【2024年全日本モトクロス選手権Rd.8 第62回MFJ-GPモトクロス大会 IA2クラス】横澤拓夢はヒート1のスタート直後に転倒を喫し、2年連続のシリーズランキング2位！

今季は全8戦となった全日本モトクロス選手権シリーズは、いよいよシーズン最終戦。第62回MFJ-GPモトクロス大会が、今季第4戦の舞台にもなった宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。モトクロス以外にもロードレースやトライアル、エンデューロやスーパーモトの全日本選手権を開催している、複合モータースポーツ施設のスポーツランドSUGO。そのインターナショナルモトクロスコースは、ふたつの丘にまたがるように設けられ、序盤に待ち受ける上り急こう配の「大坂」をはじめ、土地そのものが持つ起伏を活かした豊富なアップ＆ダウンも特徴とする。コース後半の「ヨーロピアンセクション」など、ハイスピード区間も多い。今大会では、アウトラインを第4戦の状態から継承しつつ、ジャンプやリズムセクションのリニューアルなどを施したレイアウトが用いられた。
IA2クラスの決勝は、25分＋1周の2レースが設定された。各クラスの予選などが実施された土曜日の夜に雨が降り、夜中には強風が吹き荒れる嵐のような状態に。しかし翌朝には天候が回復し、決勝が行なわれた日曜日は晴れ時々曇りとなった。粘土質の路面に降雨の影響はほとんどなく、朝の段階でも適度に水分を含んだベストな状態。ただしこれにより、路面には深いワダチが刻まれることになった。また、午後には路面がかなり乾き、IA2決勝ヒート2はハードパックでのレースに。日中の最高気温は16℃で、東北の秋を感じさせるコンディションだった。IA2クラスでは、#2 横澤拓夢（Honda,BS）が中島漱也（Yamaha,DL）を13点差で追うランキング2番手で今大会に挑み、逆転でのシリーズタイトル獲得を目指した。

■決勝ヒートⅠ
中島漱也（Yamaha,DL）がホールショット。#2 横澤拓夢（Honda,BS）は、スタート直後の混戦で他車と接触して転倒し、最下位からレースに臨むことになった。1周目、横澤は19番手でコントロールラインを通過。2周目には、ランキング3番手で今大会に臨んだ#6 柳瀬大河（Honda,BS）が激しくクラッシュし、そのままリタイアとなった。この周、横澤は13番手まで順位を回復。その後も追い上げを続け、6周目には8番手までポジションを上げた。
6周目以降、横澤は田中雅己（Kawasaki,DL）や鴨田翔（Kawasaki,DL）を僅差で追撃。中島のチャンピオン決定を阻止するためには、6周目の段階で鴨田より6秒ほど前を走っていた#12 渡辺陵（Yamaha,BS）までを抜く必要があった。しかし横澤は田中をなかなか攻略できず、10周目にようやく7番手となったが、翌周にミスして12番手に後退した。14周のレースは中島が勝利し、横澤は11位。これにより横澤はチャンピオンを逃した。渡辺は今季自己最高の4位を獲得した。

■決勝ヒートⅡ
ホールショットの鴨田翔（Kawasaki,DL）を抜いて、#13 阿久根芳仁（Kawasaki,BS）がトップに浮上。阿久根、田中淳也（Yamaha,DL）、中島漱也（Yamaha,DL）の順でオープニングラップをクリアした。#2 横澤拓夢（Honda,BS）は1周目9番手。2周目、阿久根は田中と中島の先行を許して3番手に後退した。3周目には、横澤が6番手までポジションアップ。#12 渡辺陵（Yamaha,BS）を僅差で追った。また4番手の阿久根は、西條悠人（Kawasaki,DL）を抑えて3番手を守った。5周目、横澤は渡辺をパスして5番手にポジションアップ。抜かれた渡辺は、翌周に2秒ほど遅れると、7周目に入ったところでマシントラブルが発生してリタイアとなった。この周、阿久根は西條の逆転を許して4番手に後退し、その背後には横澤が接近。8周目には横澤が先行した。この段階で、横澤は3番手の西條に対して約5秒のビハインド。しかしレース終盤にかけてそのギャップを削ることはできず、14周でチェッカーとなったレースを横澤は4位、阿久根は5位でゴールした。

●横澤拓夢（決勝ヒート1／11位、ヒート2／4位）
「予選ではトップになれましたが、自分としては納得できるような走りではなく、不安を抱えて決勝に臨むことに。それでも、とにかくやるしかないわけで、もちろん精一杯戦いましたが、結果的には望んだような走りはできませんでした。
ヒートⅠのスタート直後、中島漱也選手のホールショットが見える状況で自分は転倒。何位まで上がれば中島選手のチャンピオンを阻止できるかは知らなかったし、きっと中島選手はトップを走り続けているだろうとも思っていましたが、諦めたらそこで終わり。支えてくれている方々や現地まで応援に駆けつけてくれたファンの方々に、情けない姿を見せるわけにはいかないので、自分なりに最後まで一生懸命走りました。シリーズタイトルを逃し、ヒートⅡはもう走らなくてもいいのではないかとさえ思いましたが、そこでもやっぱり応援してくれている方々がいたからこそ、走ろうという気持ちになれたと思います。
今大会、タイヤは一貫してフロントとリヤともに軟質路面用のBATTLECROSS X20を選択。
ヒートⅡは路面がかなり乾いてハードパック化した状態だったので、結果的にはミディアム路面用のX31でも悪くなかったかもしれません。ただ、全日本のときは直前に散水があるときも多いので、その可能性を考慮したら、X20はベストチョイスだったと思います。途中まで非常に順調なシーズンだっただけに、この結果を自分でも受け止め切れずにいますが、とにかく1年間のサポートや応援に心から感謝しています」