズン目を迎えるGR86/BRZ Cup。年々セットアップ、そしてドライビングスタイルも進化の一途をたどっている。
熾烈なタイトル争いは、ここまで2勝を挙げている#10菅波冬悟(DL)がランキングトップ。
そこに開幕戦での勝利以来、1戦も落とさず全戦ポイントを重ねる#1井口卓人(ブリヂストン)が、わずか4ポイント差で続く。
まだ4戦を残すことを思えば、この差はないも同然だろう。
8月24〜25日に行われた第5戦の舞台は、北海道唯一の公認サーキットである十勝スピードウェイだ。
北の大地ならではのフラットなコースは大半が直角コーナーで、初めて走るとどこを走っているか分からなくなる一方で、つなぎのストレートが程よい長さであるため、見た目の印象以上に走りには独特なリズムが要求される。
ブリヂストンは、今回からPOTENZA RE-10Dを新たに投入。その特徴を、開発を担当した#34佐々木雅弘に語ってもらった。
「前のRE-09Dはパターンが新設計になり、構造も新しくなって勝てるタイヤになりましたが、他社もさらに勝てるタイヤを開発してくる中で、まだまだ進化できるところがないかと開発担当者と考えたのがRE-10Dです。RE-09Dの優れたロング性能はそのままに、ウォームアップ性の良さ、予選での一発の速さを追求しました。特にこだわったのは低温時です。高温時のレースはもちろんですが、低温のレースでもしっかりとウォームアップの良さとグリップを出せるように改良が加えられています。
今回の十勝スピードウェイは、路面の骨材が独特なので、なかなかすぐに違いを把握することは難しいと思いますが、他のサーキットではかなり違いが出ると思いますよ。スイートスポットは狭くないので、プロだけでなく、プロを目指すドライバーでも使える、誰もが使えるタイヤだと思います。まずは、一戦使ってもらって、使い方を理解していただけると、違いを実感してもらえると思います」
POTENZA RE-10Dの初の走行がこのレースウィークとなるチームもあり、各チームは、精力的に合わせ込みを行った。
そして、セッションごとに着実にタイムが短縮され、全車のタイム計測が行われる金曜日の専有走行では、トップタイムとなる1分32秒206を記していたのは#121蒲生尚弥(ブリヂストン)。#160吉田広樹(ブリヂストン)が1分32秒515で4番手に、そして#87久保凜太郎(ブリヂストン)と#1井口卓人(ブリヂストン)が6番手、7番手で続いていた。
今回のエントリーは27台で、そのうち16台がブリヂストンのPOTENZA RE-10Dを装着する。
●予選
金曜日までは涼しく、避暑気分を味わえた十勝だったが、土曜日には一転して暑さを感じるほどに。ただ、空気は極めて乾燥しており、爽やかな風も吹くため、不快感はなかった。
とはいえ、路面温度は48度にまで達し、前日までとはコンディションを大きく変えていた。その変化による内圧調整に、ブリヂストン勢で最も成功していたのが#18中山雄一(ブリヂストン)だった。計測開始と同時にコースインし、さっそくアタックを開始。1分32秒899をマークする。その直後に1分32秒657を#10菅波冬悟(DL)が、1分32秒871を#80伊東黎明(DL)が出したことで3番手となるも、その後に上回るタイムは記されず。中山は前大会の富士、第4戦に続く好位置から決勝に臨むことになった。
4番手には昨年の十勝ウィナーである#7堤優威(ブリヂストン)が1分32秒944でつけて、6番手が井口。シリーズ復帰から復活の兆しを見せつつある#17谷口信輝(ブリヂストン)が7番手につけ、8番手は#700地頭所光で、専有走行でトップだった蒲生は9番手となった。
●第5戦で予選3番手を獲得した#18中山雄一のコメント
「昨日の専有走行が、赤旗が出たことで満足にアタックできなかったことを考えれば良かったです。ギリギリまで攻めました。去年、十勝では良くて、その時のいいイメージを持ったまま来て、水曜日から十勝入りしたのですが、気温が高くて今日に近いコンディションでした。木曜日、金曜日は涼しかったので、水曜日に走れたのも良かったと思います。
今回から履くRE-10Dは、ロングランに強い、後半のタイムが落ちないというブリヂストンタイヤの持ち味が保たれたまま、さらに一段グリップが上がったと感じています。十勝は周回数が多く、コーナーの数も多いので、ロングランの良さを活かして戦えればと思います。スタートでやらかさないようにします(笑)」
●決勝
日曜日は、上空を覆った雲により温度が著しく下がり、気温は20度、路面温度は40度を切るほどまで冷え込んだものの、北海道らしい過ごしやすい気候が戻り、快適なレース日和となった。