• 開催場所:スポーツランドSUGO
  • 開催日:2017年10月22日(日) 〜 2017年10月22日(日)
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 2017年MFJ全日本モトクロス選手権シリーズ第9戦(最終戦)MFJ-GPは、宮城県のスポーツランドSUGOインターナショナルモトクロスコースで開催された。SUGOでの開催は、6月第4戦・8月第7戦に続き今季3度目。国際格式のMFJ-GPとして行われる大会には、海外からの招待選手も複数参戦。また今年は各クラスのタイトル争いが最終戦までもつれ込んだために、大きな注目を集める大会となった。山の斜面を行き来するアップダウン、尾根を跨ぐビッグジャンプ、逆バンクやコンビネーションジャンプなどハイスピードエリアとテクニカルなセクションを併せ持つこのコースは、粘土質の路面も大きな特徴。通常は固く締まる路面を掘り返して大会を行うが、長く続いた悪天候に加え季節外れの大型台風の影響で、大会期間中は断続的に雨が降り続き、コースは土曜日がヘビーマディ、日曜日はよりウェットな泥沼のようなコンディションとなってしまった。そのためタイムスケジュールが大幅に変更。予選・決勝時間を短縮した他に、スタック回避のために全体の約3分の2をショートカットするなどの対策が取られた。

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■IA1ヒート1
 泥しぶきが高々と巻き上がるスタートで、鋭い加速を見せたのは小島庸平(スズキ-ブリヂストン)。イン側からスタートした山本鯨(ホンダ-DL)を抑え鮮やかなホールショットを決めた小島は、小方誠(カワサキ-DL)の先行を許しオープニングラップを2番手でクリアする。一方スタートこそやや出遅れたものの、アグレッシブな走りを見せたのが成田亮(ホンダ-ブリヂストン)。1周目を5番手でクリアした成田は、前半3番手まで順位を上げると、トップ争いを演じていた小方と山本を一気にパスして10周目にトップに浮上。全日本通算150勝に王手をかけた成田は、地元での悲願達成に向けて力走を見せるも残り3周自らのミスで転倒を喫してしまう。地元の声援を受けて再スタートを果たしたものの、この間に再び小方の先行を許した成田は2位でチェッカー。3位山本に続いて、小島に追い付いた平田優(ヤマハ-ブリヂストン)が逆転で4位。小島5位・星野優位(KTM-ブリヂストン)6位・新井宏彰(カワサキ-ブリヂストン)7位でフィニッシュした。

■IA1ヒート2
 午後になって雨足が更に強まり、土砂降りとも言える中でスタートした今シーズンのファイナルヒート。ここで快心のホールショットを決めたのは星野優位。大塚豪太(ホンダ-ブリヂストン)が星野優位に続き、星野裕(カワサキ-DL)を挟んで新井は4番手、成田は7番手でオープニングラップをクリア。山本と小方のタイトル争いを尻目に、快調なペースでリードを広げた星野優位の後方では、大塚が懸命の走りで2番手をキープ。自身のミスで一旦は順位を落した成田だが、ここからスパートすると後半次々と先行するライダーをパスし、レース終盤の13周目にはついに大塚と順位を入れ換え2番手に浮上する。レースは、前半に築いた大量リードを終盤もしっかりと守り切った星野優位が、スタートtoフィニッシュで今季初優勝を達成し、KTMのプライベートチームに所属する星野優位がワークス勢を倒す快挙。通算150勝達成こそ逃したものの、ラストラップで星野優位の背後に迫った成田が2位。大塚が3位表彰台を獲得し、今シーズン最後のレースはブリヂストン勢が表彰台を独占する結果となった。
 最終戦の総合成績では成田が1位、また年間ランキングでは成田3位・平田4位・新井5位となってシーズンを終了した。

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◆星野優位-KTMうず潮レーシング福山
 KTMとブリヂストンのマディパターンの相性がいいのは以前から分かっていました。土曜と日曜では同じマディでもかなり違うコンディションだったんですが、相性がいいのでタイヤ選択で迷うことはなかったですね。ヒート1でもスタートもバッチリ決まっていたし、ヒート2はスタートから後続を振り切って優勝することができました。コース上にはスタックしそうな場所もありましたが、どんな状況でもタイヤが機能してしっかりとバイク前に走ってくれたことがKTM初優勝の勝因です。

◆大庭裕史-株式会社ブリヂストンMCタイヤ開発部
 今期3回目のスポーツランドSUGOでの開催でしたが、過去2回とは全く異なるコンディションでした。土曜日に予選中止が決定した時点の天気予報で、翌日曜日は雨量が増えて水分を多く含むマディコンディションになると予想できたので、それに対応できるようにパターン選定をしました。結果、予想通り日曜日は比較的水捌けの良いマディコンディションとなり、前輪にソフトパターン・後輪にソフトかマディパターンという組み合わせメインで、各選手には走ってもらいました。ヒート2で2位・3位に入った成田選手・大塚選手はともに市販モトクロスタイヤBATTLECROSS装着で好結果を出してくれました。成田選手は前後ともソフトパターンX20、大塚選手は前輪にソフトパターンX20・リアにマディパターンX10でしたが、これらのパターンは最近までワークス選手たちがレースで使用していた開発用パターンを元に市販化されたもので、BATTLECROSSが『実際のレースから生み出された高性能の市販モトクロスタイヤ』であることを証明できたと思います。今年は残念ながらブリヂストンサポート選手のチャンピオン獲得はなりませんでしたが、今後も先を見据えた開発を継続し、強いチームや選手に選んでもらえるタイヤを開発して、またそれを次世代の市販タイヤに繋げていきたいです。

レース結果

コース:スポーツランドSUGO

[ヒート1]

決勝

  • 開催日:2017/10/22
  • 天候:Rain
  • 決勝出走:20
  • 完走:19
  • (0.8km x 15laps = 12km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 10 小方 誠 DL Kawasaki Team GREEN KX450FSR カワサキ 15 8 1:22.280 21:55.509
2 1 成田 亮 BS Bridgestone Team HRC CRF450RW ホンダ 15 10 1:24.060 22:13.053
3 400 山本 鯨 DL Team HRC CRF450RW ホンダ 15 5 1:24.640 22:25.157
4 99 平田 優 BS Bridgestone YAMAHA FACTORY RT YZ450FM ヤマハ 15 4 1:26.670 23:05.790
5 44 小島 庸平 BS Bridgestone Team SUZUKI RM-Z450WS スズキ 15 5 1:26.458 23:09.427
6 166 星野 優位 BS Bridgestone KTMうず潮レーシング福山 450SX-F KTM 15 6 1:28.813 23:13.709
7 331 新井 宏彰 BS Bridgestone Kawasaki Team GREEN KX450FSR カワサキ 15 8 1:24.481 23:22.465
8 8 星野 裕 DL グリーンクラブ八尾カワサキ&ANNEX CLUB KX450F カワサキ 15 3 1:28.863 23:25.197
9 45 大塚 豪太 BS Bridgestone T.E.SPORT SHOWA CRF450R ホンダ 14 4 1:30.735 23:01.185
10 113 田中 雅己 DL TEAM ナカキホンダ CRF450R ホンダ 14 8 1:30.649 23:19.194
11 19 長門 健一 DL Team Sakurai with Waki Racing CRF450 ホンダ 13 3 1:37.585 22:16.439
12 89 阿部 公亮 BS Bridgestone TEAM エム FACTORY YZF ヤマハ 13 4 1:35.499 22:46.875
13 20 白石 翔也 DL Y'S Racing YZ450F ヤマハ 13 9 1:37.030 22:53.787
14 09 小野 千成 BS Bridgestone T.E.SPORT KYB CRF ホンダ 13 4 1:36.917 23:11.348
15 7 深谷 広一 BS Bridgestone Team SUZUKI RM-Z450WS スズキ 13 10 1:28.934 23:17.155
16 04 大石 一斗 DL グリーンクラブ REAL RIDE with ピュアテック KX450F カワサキ 12 9 1:38.227 22:42.691
17 793 池谷 優太 DL SRF TEAM REDZONE RM-Z450 スズキ 12 9 1:37.373 23:20.757
18 72 村上 洸太 DL Honda緑陽会熊本レーシング CRF450R ホンダ 12 9 1:40.170 23:38.289
19 21 中村 泰介 DL RT MIKURA with ALL-ONE YZ450FX ヤマハ 11 2 1:55.985 23:53.062
- 327 L.ジュエミン BS Bridgestone KOREA YAMAHA=MF YZ ヤマハ 9 2 1:50.402 DNF

レース結果

コース:スポーツランドSUGO

[ヒート2]

決勝

  • 開催日:2017/10/22
  • 天候:Rain
  • 決勝出走:19
  • 完走:18
  • (0.8km x 15laps = 12km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 166 星野 優位 BS Bridgestone KTMうず潮レーシング福山 450SX-F KTM 15 15 1:25.766 23:04.850
2 1 成田 亮 BS Bridgestone Team HRC CRF450RW ホンダ 15 15 1:26.672 23:09.892
3 45 大塚 豪太 BS Bridgestone T.E.SPORT SHOWA CRF450R ホンダ 15 15 1:28.328 23:15.293
4 10 小方 誠 DL Kawasaki Team GREEN KX450FSR カワサキ 15 15 1:26.787 23:17.755
5 400 山本 鯨 DL Team HRC CRF450RW ホンダ 15 3 1:29.876 23:42.488
6 8 星野 裕 DL グリーンクラブ八尾カワサキ&ANNEX CLUB KX450F カワサキ 15 7 1:31.240 23:56.032
7 331 新井 宏彰 BS Bridgestone Kawasaki Team GREEN KX450FSR カワサキ 15 7 1:31.047 24:00.445
8 113 田中 雅己 DL TEAM ナカキホンダ CRF450R ホンダ 15 3 1:32.813 24:52.950
9 7 深谷 広一 BS Bridgestone Team SUZUKI RM-Z450WS スズキ 14 6 1:34.355 23:50.431
10 19 長門 健一 DL Team Sakurai with Waki Racing CRF450 ホンダ 14 10 1:37.772 24:18.801
11 44 小島 庸平 BS Bridgestone Team SUZUKI RM-Z450WS スズキ 14 6 1:34.547 24:26.096
12 99 平田 優 BS Bridgestone YAMAHA FACTORY RT YZ450FM ヤマハ 14 5 1:33.203 24:30.428
13 09 小野 千成 BS Bridgestone T.E.SPORT KYB CRF ホンダ 13 10 1:38.724 23:40.239
14 793 池谷 優太 DL SRF TEAM REDZONE RM-Z450 スズキ 13 13 1:41.871 24:06.578
15 20 白石 翔也 DL Y'S Racing YZ450F ヤマハ 12 3 1:46.275 23:54.031
16 89 阿部 公亮 BS Bridgestone TEAM エム FACTORY YZF ヤマハ 12 2 1:41.112 23:59.007
17 04 大石 一斗 DL グリーンクラブ REAL RIDE with ピュアテック KX450F カワサキ 12 8 1:43.903 25:57.369
- 21 中村 泰介 DL RT MIKURA with ALL-ONE YZ450FX ヤマハ 10 4 2:06.145 DNF