KEI NAKAMURA選手の強さに揺るぎなし! 2戦連続の独走ポールtoウイン!
- 開催場所:十勝インターナショナルスピードウェイ クラブコース
- 開催日:2023年06月18日(日) 〜 2023年06月18日(日)
~トヨタ系ワンメイクの最上級レースとして!~
カール・ベンツが世界初のガソリンエンジン自動車を発表した1855年のわずか10年後には、フランスで世界初の自動車レースが開催されている。つまり自動車には単なる“交通手段”や、“貨物運搬手段”ばかりではなく、実際に運転しクルマのコントロールを楽しむという“スポーツ用具”としての側面も昔からあったのである。だからこそ、「どのクルマが一番速いか?」、「誰が一番運転がうまいか?」という競い合いは130年以上にわたって継続されてきた。2000年に当時トヨタの新型コンパクトカーであるヴィッツを当該車両として「ネッツカップ」という日本初のナンバー付車両によるワンメイクレースが誕生し、その後トヨタのナンバー付車両レースの最上級クラスとなったのが、2シータースポーツのトヨタ86とスバルBRZ。その待望のワンメイクレースが「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」として2013年にスタートを切ったのである。
~モデルチェンジ後の旧型車両の救済策として!!~
国産車としては数少ない2シータースポーツとして登場したトヨタ86、全世界で20万台以上も販売される大ヒット作となる。もちろん「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」参戦車両の対応も怠りなく、ロールバーや牽引フックなどレース参戦に必要な装備をすべて搭載したモデルも発売される。このレース参戦対応車両は、通常車両と価格がほとんど同等であり、1レースあたりの参加が100台を超えることもある人気レースとなった。その人気レースに転機が訪れたのは2021年のこと。トヨタ86とスバルBRZのモデルチェンジが発表され、これに伴い2022年からは新たに「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup」と改称され、参加車両は新型車両になるとされたのである。
問題は旧型車両でレース参戦を楽しんでいた純粋なアマチュアドライバーであり、彼らの行き場をどうするかが問題となったのである。その救済策として発案されたのが、これまでとほぼ同一のレギュレーションで、使用タイヤはブリヂストンの`POTENZA RE-71RSワンメイクとした「TS-86/BRZ」として昨年から開催されている。モータースポーツも「スポーツ」という以上、それは人間の戦いであるはずで、特にアマチュアレースにおいては「道具」ではなく、ドライバー本人の「ワザ」で勝敗を決めるべきであろう。そのためにはイコールコンディションは必須であり、タイヤをブリヂストンPOTENZA RE-71RSにしたのはスポーツの「本筋」を守るためにも最適な判断だったといえよう。
~またもNAKAMURA選手の“横綱相撲”!~
このTS-86/BRZの北海道シリーズ第2戦、多少は参加台数が増えてきたのだが、それでも今回の参加台数は5台とちょっとさみしい。86&BRZは中古になっても人気車種であり、なかなか価格が下がらない。とはいえ、道内の有力ショップもこのクラスを盛り上げるため努力しており、その成果に期待したいところだ。
■予選
朝から「十勝晴れ」となった予選、まずトップに立ったのは今回が初参戦のナカヤ ケンタロウ選手、コースインして一周でタイヤを温めてアタックし、1分38秒台目前のタイムをマークするやそのままピットイン。「普段はスリックタイヤを使うクラスに参戦しているんで、スポーツラジアルのグリップが気になりましたが、グリップレベルは問題ないですよ。要はそのタイヤに合った走りをすればいいんだと思います」とナカヤ選手。
そのナカヤ選手をラストアタックで逆転したのは、開幕戦ウイナーKEI NAKAMURA選手だった。ナカヤ選手をわずか0.057秒上回るという僅差でポールを獲得する。「ブリヂストンのRE-71RSですが、スポーツラジアルとしてのグリップレベルは高いと思います。先だっての富士24時間レースでも問題なかったようですし、僕も違和感なく走れました。ただ、タイヤの内圧には気を使います。コンマ1違ってもグリップが変わりますからね」とNAKAMURA選手。予選3番手に入ったのは安藤義明選手だが、トップとは1秒3もの差があり、決勝はフロントローに並んだ2台が主導権を握るだろうと思われた。
■決勝
絶好のスタートダッシュを決めたのは4番グリッドだった三浦稔呂選手だった。スタートのうまさには定評のある三浦選手、第1コーナー進入ではNAKAMURA選手に並びかけるほど。その三浦選手に肉薄したのはスタートを失敗したナカヤ選手。何度もチャンスをうかがうが三浦選手はうまくナカヤ選手のラインをふさいでスキを見せない。ただ、やはりラップタイムはナカヤ選手が速く、なんとかこの2位争いから抜け出すことに成功する。しかしトップを行くNAKAMURA選手は、後続の混戦をよそに完全な独走体制を築き上げていた。そのリードはレース中盤で早くも10秒以上もあり、レースはそのままゴールとなった。
優勝したNAKAMURA選手コメント
「今回は皮むきして少し走り込んだタイヤを使いました。新品よりグリップが安定しているし、そこからのタレも想定できますからね。やはりタイヤ管理は何より大事な要素です」
決勝
- 開催日:2023/06/18
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:5
- 完走:5
- (5.091km x 10laps = 50.91km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 32 | KEI NAKANURA | BS | DICE・ASH・アクレ・86 | 10 | 16'49.993 | ||||||
2 | 33 | ナカヤ ケンタロウ | BS | DICE/BBZ・ASH・アクレ・86 | 10 | 17'03.723 | ||||||
3 | 17 | 安藤 義明 | BS | 真狩モッコリ馬並昭和トラックSTEP86 | 10 | 17'07.423 | ||||||
4 | 34 | 光内 宏樹 | BS | SYSTEM-Rシンシア86 | 10 | 17'12.265 | ||||||
5 | 360 | 三浦 稔呂 | BS | 三浦としなが歯科クリニック・86 | 10 | 17'17.363 |