【全日本ロードレース第9戦 JSB1000クラス レース１】10周の超スプリントレインレース！高橋巧が今季初優勝！

中須賀克行（ブリヂストン）が43ポイントもの大量リードを持って全日本ロードレース最終戦に突入した。
　木曜日、金曜日と好天に恵まれて各車ドライコンディションで十分に練習を重ねる。土曜日は40分間の計時予選。ベストラップタイムでレース1のグリッドが、セカンドラップタイムでレース2のグリッドが決定される。
　セッション開始早々に2分4秒945と真っ先に2分4秒台にタイムを入れたのは高橋巧（ブリヂストン）。すぐに中須賀が2分4秒571と自身が持つ従来のコースレコードを破り、新レコードを樹立する。 セッション中盤にはコースにネコが侵入して赤旗が出されるという珍事件も発生。
　残り10分を切ったところで再び中須賀と高橋巧の攻防が開始。高橋巧はところどころで区間最速タイムをたたき出しながら攻めるが、なかなか自身のタイムを更新することができない。一方の中須賀も自身のタイム更新はないものの2分4秒台を連発。
　結局、中須賀も高橋巧もその後自身のタイム更新ならず。そのまま中須賀が2レース共にポールポジション獲得。高橋巧が2レース共に2番手、野左根航汰（ブリヂストン）も2レース共に3番手グリッドとなった。

　決勝日は一転して朝から雨に見舞われた。水しぶきを上げながら10周のレース1がスタート。好スタートを切ったのは高橋巧。逆に後方に沈んでしまったのはポールシッターの中須賀。高橋巧はオープニングラップから後方を引き離し、中須賀は一時5番手まで落としたポジションを着実に挽回し、オープニングラップを終えるころには野左根と2位争いを開始する。
3周目には2番手浮上した中須賀だが、高橋巧はすでに3秒もの大差を築いていた。
　中須賀は野左根を引き離して単独2番手走行を開始。
　高橋巧は最後まで力強い走りを披露して今季初優勝。中須賀は2位でチェッカーを受け、レース2を残して通算8回目のタイトルを決めた。

●高橋巧（予選2位、決勝1位）
「レース1は10周、レース2はウエットなら18周と周回数は異なりますが、2レース共に同じタイヤを装着予定です。その意味ではレース2の確認もできてよかったです。レース1の10周でのこのタイヤは、まだ余力があったので安心して走ることができました。レース2に対しても安心して臨むことができます」

●山田宏（株式会社ブリヂストン　モーターサイクルレーシングマネージャー）
「予選では中須賀選手が、自身の持つコースレコードを更新しポールポジションを獲得しました。決勝はウエットコンディションとなり全員がウエットタイヤを選択。ブリヂストン上位でフロントにハードを選択したのは高橋選手のみで、ほかはミディアム。リアは高橋選手、渡辺一馬選手、渡辺一樹選手がハード、それ以外のライダーはミディアムを選択しました。
レースウイーク初の雨となり、各ライダーにとっては難しい状況になりましたが、その中で高橋選手が速さを見せて今季初優勝。中須賀選手が2位で2年ぶり8度目のタイトルを決めました。両チームの皆様にお祝い申し上げます」