【全日本ロードレース第9戦 J-GP3クラス】ブリヂストン若手ユーザーが表彰台の2席を占める！

　全日本ロードレース選手権最終戦は特別走行、合同走行と通常よりも一日早く始まった。好天に恵まれた練習走行では、初日から長谷川聖（ブリヂストン）、菅原陸（ブリヂストン）とブリヂストン若手ユーザーが好タイムをマークする。
　秋晴れの下で行なわれた予選。長谷川、菅原、小室旭（DL）、宇井陽一（DL）、中島元気（DL）の5人がポールポジション争いを展開。
　セッション中盤には長谷川と中島が2分18秒台前半での攻防を開始。セッション終盤には宇井も2分18秒台後半にタイムを入れる。さらに菅原も2分19秒フラットをマーク。しかし2分18秒台前半のタイムは長谷川と中島の二人のみ。この若手同士のアタック合戦を長谷川が制した。
　長谷川は「たくさん練習をして、セッティングもさらに詰めていく想定でウイークを迎えた。始まってみると周囲が速くて不安もあったが、単独でベストタイムを出すことができた。昨年の全日本筑波でポールポジションを取ったときに逃げようとしたら1周目で転倒してしまったので、同じミスをしないように気をつけたい」と決勝に向けて気を引き締めた。

　決勝日は一転して朝から雨に見舞われた。決勝はウエット宣言が出され、周回数も12周から10周に減算された。雨が降りしきる中でグリッドに整列。ウオームアップ走行直前に太田虎之進（ブリヂストン）のマシンがストップ。太田はすぐにピットに向かい、すぐにエンジンがかかるものの、ピットスタートとなってしまう。
　決勝好スタートを切ったのはポールシッター長谷川。2コーナーでトップに浮上したのは菅原。菅原はそのままオープニングラップを制し、後続を引き離しにかかる。セカンド集団は鈴木大空翔（DL）、長谷川、小室、藤井謙汰（ブリヂストン）、中島と5台。
　3周目に小室が2番手浮上。長谷川も3番手まで順位を挽回し、小室と長谷川は菅原との差を詰めて3台での熾烈なトップ争いが開始される。
　5周目。菅原が転倒。これで小室がトップ浮上して長谷川と一騎打ちになり、同時に3番手に浮上した藤井が2台を追う展開となる。
　最終ラップの最終シケインで長谷川と小室が接触、コースアウト。2台共にすぐにコース復帰するも、その間に藤井が追いつく。それでも小室は0.1秒差のトップでゴールラインを通過。藤井は2位、最後までトップ争いを演じた長谷川は3位に甘んじた。
最終ランキングは4位長谷川、5位藤井、6位福嶋、7位菅原とブリヂストン勢の若手が活躍した1年となった。

●藤井謙汰（予選14位、決勝2位）
「これまでずっとブリヂストンタイヤを装着してGP125、J-GP3と戦ってきて、とても馴染みのあるタイヤブランドです。それだけに、いいところも悪いところも把握しています。タイヤを理解して、それを元に車体を造り、最後まで粘り強いレースができたことで2位表彰台を獲得できたと思っています」

●山田宏（株式会社ブリヂストン　モーターサイクルレーシングマネージャー）
「予選ではブリヂストンユーザーの長谷川選手がポールポジション。菅原選手と福嶋選手が4位、5位といい結果で決勝を迎えました。決勝は雨になり、ブリヂストンユーザーは全員がウエットのW01を使用し、大活躍をしてくれ最後まで手に汗を握るレースとなりました。トップ走行中の菅原選手の転倒は残念でしたが、藤井選手、長谷川選手、福嶋選手が2位、3位、4位と好結果を残してくれて、うれしく思います」