参加者は17歳以下。グランツーリスモ7によるオンラインレースに、モータースポーツの未来を垣間見る。

BRIDGESTONE GT タイムトライアル U17 決勝大会

電子機器、いわゆるゲーム機を用いて対戦スポーツ競技を行うのがeスポーツ。世界の競技人口は、1億人以上とも言われ、日本でも大きな注目を浴びています。eスポーツの中でも、ドライビングシミュレーションゲームを使用したeモータースポーツは、実車を操っているかのようなマシンのリアルな挙動や目の前に広がる映像美が魅力。全国の会場やオンラインで大会が開催されるなど、年々盛り上がりを見せています。
そんなeモータースポーツのなかでも話題のオンラインレースといえば、「TOYOTA GAZOO Racing GT Cup」。2019年にスタートしたグローバルシリーズ戦で、トヨタの最新スポーツカーを使用して、同じ条件下で勝敗を決します。そして2022年、この大会にもつながる競技として、『BRIDGESTONE GT タイムトライアル U17 by TOYOTA GAZOO Racing』が、PlayStation®5*(PS5®)およびPlayStation®4*(PS4®)用ソフトウェア「グランツーリスモ7」を使用して開催されました。
グランツーリスモは実在する自動車の動きを再現して、サーキット走行や車両カスタマイズを楽しめる「リアルドライビングシミュレーター」として登場。グランツーリスモ7はその最新版で、420種類以上もの車両収録しグラフィック精度の高さでたくさんのファンを獲得しています。






■約2000人のなかから予選を勝ち抜いた先鋭が決勝大会へ


TGR01.jpg


さて「BRIDGESTONE GT タイムトライアル U17 by TOYOTA GAZOO Racing」は、日本国内の免許をまだ取得していない17歳以下の子供たちが参加するオンラインレースであることがポイント。つまり、これからのeモータースポーツ、そしてリアルなモータースポーツの世界を担っていく世代が対象なのです。
大会では12歳以下の部と17歳以下の部の2部門を設定し、全体の予選はひとりでも多くの方に参加いただけるようにと、7月から8月の夏休み期間中にオンラインで開催されました。誰もが参加しやすいタイムトライアル形式で3ラウンドを用意し、ラウンドごとに決められたサーキットと車種でアタック。ラウンド1から3まで何度参加してもOKで、参加者はじつに2000人近くとなりました。
そのうち上位2ラウンドの合計ポイント上位者が決勝大会に駒を進め、12歳以下の部の上位6名、17歳以下の部の上位12名が、10月2日に「RED° TOKYO TOWER」にて開催されたオフラインイベントへ出場。今回はその模様をご紹介します。


*「PlayStation」、「PS5」、および「PS4」は株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標または商標です。
Gran Turismo 7: © 2022 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc. Manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. All rights reserved. Any depiction or recreation of real world locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties. "Gran Turismo" logos are registered trademarks or trademarks of Sony Interactive Entertainment Inc.






■たくさんのeモータースポーツファンが生配信で観戦


Tgr4.jpg


決勝大会のシミュレーターマシンは、会場となる「RED° TOKYO TOWER」のRED° E-MOTORにて普段使用されているもので、世界大会競技用モデルでもあります。決勝レースのスターティンググリッドを決める予選のコースは、グランツーリスモのオリジナルサーキットとなる京都ドライビングパーク・山際です。決勝は、12歳以下の部は富士スピードウェイ、17歳以下の部はオートポリスが熱戦の舞台となりました。
また、普段街中で見かける市販のトヨタ GR86やGRスープラなど、GR車両を使用して行うことで、よりクルマを身近に感じてもらえるのも特徴となっていますが、マシンには細かいレギュレーションが定められています。決勝レースではリアルなレースよりも燃料消費率やタイヤの摩耗度合いが大きく高められており、タイヤ交換や燃料補給のタイミング等、緻密な戦略を練らなければなりません。さらに、AI判定によって車両接触ペナルティが科されるとエンジン出力が一定時間絞られることになり、ドライビング技術以外の駆け引きも見どころになります。
当日の予選・決勝の様子はYouTubeで生配信され、2021年の「TOYOTA GAZOO Racing GT Cup」ワールドチャンピオンである山中智瑛選手が実況、「FIAグランツーリスモ選手権」の初代王者であり、ニュージーランドで開催されるリアルのフォーミュラレース「カストロール・トヨタ・レーシングシリーズ」でも2020年にチャンピオンを獲得した、イゴール・フラガ選手が解説を務めました。


TGR06.jpg






■17歳以下の部はセミファイナルから大激戦


Tgr8.jpg


12名が参戦する17歳以下の部では、まず6名ずつの2ブロックに分かれて予選を実施して、上位3名ずつが決勝に進みます。解説のイゴール選手によると、予選に使用された京都ドライビングパーク・山際は、コース中盤のヘアピンコーナーと最終コーナーを2速に落とす以外はすべてハイスピードで走行するコース。タイムアタックに設定された10分で5〜6周できるので、アタックはすべて全開で臨むとのこと。
ブロックごとにタイムアタックを行いグリッドが決まると、予選レースがスタート。周回数は10周で、車両はGRスープラ Race Car '19です。タイヤはレーシングタイプのソフトまたはハードが1セットずつ用意され、両方を必ず使用する必要があります。グリップが良く速く走れるが摩耗が早いソフト、ソフトより遅いが持ちがいいハード。また、タイヤの摩耗倍率は11倍に設定されていて、1周で11周分減ることになると言います。ソフトタイヤを選んだ場合、4周ほどしか持たないのでは? とイゴール選手。タイヤをどの順番で使うかも勝敗を決める大きなカギとなります。
Aブロックでは、4番手スタートの大村天弓選手がソフトタイヤを選びましたが、そのほかの5人はまずハードタイヤをチョイス。緊張の面持ちでローリングスタートを切ります。ソフトタイヤが功を奏して大村選手は1周目の最終コーナーで2位へ、2周目すぐにトップに躍り出ます。そのまま後続を引き離しながら、ソフトタイヤ使用のため3周目でタイヤ交換と給油でピットインしました。
このように選手たちはタイヤの摩耗度合いや燃料残量を見ながら車両のマネジメントをしてレースを進めていきます。大村選手のピットイン後、佐々木選手がトップを走行していましたが、ハードタイヤを選んだ面々が8周目にソフトタイヤへ交換。ピットアウト後には大村選手と佐々木選手がトップ争いを繰り広げ、1位 佐々木選手、2位 大村選手、3位 瀬川選手という結果になりました。
Bブロックでは、6番手スタートとなった尾田結都選手がソフトタイヤを選んだほかは、ハードタイヤからのスタート。トップ集団はあまりペースを上げず周囲を牽制している様子。これは最後に余力を残してバトルから抜け出すために、あえて燃費をセーブしながら走っているのではとイゴール選手。尾田選手は追い上げを見せ3周目で2位まで浮上しましたが、その直後にタイヤ交換のためにピットインしました。
そして、ポールポジションからスタートした石水選手が、途中ペナルティによるタイム加算があったもののトップを守りレースが進みます。7周目でハードタイヤを選んでいた選手たちがタイヤ交換と燃料補給のためにピットイン。ピットアウト後も石水選手、佐々木選手、新木選手の順。そのまま順位をキープし、1位はポール・トゥ・ウィンで石水選手、2位は佐々木選手、3位は新木選手の順でチェッカーを受けました。こうして、17歳以下の部の決勝へ進む6名が決定しました。


TGR03.jpg








■12歳以下の部の決勝はGR86で熱いバトルが繰り広げられた


Tgr12.jpg




17歳以下の部の決勝レースの前に行われたのが、12歳以下の部の決勝。オンライン予選を勝ち抜いた6名が競います。ステージは富士スピードウェイ、周回数は10周です。車両はGR86 RZ '21を使用し、タイヤはレーシングタイプのソフトとハードが用意されました。GR86とレーシングタイヤの組み合わせは操縦性がピーキーで、挙動が乱れやすいとイゴール選手。タイヤが滑ると一気に摩耗が進んでしまうので、丁寧なドライビングが必要となります。また、富士スピードウェイはオーバーテイクポイントが多く、順位がめまぐるしく入れ替わるレース展開になるのでは? と予想しました。
タイムアタックにより決勝レースのグリッド順が決まり、ポールポジションを獲得したのは、澁谷裕夢選手。2番手は石水可夢偉選手、3番手に木島虎太郎選手、4番手は平山由磨選手、5番手は岡田琥博選手、6番手は兼田麗生選手と続きます。兼田選手がソフトタイヤを選んだほかはハードタイヤで出走します。
兼田選手は1周目で2位まで浮上。石水選手が走路を外れるトラックリミットによる減速ペナルティを受けて5位まで順位を落とします。オープニングラップから波乱の展開に会場も沸き立ちました。2周目で兼田選手がトップに立ちますが、3周目でピットイン。この間に澁谷選手が再びトップへ浮上し、各選手が減速ペナルティを受ける中、順調に走り続けます。
とは言えこのままでは終わりません。7周目で後ろを追う平山選手が果敢にアタックし、0.4秒差まで迫りました。しかし同じ周のダンロップコーナーで平山選手が4位に後退。岡田選手が2位へ。その後、ハードタイヤで走行していた5台がピットインし、ソフトタイヤへ履き替え給油も行います。最初にピットアウトしたのは一番燃料を残して給油量が少なかった澁谷選手。2番手の岡田選手と4秒以上の差を開きそのままトップを独走します。
9周目での順位は、トップが澁谷選手、2位が岡田選手、3位が木島選手、4位が石水選手です。最終ラップで木島選手と石水選手の3位争いが熾烈に。1コーナーを制したのは木島選手でしたが、その後も石水選手が仕掛け続けます。そしてパナソニックコーナーでついに石水選手が前へ。そのまま3位チェッカーとなりました。こうして優勝は澁谷選手、2位 岡田選手、3位 石水選手という結果になりました。


TGR04.jpg






■マシン設定の厳しさへの冷静な対応が勝敗を分ける


Tgr16.jpg


続いて、17歳以下の部の決勝です。ステージはオートポリス、周回数は11周です。車両はGRスープラ RZ '20を使用し、タイヤはレーシングタイプのソフトとハードに加え、ミディアムも用意されました。決勝のタイヤ摩耗倍率は、予選よりさらにハードな13倍、燃料消費倍率は7倍です。この設定の厳しさが、摩耗度合いや燃費をより計算しながら走る必要があり、後ろからのスタートでも十分逆転できる可能性があると、山中選手とイゴール選手は言います。
しかし、オートポリスはコース幅が狭くオーバーテイクが難しいコースです。また連続するコーナーが多く、ひとつのミスが大きなタイムロスにつながるテクニカルなサーキット。さらに山中選手によるとレギュレーションもより厳しいため、最初のタイムアタックでスターティンググリッドがどうなるかも勝負の分かれ目だと言います。
ポールポジションを獲得したのは石水優夢選手、続く2番手は佐々木拓眞選手。さらに瀬川彰斗選手、佐々木壱晟選手、大村天弓選手、新木 悠真選手と続きました。タイヤは石水選手がソフト、大村選手がミディアムをチョイスしたほかは、ハードタイヤからのスタートです。
そしていよいよ決勝レースが始まりました。ソフトタイヤの石水選手は、早くも2周目で2番手に4秒以上の差をつけましたが、2周でピットインをしてミディアムタイヤに履き替え6番手に。4周目で佐々木拓眞選手、瀬川選手がピットイン、ハードタイヤからミディアムタイヤへ、大村選手はミディアムタイヤからハードタイヤへ交換します。
5周目で佐々木壱晟選手と新木選手がピットインしてミディアムタイヤへ。佐々木壱晟選手はここで給油も行います。給油を1回で済ませるか2回に分けて行うのかも戦略の分かれ道だとイゴール選手。ピットアウト後、6周目の順位はトップが石水選手、続いて佐々木拓眞選手、瀬川選手。石水選手はそのままピットインして、最後のハードタイヤへ交換しました。8周目で佐々木拓眞選手、瀬川選手、大村選手が9周目で佐々木壱晟選手と新木選手がピットインし、ソフトタイヤへ交換します。
そして10周目でソフトタイヤのグリップを生かしてトップに立ったのは佐々木拓眞選手。続いて石水選手、瀬川選手と続きます。石水選手がハードタイヤで前をいく佐々木拓眞選手を果敢に攻め続けますが、なかなか捉えることはできません。さらに瀬川選手が石水選手に仕掛けついに2位へ浮上。最後は佐々木拓眞選手が後続に2秒近くの差をつけて優勝。2位は瀬川選手、3位は石水選手となりました。


TGR05.jpg






■これからの活躍にも期待大。素晴らしい走りで魅了した参加者


Tgr20.jpg


表彰式では12歳以下の部と17歳以下の部それぞれ3位までに、クリスタルトロフィーと今大会を記念した刺繍が入ったブリヂストンのキャップが授与されました。また副賞として、11月に行われるSUPER GT 第8戦の応援グッズと観戦チケットも贈られています。
12歳以下の部でチャンピオンに輝いた澁谷裕夢選手は、「タイムアタックでいいタイムを出したことで気持ちが乗って、それが結果に繋がりました。戦略がはまってクールに優勝できました」とコメント。
17歳以下の部のチャンピオン、佐々木拓眞選手は、「練習の成果が発揮できたことが優勝に繋がり、ほっとしています」と言い、「eモータースポーツに興味をもってくれる人をもっと増やすためにぼく自身も努力したい」とeモータースポーツの将来を担う覚悟がある様子。また、佐々木拓眞選手は11月に開催される「TOYOTA GAZOO Racing GT Cup」への出場も決まっており、「この経験を生かして頑張りたい」と意気込みを語ってくれました。
最後に、山中選手は、「各選手が一生懸命練習して、本気で臨んでいるのが感じられ、私自身勉強になった」とコメント。イゴール選手は「普段は出場する側ですが、各選手の走りや戦略は参考になりました。自分のライバルとなるはずですが、それもまた楽しみです」と語り、この大会を締めくくりました。
ブリヂストングループは、eモータースポーツをはじめ、幅広いモータースポーツ活動を通じて、安心・安全で楽しいクルマ文化、モータースポーツ文化の発展に貢献していきます。子供たちにモータースポーツをより身近に楽しんでもらえるよう、同じ志を持った仲間としてTOYOTA GAZOO Racingおよびトヨタ自動車株式会社とともに、今回開催された「BRIDGESTONE GT タイムトライアル U17 by TOYOTA GAZOO Racing」へのサポートを行いました。今後もこのようなイベントが盛り上がることを期待し、積極的にサポートを続けていきたいと考えています。


TGR07.jpg