• 開催場所:オートポリス
  • 開催日:2017年06月24日(土) 〜 2017年06月25日(日)
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 全日本第5戦の舞台は熊本地震の影響で2年ぶりの開催となったオートポリス。予選日は天候には恵まれず、次々にスケジュールがキャンセルされていく。その中で、JSB1000クラスの予選は大雨ながらも35分間のタイムアタックセッションを敢行。結局予選日には、唯一JSB1000クラスのみ予選が行なわれることとなった。
 雨量が少なかったセッション開始直後に積極的にアタックしたのは浦本修充(DL)で、全日本最高峰クラス初ポールポジションを獲得。予選2番手にはスポット参戦の地元ライダー荒瀬貴(PI)、3番手に加賀山就臣(DL)というフロントロウ。高橋巧(ブリヂストン)・酒井大作(ブリヂストン)・濱原颯道(ブリヂストン)が2列目を獲得し、いつもとはがらりと変わった上位グリッドとなった。
 また、世界耐久参選手権(EWC)のために欠場した野左根航汰(ブリヂストン)の代役として、鈴鹿8耐優勝経験もあるWSBKライダーのマイケル・ファン・デル・マーク(ブリヂストン)が登場。しかし初めてのコース、大荒れの天候で実力を発揮することなく20番手に終わった。

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 明けた決勝日、午前中は天候が回復したものの、午後には再び天候が悪化。決勝スタート直前の降雨でJSB1000クラスはスタートディレイ。路面はウェットにはならず全車ドライタイヤ装着で仕切り直しでスタートとなったものの、トップ集団が5周目に入ったところで、今度は濃霧による視界不良のため赤旗中断。3周目終了時点での順位でグリッドに並び直して12周の周回数で2回目のスタートとなった。再スタートでオープニングラップでトップに浮上したのはファン・デル・マーク。中須賀・高橋巧と3台でトップ集団を形成する。
 3周目にトップに浮上した中須賀が2台を引き離しにかかる。それを見た高橋巧がすぐにファン・デル・マークをとらえて2番手に浮上すると、猛然と中須賀を追いかけ始め、中須賀と高橋巧の息を飲むテールtoノーズのバトルが開始される。ファン・デル・マークは徐々に先行2台に離されて単独3番手走行に。
 8周目。高橋巧がいきなりスローダウン。マシンをピットへと向けると、マシントラブルでそのままリタイア。これでヤマハファクトリーチームがワンツー走行になるが、11周目にファン・デル・マークがコースオフして戦線離脱。
 一方の中須賀は最後までトップを快走し、今季初優勝を飾った。2位には後方から追い上げた津田拓也(ブリヂストン)。ラストラップは3番手を走行していた濱原颯道(ブリヂストン)は第2ヘアピンでオーバーランを喫して渡辺一馬(ブリヂストン)が3位表彰台を獲得。最後まで大波乱のレースだった。

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●中須賀克行(予選13位、決勝1位)
「今日は難しい天候になりました。それでもブリヂストンのドライタイヤは十分に機能してくれました。路面温度が低くても最後まで高いアベレージを刻むことができました。だいぶ17インチタイヤに慣れてきましたが、まだまだこれからタイヤのいいところをもっと引き出していきたいです」


●松永真利(株式会社ブリヂストンMCタイヤ開発部)
「ディレイになった最初のスタートで、上位勢でウェットタイヤを履いていたのは濱原選手とファン・デル・マーク選手。ファン・デル・マーク選手は、本人の判断でウェットタイヤ選択だったと聞いています。でもディレイ後のスタートでは、結局全車ドライタイヤ選択になってしまいましたね。ヤマハファクトリーの2人は前後ともミディアムハード、ハルク・プロ高橋選手は前後ハード、カワサキやヨシムラなどの他上位チームは前後ミディアムという選択でした。コンディションを考慮すると、ヤマハとハルク・プロが強気のコンパウンド選択だったと思います。高橋選手は残念な結果になりましたが、中須賀選手の今季初優勝にお祝い申し上げます。中須賀選手は本当にうれしそうにしていました。終盤の若手の3位争いはとても激しく見応えがありました」

レース結果

コース:オートポリス

[JSB1000]

決勝

  • 開催日:2017/06/25
  • 天候:Cloudy
  • 路面:Dry
  • 路面温度:24℃
  • 決勝出走:33
  • 完走:30
  • (4.674km x 15laps = 70.11km)
順位 No ドライバー タイヤ チーム マシン シャシー エンジン 周回数 Delay(Lap) ベストタイム ベストラップ タイム
1 1 中須賀 克行 BS Bridgestone YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 ヤマハ 15 1:49.470 27:58.887
2 12 津田 拓也 BS Bridgestone ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R スズキ 15 1:50.071 28:15.006
3 23 渡辺 一馬 BS Bridgestone Kawasaki Team GREEN ZX-10RR カワサキ 15 1:50.823 28:15.300
4 46 松崎 克哉 BS Bridgestone Kawasaki Team GREEN ZX-10RR カワサキ 15 1:50.648 28:28.918
5 71 加賀山 就臣 DL Team KAGAYAMA GSX-R1000 スズキ 15 1:51.528 28:16.483
6 94 浦本 修充 DL Team KAGAYAMA GSX-R1000 スズキ 15 1:51.173 28:30.035
7 9 藤田 拓哉 BS Bridgestone YAMALUBE RACING TEAM YZF-R1 ヤマハ 15 1:50.672 28:26.877
8 72 高橋 裕紀 PI KYB MORIWAKI MOTUL RACING CBR1000RR ホンダ 15 1:51.788 28:27.185
9 88 清成 龍一 PI KYB MORIWAKI MOTUL RACING CBR1000RR ホンダ 15 1:51.236 28:36.307
10 85 中冨 伸一 DL HiTMAN RC 甲子園ヤマハ YZF-R1 ヤマハ 15 1:51.675 28:32.398
11 18 近藤 湧也 BS Bridgestone JOYNETレーシングGBS YAMAHA YZF-R1 ヤマハ 15 1:51.565 28:33.147
12 50 濱原 颯道 BS Bridgestone ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000R スズキ 15 1:50.430 28:38.085
13 080 渥美 心 DL UQ & テルル・Kohara RT CBR1000RR ホンダ 15 1:52.359 28:55.276
14 60 M.V.D.マーク YAMAHA FACTORY RACING TEAM #5 YZF-R1 ヤマハ 15 1:50.204 28:42.904
15 47 上和田 拓海 DL ウェビックチームノリックヤマハ YZF-R1 ヤマハ 15 1:53.249 28:54.562
16 39 酒井 大作 BS Bridgestone Team Motorrad39 S1000RR BMW 15 1:52.347 28:49.992
17 34 岡村 光矩 DL KRP三陽工業&RS-ITOH ZX-10RR カワサキ 15 1:54.275 29:08.612
18 62 津田 一磨 BS Bridgestone Titanium Power HOOTERS Racing YZF-R1 ヤマハ 15 1:54.127 29:13.294
19 13 中津原 尚宏 BS Bridgestone オートテクニックスポーツPGR CBR1000RR ホンダ 15 1:54.251 29:12.635
20 57 森本 誠一朗 DL Team38 PS-K ZX-10R カワサキ 15 1:54.358 29:12.869