【全日本ロードレース選手権J-GP2クラス第１戦】4台でのバトルを制した作本輝介。チーム髙武が表彰台2席を獲得

昨年チャンピオンを獲得した水野涼、ランキング3位の生形秀之がJSB1000クラスにステップアップ。替わってST600クラスから名越哲平（ブリヂストン）がコンバートするなど、顔ぶれを変えたJ-GP2クラス。
　予選はウエットコンディションでスタート。雨量は時間ごとに減少し、周回ごとに状況が改善される。終始、リーダーボードのトップに立っていたのはルーキーの名越。最終アタックで関口太郎（ブリヂストン）、岩戸亮介（ブリヂストン）が次々に自身のタイムを更新。しかし名越はトップの座をキープ。そのまま全日本初ポールポジション獲得となった。岩戸が2番手、関口が3番手グリッドとなり、ブリヂストンユーザーがフロントロウ独占となった。
　名越は「ウイークをとおして初めてのウエットコンディション。でもチャンピオンチームに所属しているし、水野涼選手にもアドバイスをもらった。恵まれた環境の中で落ち着いて走ることができ、その結果ポールポジションを取ることができた。もともとウエットコンディションが苦手だったけれど、昨年のアジア選手権参戦で勉強した。まだウエットは得意とは言えないけれど、まともに走れるようになった。明日は優勝で終わりたい」とコメントした。

決勝日は朝から日差しに恵まれていたものの、午前中には突然雨雲が出現して雨粒が落ちてくるハプニングもあった。しかしJ-GP2クラスの決勝が始まるころには天候も完全に回復。ドライコンディションで決勝レースが始まった。
　好スタートを切ったのは岩戸。背後に関口がつけるが、ペースが上がらずに尾野弘樹（DL）とクボ・ケミン（DL）にかわされてしまう。岩戸、尾野、クボの3台でトップ集団を形成。関口は作本輝介（ブリヂストン）を引き連れてペースアップ。6周目には首位グループに追いつき、5台でのトップ争いに持ち込む。
　9周目に尾野が転倒。さらに岩戸がミスしてクボがトップ浮上。岩戸に替わってチームメイトの作本がトップ奪回と激しい展開となる。
　作本は最後までレースをリードし、力強い走りを披露して優勝。岩戸、クボ、関口は最後まで激しく争い、クボが2位、岩戸が3位表彰台を獲得。関口は惜しくも4位でゴールした。
　また、ポールシッターの名越はサイティングラップで転倒。すぐにマシンを起こしてグリッドにつき、スタートしたものの5周目にマシンが止まってしまい、リタイアとなってしまった。

●作本輝介（予選13位・決勝1位）
「木曜日からずっとブレーキングで苦戦しました。グリッドが悪かったので、早い段階で前に行こうと思ったのだけれど、なかなか離せませんでした。タイヤは柔らかい方を選んだので、最後は厳しい戦いになるのではないかと思ったのに、問題なく最後まで持ってくれたおかげで優勝できました」
●山田宏（株式会社ブリヂストン　モーターサイクルレーシングマネージャー）
「気温13度、路面温度30度というコンディションのもとでレースが行なわれました。このクラスも4人による激しいトップ争いが最後まで続き、ブリヂストンユーザーの作本選手が昨年の最終戦に続き連勝を飾りました。3位には同じチームの岩戸選手がJ-GP2初表彰台を獲得し、Team　高武　RSCはダブル表彰台となりました。ブリヂストンユーザーの関口選手、徳留選手も4位と5位に入る活躍をみせてくれました。フロントタイヤは4人全員がソフト、リアは岩戸選手がミディアムハード、ほか3人はミディアムという選択でした」