【全日本ロードレース選手権第7戦J-GP3クラス】予選7番手スタートの長谷川聖　見事な追い上げで全日本初表彰台を獲得

全日本RR第７戦九州はオートポリスで開催された。J-GP3クラスにとっては約2カ月のインターバルを経てのシーズン後半戦スタート。
　台風接近のニュースが流れる中で金曜日、土曜日は悪天候に見舞われた。雨、霧、雷がサーキットを襲い、予定が次々にキャンセルされる。予選も行なえなかったJ-GP3クラスは、決勝日の朝に25分間のタイムアタックに変更された。
　日曜日には天候が回復。きれいな青空が広がったものの、予選開始時には路面は濡れたまま。日差しは強いが全面が濡れていたため、数人を除いてほぼ全員がウェットタイヤでコースインした。各車、1周ごとに大幅にタイムを詰めていくが、スリックタイヤで走る状況にはなかなかならなかった。
　セッション中盤には2分6秒台での攻防が開始。この中に中山愛理（ブリヂストン）、菅原陸（ブリヂストン）と若手ブリヂストンユーザーも含まれていた。
　セッション残り5分になると2分5秒台の争いに突入。チェッカーと同時に5人が2分5秒台で接戦を展開。中山と菅原に替わって福嶋佑斗（TEAM PLUSONE）が2分5秒台の戦いに参戦。5番手グリッドを獲得した。数少ないスリックタイヤでコースインした長谷川（ブリヂストン）は、最後まで我慢の走行で、チェッカーを受けた最終ラップに7番手のタイムを出した。

予選セッション終了から2時間ほどで決勝がスタートした。路面はほぼドライ。小室旭（DL）、古市右京（DL）、中島元気（DL）、山本恭裕（DL）がトップ集団を形成。
　そんな中で「予選セッションはすぐに路面が乾くと思ったので最初からドライタイヤでコースインした。でもなかなか乾かず、グリッドが後ろになってしまった」と7番手グリッドからスタートした長谷川聖（ブリヂストン）が、6台でのセカンド集団で周回を開始。3周目には集団トップに躍り出る。
　レース中盤。長谷川はセカンド集団を抜け出して、トップグループに加わった。トップ争いは小室、中島、古市が接近戦に発展。その間に長谷川は着実にポジションを上げ、11周目には4番手に浮上。
　ラスト2周は小室と中島の一騎打ちになる。長谷川は二人のベテランと表彰台争いを開始。「タイヤ温存を考えてペース配分していた」という長谷川は、最終ラップでベテラン二人の前に出て、全日本初表彰台を獲得した。

●長谷川聖（予選7位／決勝3位）
「今日は比較的路面温度が高かったので、最後はタイヤが垂れるだろうと思っていました。でも、思った以上に持ってくれたので、最後に古市選手を抜くことができました。さらにストレートでも抜き返されずにすみました。今日の初表彰式はブリヂストンタイヤのおかげです」

●山田宏（株式会社ブリヂストン　モーターサイクルレーシングマネージャー）
「昨日の予選が中止となり、日曜日の朝に予選が行なわれました。路面がウエットコンディションだったこともあり、チームにとってもライダーにとっても難しい予選と決勝になったと思います。決勝は5台による激しいバトルが最後まで続き、すばらしいレースが展開されました。その結果、ブリヂストンユーザーの長谷川選手が3位表彰台を獲得。若手の活躍をうれしく思います。長谷川選手とチームの皆様にお祝い申し上げます」