【全日本モトクロス選手権IA2クラス第9戦】鳥谷部晃太が両ヒートで5位!!

　2017年MFJ全日本モトクロス選手権シリーズ第9戦(最終戦)MFJ-GPは、宮城県のスポーツランドSUGOインターナショナルモトクロスコースで開催された。SUGOでの開催は、6月第4戦・8月第7戦に続き今季3度目。国際格式のMFJ-GPとして行われる大会には、海外からの招待選手も複数参戦。また今年は各クラスのタイトル争いが最終戦までもつれ込んだために、大きな注目を集める大会となった。山の斜面を行き来するアップダウン、尾根を跨ぐビッグジャンプ、逆バンクやコンビネーションジャンプなどハイスピードエリアとテクニカルなセクションを併せ持つこのコースは、粘土質の路面も大きな特徴。通常は固く締まる路面を掘り返して大会を行うが、長く続いた悪天候に加え季節外れの大型台風の影響で、大会期間中は断続的に雨が降り続き、コースは土曜日がヘビーマディ、日曜日はよりウェットな泥沼のようなコンディションとなってしまった。そのためタイムスケジュールが大幅に変更。予選・決勝時間を短縮した他に、スタック回避のために全体の約3分の2をショートカットするなどの対策が取られた。
　ブリヂストンの市販モトクロスタイヤBATTLECROSSを装着するライダー達のタイヤ選択は、フロントには全車ソフトパターンX20となったが、リアはソフトパターンX20とマディパターンX10を選ぶ選手に分かれた。

■IA2ヒート1
　ホールショットを奪ったのは古賀太基(ﾎﾝﾀﾞ-DL)。招待選手のJ.マーティン(ﾎﾝﾀﾞ-DL)、安原志(ｶﾜｻｷ-DL)らがこれに続き、ブリヂストン勢では鳥谷部晃太(ﾔﾏﾊ)が7番手で1周目をクリアする。この後鳥谷部は、2周目に池本凌汰(ｽｽﾞｷ-DL)を、さらに4周目に内田篤基(ｽｽﾞｷ-DL)をパスし5番手に順位を上げると、中盤は確実に周回を重ねてこのポジションをキープする。レース終盤、3番手を走行していた古賀太基(ﾎﾝﾀﾞ-DL)が下りでスリップダウン。古賀が再スタートに戸惑う間に前に出た鳥谷部は、終盤前を走る安原に接近するが、逆に横澤拓夢(ﾎﾝﾀﾞ-DL)の先行を許し、5位でチェッカーを受けた。

■IA2ヒート2
　ホールショットを奪ったのは横澤。1周目はマーティン・内田・横澤・古賀の順でコントロールラインを通過。スタートはまずまずのポジションでクリアしたものの、直後の攻防でやや順位を下げた鳥谷部は、10番手でオープニングラップを終え、ここから追い上げを開始。2周目に菅谷崚介(ｶﾜｻｷ-DL)をパスした鳥谷部は、続く3周目さらにひとつ順位を上げ、混戦の中で8位争いを展開。後半、この攻防をくぐり抜けて更に上位を目指した鳥谷部は、ラスト2周にH.ナイト(KTM-DL)をパスして7番手に浮上すると、ラストラップには一気に2台を抜き去って5番手に浮上。両ヒートを5位でまとめた鳥谷部は総合も5位。前戦終了時点14位の年間ランキングを11位まで上げて、シーズンを締めくくった。

◆鳥谷部晃太-TEAMエムFACTORY
　全体的には完全なマディパターンのコンディションでしたね。予選・決勝はレース時間が短縮されたこともあって、タイヤの持ちを気にする必要もなかったです。ブリヂストンのBATTLECROSSマディパターンX10だと直線で横滑りすることなく前に出てくれるので、コーナーはバンクを使って確実にターンし、そこからしっかりスピードを乗せるという走り方ができます。この走り方で、両ヒートともレース中に順位を上げることができました。