【2024年全日本モトクロス選手権Rd.7 TOKIO INKARAMI Super Motocross レディースクラス】地元の川井麻央が勝利を収め、3位となった本田七海と同点ながら、ランキングトップに再浮上!!!

今季の全日本モトクロス選手権シリーズは、いよいよシーズン終盤戦。第7戦TOKIO INKARAMI Super Motocrossが、今シーズン開幕戦の舞台にもなった埼玉県のオフロードヴィレッジで開催された。レディースクラスは北海道大会を除く7大会7レースで競われるため、今回を含めて残り2レースとなる。荒川と入間川に挟まれた河川敷のフラットな土地に設けられたコースは、今大会に向けてフルリニューアル。これまでも、タイトターンとジャンプが多くて幅が狭いレイアウトを特徴としてきたが、急角度で跳び出すビッグジャンプや長いリズムセクション、飛距離が長い連続ジャンプなどを多数配し、コーナーのほとんどをタイトターンとした、完全にスーパークロス風のレイアウトに生まれ変わった。フルサイズよりも小径な前後ホイールを履いた車体に、2スト85ccまたは4スト150ccのエンジンを搭載するレディースクラスのマシンにとっては、かなり難易度が高いセッティング。これにより、上位勢とそれ以外のタイム差が大きく開くことになった。

今大会のレディースクラスは、公式練習を兼ねた20分間のタイムアタック予選と、いつもより5分短い10分＋1周の決勝レースをいずれも日曜日に実施する、ワンデースケジュールが導入された。早朝に雨が降ったことや、天候を考慮しつつコース整備が加えられたことなどから、日曜日朝の路面は前日と比べるとソフト傾向のベストコンディション。さらに、レディースクラスの決勝は昼休み直後に設定され、その前にコース整備が加えられたことから、比較的走りやすい路面状況となった。
このクラスは、前戦で#2 本田七海（Yamaha,BS）がポイントランキングトップに浮上。9点差で#1 川井麻央（Honda,BS）、本田と10点差で川上真花（Yamaha,PI）が追う三つ巴のチャンピオン争いが続いている。

■決勝レース
#1 川井麻央（Honda,BS）がホールショット。これに瀬尾柚姫（Honda,DL）と箕浦未夢（Honda,DL）が続くと、瀬尾は5番手まで順位を下げ、#2 本田七海（Yamaha,BS）が3番手、川上真花（Yamaha,PI）が4番手に浮上して1周目をクリアした。2周目、川井に箕浦と本田が接近。翌周には川上も加わり、4台による僅差のトップ争いとなった。しかし4周目に入ったところで箕浦が大きくバランスを崩し、背後にいた本田が接触。本田は転倒を免れたが、コースアウトして遅れた。このアクシデントにより、箕浦はマシン破損でリタイア。トップの川井を約2秒差で川上、さらに2秒ほど遅れて本田が追うことになった。5～6周目に川井は川上の追撃を許し、ついには接近戦に。逆に本田は、川上からわずかに遅れた。すると7周目に、川井がペースを上げて再びリードを拡大。同じ周、本田は川上との距離を少し縮めた。レースは8周で終了となり、逃げ切った川井が優勝。本田は3位となり、ランキング争いは川井が113点、本田が113点、川上が107点で最終戦を迎えることになった。

●川井麻央（決勝レース／優勝）
「日曜日朝のタイムアタック予選では2度もクラッシュ。けっこう激しい転倒になってしまい、自分としては好タイムを狙えない状況だと思っていました。ところが、終わってみたらトップタイム。トップ3は接戦だったとはいえ、少し意外でした。
決勝はホールショットで最初からトップに立てましたが、上位勢のラップタイムはほぼ互角という感じで、自分だけが圧倒的に速いという状態ではないことも理解していたので、まずはミスしないよう落ち着いて走ることを心がけました。大きなミスさえしなければ、後続を抑えられることは分かっていましたが、ここで勝たないと逆転チャンピオンの望みがほぼ絶たれてしまう状況だったので、トップを守ってゴールできたときにはホッとしました。ここで勝ったことで、いい流れを引き寄せられたと思います。
タイヤは、前後ともに軟質路面用のBATTLECROSS X20をチョイス。早朝の雨で前日と比べて路面がソフトになったのに加えて、決勝前にはコース整備もあったので、X20の長所を一番引き出しやすいコンディションだったと思います」