- 開催場所:スポーツランドSUGO
- 開催日:2024年10月19日(土) 〜 2024年10月20日(日)
今季は全8戦となった全日本モトクロス選手権シリーズは、いよいよシーズン最終戦。第62回MFJ-GPモトクロス大会が、今季第4戦の舞台にもなった宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。
モトクロス以外にもロードレースやトライアル、エンデューロやスーパーモトの全日本選手権を開催している、複合モータースポーツ施設のスポーツランドSUGO。そのインターナショナルモトクロスコースは、2005~2007年に世界選手権を誘致した実績も持つ。コースはふたつの丘にまたがるように設けられ、序盤に待ち受ける上り急こう配の「大坂」をはじめ、土地そのものが持つ起伏を活かした豊富なアップ&ダウンも特徴のひとつ。コース後半の「ヨーロピアンセクション」など、ハイスピード区間も多い。今大会では、アウトラインを第4戦の状態から継承しつつ、ジャンプやリズムセクションのリニューアルなどを施したレイアウトが用いられた。
今大会は土日開催で、IA1の決勝レースは日曜日に25分+1周の2ヒートが設定された。各クラスの予選などが実施された土曜日の夜に雨が降り、夜中には強風が吹き荒れる嵐のような状態に。しかし翌朝には天候が回復し、決勝日は晴れ時々曇りとなった。粘土質の路面に降雨の影響はほとんどなく、朝の段階でも適度に水分を含んだベストな状態。ただしこれにより、路面には深いワダチが刻まれることになった。また、午後には路面がかなり乾き、最終レースとなったIA1決勝ヒート2は大量の土ボコリが発生。一部セクションは、岩盤にブラックマークがつくほどのハードパックになった。朝は冷え込んだが、日中の最高気温は16℃。東北地方の秋らしいコンディションだった。
■決勝ヒートⅠ
#4 内田篤基(Kawasaki,BS)が、横山遥希(Honda,DL)に次ぐ2番手の好スタート。さらに#2 大倉由揮(Honda,BS)が続くと、1周目の前半で大倉が先行した。オープニングラップは大倉が2番手、内田が3番手。#6 大塚豪太(Honda,BS)は10番手と出遅れた。内田は2周目に4番手、3周目には6番手まで後退。大倉も、4周目の段階で5番手まで順位を下げた。レース中盤、大倉はじわじわと前に離される苦しい展開。内田の背後には、スポット参戦した#15 星野優位(Yamaha,BS)が迫った。8周目、内田をパスして星野が6番手にポジションアップ。翌周には星野が5秒ほど内田を離し、内田の背後には10番手の大塚まで3台が迫った。レース終盤、この集団から能塚智寛(Kawasaki,DL)が抜け出し、12周目には星野が能塚の逆転を許して7番手に後退。ペースが落ちた大倉も、約3秒差まで能塚の接近を許した。しかし最後は大倉が逃げ切り、14周でチェッカーとなったレースを大倉が5位、星野が7位、内田が8位、大塚が10位でフィニッシュした。
■決勝ヒートⅡ
今大会の2週間前に開催された国別対抗戦のモトクロス・オブ・ネイションズでクラッシュし、そのケガが完治していない状況だった#2 大倉由揮(Honda,BS)は、チームと協議した結果、このレースへの出走をキャンセル。これによりランキング4位が確定した。#4 内田篤基(Kawasaki,BS)は再び好スタートを決め、4番手からのレース。#6 大塚豪太(Honda,BS)はやや出遅れながらも混戦の中でポジションを上げ、ひとつ順位を落とした内田に次ぐ6番手で1周目をクリアした。2周目、内田はトップ集団から6秒ほど離されながらも5番手をキープ。翌周には2番手を走行していた横山遥希(Honda,DL)が転倒リタイアとなり、これで4番手となった内田に大塚が僅差で迫った。4周目には大塚が先行すると、内田は徐々に遅れ、これで大塚は単独走行状態に。しかしレース終盤、追い上げてきた能塚智寛(Kawasaki,DL)に迫られた。ラストラップとなった14周目、大塚と能塚は接戦に。最後は大塚が抑えて能塚が転倒し、大塚が4位を獲得した。内田は7位でゴールしている。
●大塚豪太(決勝ヒート1/10位、ヒート2/4位)
「ヒートⅠは、1周目にちょっともたついてしまい、自分の前に1~2台のファクトリーマシンがいる状況。追いつくところまではいけても、簡単に抜かせてくれるような相手ではなく、そうこうしているうちに相手のペースに飲まれてしまい、うまくポジションアップできないうちにレースが終わってしまいました。ヒートⅡは、スタートそのものは失敗したのですが、1周目の前半にうまく前のほうに行くことができ、その後に上位勢で転倒があったため、気づいたら4番手。この段階では後ろを離せていましたが、能塚智寛選手がスゴい勢いで追い上げてきていることを知り、そのままだとラスト2周あたりで追いつかれる計算だったので、どう戦うか考えながら周回していました。最後は気持ちで勝てたと思います。
タイヤは、前後ともにソフト路面用のBATTLECROSS X20を使用。ヒート2はX31という選択肢もありましたが、自分は普段の練習でもほぼX20を履いていて、固い路面での滑り出しも熟知しているし、全体的にフィーリングが好みなので、迷わずX20を選びました。今季も初優勝という目標は達成できなかったし、終わってみればシリーズランキングは昨年と同じ6位でしたが、昨年と比べたら表彰台圏内のバトルに加われたレースが増え、一皮むけたように実感しています。まだまだ諦めず、上を目指していきたいです」
決勝
- 開催日:2024/10/20
- 決勝出走:27
- 完走:24
- (1.6km x 14laps = 22.4km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 73 | F. ザンキ | PI | Team HRC | CRF450RWE | ホンダ | 14 | 1:53.862 | 27:20.036 | |||
2 | 41 | 横山 遥希 | DL | HONDA DREAM RACING LG | CRF450R | ホンダ | 14 | 1:57.031 | 27:35.659 | |||
3 | 33 | V. アロンソ | DL | Auto Brothers GASGAS JAPAN | MC450F | GASGAS | 14 | 1:56.194 | 27:37.274 | |||
4 | 1 | J. ウイルソン | DL | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YZ450FM | ヤマハ | 14 | 1:57.108 | 27:59.588 | |||
5 | 2 | 大倉 由揮 | BS | Honda Dream Racing Bells | CRF450R | ホンダ | 14 | 1:58.653 | 28:04.089 | |||
6 | 7 | 能塚 智寛 | DL | Team Kawasaki R&D | KX450SR | カワサキ | 14 | 1:57.542 | 28:08.519 | |||
7 | 15 | 星野 優位 | BS | レーシングチーム鷹 / STAR Racing 166 | YZ450F | ヤマハ | 14 | 1:59.153 | 28:10.304 | |||
8 | 4 | 内田 篤基 | BS | Yogibo MOUNTAIN RIDERS | KX450 | カワサキ | 14 | 1:58.602 | 28:15.079 | |||
9 | 12 | 渡辺 祐介 | DL | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YZ450FM | ヤマハ | 14 | 1:58.711 | 28:16.450 | |||
10 | 6 | 大塚 豪太 | BS | T.E.SPORT | CRF450R | ホンダ | 14 | 1:58.360 | 28:16.989 | |||
11 | 35 | 神田橋 瞭 | DL | Team GANZ with ZEKURA | KX450 | カワサキ | 14 | 2:00.926 | 28:38.311 | |||
12 | 8 | 安原 志 | DL | 八尾カワサキ with ANNEX CLUB | KX450 | カワサキ | 14 | 2:00.358 | 28:43.775 | |||
13 | 25 | 道脇 白龍 | BS | TEAM KOHSAKA with CARVEK | CRF450R | ホンダ | 13 | 1 | 2:04.434 | 27:23.305 | ||
14 | 20 | 小川 孝平 | DL | Team ITOMO | YZ250 | ヤマハ | 13 | 1 | 2:04.698 | 27:30.177 | ||
15 | 23 | 宗本 駿真 | DL | SP忠男広島 | YZ450F | ヤマハ | 13 | 1 | 2:04.719 | 27:34.691 | ||
16 | 39 | 阿部 仁 | BS | Y's Racing with 東北トラス | YZ450F | ヤマハ | 13 | 1 | 2:04.767 | 27:38.127 | ||
17 | 38 | 尾崎 大二郎 | BS | YSP浜北大橋レーシング | YZ450F | ヤマハ | 13 | 1 | 2:05.140 | 27:42.531 | ||
18 | 19 | 西 元気 | BS | 秀明道場 | YZ450F | ヤマハ | 13 | 1 | 2:03.688 | 27:43.898 | ||
19 | 34 | 土屋 元希 | IRC | 京都ボブキャット | KX450 | カワサキ | 13 | 1 | 2:03.612 | 28:21.965 | ||
20 | 13 | 池谷 優太 | DL | TEAM HAMMER | CRF450R | ホンダ | 13 | 1 | 2:05.372 | 28:25.423 |
決勝
- 開催日:2024/10/20
- 決勝出走:23
- 完走:20
- (1.6km x 14laps = 22.4km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 73 | F. ザンキ | PI | Team HRC | CRF450R | ホンダ | 14 | 1:56.152 | 27:35.583 | |||
2 | 33 | V. アロンソ | DL | Auto Brothers GASGAS JAPAN | MC450F | GASGAS | 14 | 1:56.791 | 27:41.588 | |||
3 | 1 | J. ウイルソン | DL | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YZ450FM | ヤマハ | 14 | 1:57.791 | 27:43.466 | |||
4 | 6 | 大塚 豪太 | BS | T.E.SPORT | CRF450R | ホンダ | 14 | 2:00.108 | 28:21.875 | |||
5 | 7 | 能塚 智寛 | DL | Team Kawasaki R&D | KX450SR | カワサキ | 14 | 1:57.547 | 28:32.568 | |||
6 | 12 | 渡辺 祐介 | DL | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YZ450FM | ヤマハ | 14 | 2:00.654 | 28:42.818 | |||
7 | 4 | 内田 篤基 | BS | Yogibo MOUNTAIN RIDERS | KX450 | カワサキ | 14 | 2:01.193 | 28:58.457 | |||
8 | 8 | 安原 志 | DL | 八尾カワサキ with ANNEX CLUB | KX450 | カワサキ | 14 | 2:01.928 | 29:19.455 | |||
9 | 35 | 神田橋 瞭 | DL | Team GANZ with ZEKURA | KX450 | カワサキ | 14 | 2:03.626 | 29:37.937 | |||
10 | 13 | 池谷 優太 | DL | TEAM HAMMER | CRF450R | ホンダ | 14 | 2:05.101 | 29:40.527 | |||
11 | 34 | 土屋 元希 | IRC | 京都ボブキャット | KX450 | カワサキ | 14 | 2:05.737 | 29:48.523 | |||
12 | 39 | 阿部 仁 | BS | Y's Racing with 東北トラス | YZ450F | ヤマハ | 13 | 1 | 2:05.200 | 27:40.703 | ||
13 | 19 | 西 元気 | BS | 秀明道場 | YZ450F | ヤマハ | 13 | 1 | 2:04.577 | 27:41.210 | ||
14 | 23 | 宗本 駿真 | DL | SP忠男広島 | YZ450F | ヤマハ | 13 | 1 | 2:06.008 | 27:43.834 | ||
15 | 42 | 白石 翔也 | BS | KX450 | カワサキ | 13 | 1 | 2:05.267 | 28:20.460 | |||
16 | 25 | 道脇 白龍 | BS | TEAM KOHSAKA with CARVEK | CRF450R | ホンダ | 13 | 1 | 2:06.694 | 28:29.804 | ||
17 | 37 | 川口 尚希 | BS | AMICSSレーシングチーム | CRF450R | ホンダ | 13 | 1 | 2:09.494 | 28:36.836 | ||
18 | 32 | 古賀 翼 | BS | ★MOTION RACING★ | CRF450R | ホンダ | 13 | 1 | 2:08.235 | 28:57.053 | ||
19 | 20 | 小川 孝平 | DL | Team ITOMO | YZ250 | ヤマハ | 13 | 1 | 2:07.415 | 29:56.356 | ||
20 | 28 | 伊藤 翔太 | BS | 花巻レーシング | KX450 | カワサキ | 12 | 2 | 2:16.424 | 28:16.391 |