YART-YAMAHAが2戦連続2位表彰台獲得

  • 開催場所:オシャースレーベン
  • 開催日:2017年05月19日(金) 〜 2017年05月20日(土)
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FIM世界耐久選手権の第3回大会は、ドイツ北部のベルリンとハノーファーの間に位置するオシャースレーベン(Oschersleben)で、昨シーズンと同じく8時間耐久レースとして開催された。
 予選方式は第2戦ルマン大会と同様で、各登録ライダーの予選2回での自己ベストラップの平均がチーム持ちタイムとなって順位が決定する。
 木曜日午後の予選1回目は快晴、路面温度が45℃を超えるコンディションとなった。ブリヂストンサポートの#7YART-YAMAHAは、タイヤ使用本数規制があるために、3選手が同じタイヤを使用して各1回ずつのアタック。1人目B.パークスと3人目野左根航汰が、各セッションで2位につけ、持ちタイム1’27.634で全体2位の好位置に付けた。同じくブリヂストンサポートの#5F.C.C.TSRは、持ちタイムが1’28.213で全体5位となった。
 木曜夜中から金曜明け方にかけて雨が降ったが、金曜午前の予選2回目の開始時点ではすでに路面はドライ。しかし気温21℃/路面温度27℃と前日より涼しいコンディションとなった。前夜の雨の影響で路面コンディションが万全でないためか、各車とも目立ったタイム更新はない。その中で#7YARTは1人目B.パークスは走行を見合わせ。#7YART2人目のM.フリッツは前日の自己ベストタイム更新を目指してアタックするが、セッション残り5分で転倒。3人目野左根の走行前までに車両修理が間に合わず、結果#7YARTは持ちタイムが更新できずに予選を終えた。他方、#5TSRは3人目J.フックが健闘。自身の前日タイムを0.5秒更新し、チームの持ちタイムは1’28.022と向上したものの、全体6位で予選を終えた。

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決勝前夜にもサーキットに雷をともなう大雨が降ったが、土曜朝のウォームアップ走行の段階で路面はドライ。気温19℃/路面温度38℃のコンディションで、8時間耐久レースの幕が切って落とされた。
 スタートでトップに立ったのはランキング首位の#1S.E.R.T。しかし#1S.E.R.T.は3周目にコースオフして転倒。修理して戦列復帰したが優勝争いからは脱落してしまう。第1スティント序盤は#94GMT-YAMAHAがトップを走るが、その真後ろにつけた#7YARTのパークスがスティント中盤に#94GMTを抜いてトップに。#5TSRは車両トラブルで9周目ピットインとなったが、2周遅れで無事コース復帰した。40周目前後に各車が最初のピットストップでタイヤ交換と給油を終えると、その後は#94GMTのペースが速く、43周目にトップを奪われた#7YARTのフリッツは、#94GMTに徐々に離されていく。
 第2スティント以降は、2位を走る#7YARTのパークス・フリッツ・野左根の各選手は、トップの#94GMTのペースにわずかながら追い付けず、徐々に1位と2位の差は開いていく。第3スティントの中盤には3位以下が周回遅れとなり、優勝争いは#7YARTと#94GMTに一騎打ちの展開になった。
 #7YARTがレース前に立案した作戦では1スティント40周(約1時間)×8スティント。しかし#94GMTはやや短い38周程度で各スティントを終えており、実は#94GMTは9スティント作戦であったことが後に分かった。また#94GMTは5回目のピットイン時に作業ルール違反を犯し、その後ストップ&ゴーのペナルティが課せられた。
 この1回多いピットストップとペナルティの結果、#94GMTのラップタイムのアドバンテージはほぼ消えるか見え、#94GMTの9回目(最後)のピットストップが近づくと、#7YARTとの差が接近して緊張が高まった。しかし実際は残り40分(303周目)にストップが終わると、#94GMTは#7YARTパークスの約20秒前方でコースに復帰でき、そのまま#94GMTが8時間で318周を走破して優勝。2位#7YARTは30秒後にゴールし、唯一同一周回数でのフィニッシュとなり、ブリヂストンと#7YARTのコンビで2戦連続の表彰台獲得となった。第1スティントでの予定外のピットストップで直後26位までドロップした#5TSRは最終的に5位に入り、#7YARTと同様にブリヂストンタイヤとのパッケージの底力の強さを見せる結果となった。

【Mandy KAINZ - YART-YAMAHA代表】
 前戦ルマンに続いて2位表彰台を嬉しく思います。特に、このマーヴィン(・フリッツ)が負傷していたことと、(野左根)航汰はこのコースを走るのはレースウィークが初めてであったことを考慮すると、2位という結果はとても誇らしいです。しかし同時に優勝できなかったことは悔しいです。今回は比較的低温条件でのレースとなりましたが、残り2戦は温度の高いコンディションが予想され、ブリヂストンとYARTが得意とする条件となりますので、今から楽しみです。

【青木信治 - 株式会社ブリヂストンMCタイヤ開発部長】 
 YART-YAMAHAと2戦連続で表彰台を獲得できたことに、感謝と祝意を述べたいと思います。TSRのサポート2年目・YARTのサポート初年度で、このような結果を得られていることに対しては、まずは一緒に開発協力してくれている両チームに感謝するとともに、ブリヂストンが取り組んできたことが結果として顕れているのだと思います。しかし優勝できなかったことで、今後取り組むべき課題も見えてきていますので、次戦以降に更なる好結果が得られるよう、開発を進めていきます。

レース結果

コース:オシャースレーベン

決勝

  • 開催日:2017/05/20
  • 天候:Fine
  • 路面:Dry
  • 路面温度:38-20℃
  • 決勝出走:33
  • (3.667km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 94 D.チェカ/N.カネパ/M.D.メリオ DL GMT94 YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 318 1:26.814
2 7 B.パークス/M.フリッツ/野左根 航汰 BS Bridgestone YART - YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 318 1:27.123
3 14 G.ジュノ/M.ジャーマン/A.D.サントス DL MACO RACING Team YZF-R1 ヤマハ 315 3 1:28.642
4 8 H.サイガー/R.スタン/M.サヴァリー PI Bolliger Team Switzerland ZX-10R カワサキ 314 4 1:28.126
5 5 G.ブラック/D.カドリン/J. フック BS Bridgestone F.C.C.TSR Honda CBR R1000RR ホンダ 314 4 1:27.676
6 96 H.クレア/A.マスボウ/R.ムルハウサー DL MOTO AIN CRT YZF-R1 ヤマハ 313 5 1:28.344
7 48 S.ケースバウマー/J.ブーン/L.グロックナー DL Voelpker NRT48 by Schubert-Motors S1000RR BMW 312 6 1:28.656
8 333 B.マッケルズ/F.アルト/A.マウリン MI Yamaha Viltais Experience YZF-R1 ヤマハ 312 6 1:28.324
9 1 V.フィリップ/E.マッソン/A.カドリン DL Suzuki Endurance Racing Team GSX-R1000 スズキ 311 7 1:28.020
10 111 J.D.コスタ/S.ギンバート/F.フォレイ DL Honda Endurance Racing Team CBR1000RR SP ホンダ 310 8 1:28.310
11 4 J.エンジョルラス/D.ブイソン/K.デニス DL Tati Team Beaujolais Racing ZX-10R カワサキ 309 9 1:29.204
12 69 J.パイロット/S.パガーニ/L.ロッシ DL Ecurie Chrono Sport ZX-10R カワサキ 308 10 1:28.923
13 56 F.アルテンド-ファー/T.コラン/R.ロウ PI GERT 56 by rs speedbikes S1000RR BMW 308 10 1:29.153
14 50 G.レブランス/G.ファストレー PI Team April Moto Motors Events CBR1000RR SP ホンダ 306 12 1:29.346
15 44 A.ボスコスサウロ/K.マンフレディ/N.ロッソ PI No Limits Motor Team GSX-R1000 スズキ 304 14 1:30.036
16 52 K.ハニカ/M.チョイ/J.メイヤー PI EKO IVRacing BMW CSEU S1000RR BMW 303 15 1:27.799
17 26 S.ショーダー/M-L.ビッゲ/K.カーシン DL Arlows Racing Team S1000RR BMW 297 21 1:32.373
18 32 B.クレト/M. シェリダン/B.エストメント BS Bridgestone Team Rabid Transit YZF-R1 ヤマハ 296 22 1:27.699
19 99 D.マーツ/A.ランプ/S.ミュラー PI WSB-Endurance ZX-10R カワサキ 295 23 1:30.404
20 100 M. ネクシル/O.スカッチ/G.ジョーンズ DL Hertrampf-Racing Ducati Endurance PANIGALE ドゥカティ 270 48 1:29.896

予選

  • 開催日:2017/05/19
  • 路面温度: ℃ ~ ℃
  • 決勝出走:33
  • (3.667km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 94 D.チェカ/N.カネパ/M.D.メリオ GMT94 YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 1:27.158
2 7 B.パークス/M.フリッツ/野左根 航汰 YART - YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 1:27.634
3 90 M.レイターバーガー/L.トラウトマン/D.ヴィンコン Team LRP Poland S1000RR BMW 1:27.854
4 1 V.フィリップ/E.マッソン/A.カドリン Suzuki Endurance Racing Team GSX-R1000 スズキ 1:27.878
5 333 B.マッケルズ/F.アルト/A.マウリン Yamaha Viltais Experience YZF-R1 ヤマハ 1:28.004
6 5 G.ブラック/D.カドリン/J. フック F.C.C.TSR Honda CBR R1000RR ホンダ 1:28.022
7 8 H.サイガー/R.スタン/M.サヴァリー Bolliger Team Switzerland ZX-10R カワサキ 1:28.230
8 48 S.ケースバウマー/J.ブーン/L.グロックナー DL Voelpker NRT48 by Schubert-Motors S1000RR BMW 1:28.259
9 96 H.クレア/A.マスボウ/R.ムルハウサー DL MOTO AIN CRT YZF-R1 ヤマハ 1:28.289
10 111 J.D.コスタ/S.ギンバート/F.フォレイ Honda Endurance Racing Team CBR1000RR SP ホンダ 1:28.509
11 69 J.パイロット/S.パガーニ/L.ロッシ DL Ecurie Chrono Sport ZX-10R カワサキ 1:28.872
12 52 K.ハニカ/M.チョイ/J.メイヤー EKO IVRacing BMW CSEU S1000RR BMW 1:28.896
13 10 E.ニゴン/出口 修/J. ミレ EVA RT WEBIKE TRICK STAR ZX-10R カワサキ 1:28.936
14 14 G.ジュノ/M.ジャーマン/A.D.サントス MACO RACING Team YZF-R1 ヤマハ 1:28.978
15 4 J.エンジョルラス/D.ブイソン/K.デニス DL Tati Team Beaujolais Racing ZX-10R カワサキ 1:29.182
16 3 A.ガンフォーニナ/A.エイヤー/A.プランカッサグネ DL AM Moto Racing Competition ZX-10R カワサキ 1:29.288
17 56 F.アルテンド-ファー/T.コラン/R.ロウ GERT 56 by rs speedbikes S1000RR BMW 1:29.517
18 100 M. ネクシル/O.スカッチ/G.ジョーンズ Hertrampf-Racing Ducati Endurance PANIGALE ドゥカティ 1:29.780
19 50 G.レブランス/G.ファストレー Team April Moto Motors Events CBR1000RR SP ホンダ 1:29.952
20 61 D.V.ケイミューレン/G.ドウェルズ/M.ブッチナー DL MOTOTECH EWC TEAM CBR1000RR SP ホンダ 1:29.961