4台での見ごたえあるトップ争いをベテラン小山知良が制する！

全日本ロードレース第6戦岡山大会は、第3戦以来となる全4クラス同時開催。ST600クラスにとっては、約2カ月のインターバルを経てシーズン後半戦スタートとなった。
今大会は、このクラスがブリヂストンワンメイクレースとして生まれ変わって以来、最多となる50台がエントリー。金曜日のART合同走行、土曜日の予選は、それぞれ2組に分かれての走行。金曜日は午前中がウエットコンディション、午後はドライコンディション。決勝日の天候が読めないこともあり、各車精力的に走り込みを行なった。

好天に恵まれた予選は午前と午後の2回に分かれて20分ずつの予選形式。午前中の予選A組では岡本がコースレコードに迫る1分32秒581をマークして暫定ポールポジション。B組では國峰啄磨が1分32秒台に突入。1分32秒816で岡本に届かずも暫定2番手。1分32秒台にタイムを入れたのはA組とB組でそれぞれ一人ずつたった。
午後は雨との予報が外れて快晴のまま行なわれた午後の予選2回目開始。タイヤ制限もあり、自身の1回目のタイムを更新するものはほとんど現れず、岡本のポールポジションが確定。2番手の國峰に次いで小山知良が3番手につけ、日本郵便 HondaDream TPがフロントロウの2席を獲得した。
岡本は「岡山国際サーキットは苦手意識があったのだけれど、事前テストから流れがよかった」とコメント。今季はイタリア選手権とダブルエントリーしているため「久しぶりに日本でST600マシンに乗ったのだけれど、調子は悪くない。でもねらっていたコースレコードがわずかに足りなくて更新できなかったのは悔しい」と述べ、「決勝ではコースレコードをねらって独走で勝ちたい」と語った。

日曜日は一転して雨。ST600決勝がスタートする直前に雨はほとんど上がったものの、コース上はフルウエット状態。ウエット宣言が出されてレースがスタートする。
オープニングラップを制したのは2列目4番手グリッドからスタートした長尾健吾。國峰、小山、奥田教介と続く。
2周目には長尾と國峰のトップ争い、小山と奥田の表彰台争いの二手に分かれる。
6周目。國峰が長尾を捕らえてトップ浮上。
10周目に小山が奥田をかわして3番手浮上。小山は12周目に長尾をも捕らえて2番手に上がり、日本郵便 HondaDream TPがワンツー走行を開始する。
15周目に突入したストレートで小山がトップ浮上。國峰は最後まで追いすがったものの小山はすきを見せることなく、そのまま今季2勝目をマーク。ランキングトップに浮上した。

●小山知良（予選3番手／決勝1位）
「けっこう濡れている状態から始まって、水しぶきが上がらない状態に変わりました。金曜日の午前中の合同走行が同じようなコンディションだったので、同じセッティングで勝負しました。レース序盤はリアタイヤのグリップを得ることができずに苦しかったのですが、自分の強いところもあったので考えながら走行しました。フロントタイヤのグリップを引き出す走り方を探り、自信を得たラスト5周くらいでスパートをかけました」

●東雅雄（株式会社ブリヂストン　モーターサイクルレーシングマネージャー）
「スタート時に雨はやんでいましたが、路面の水量が少なくなって、グリップの変化があったと思います。そういう難しいコンディションの中で、我々が供給したタイヤが非常に安定した性能を発揮しれくれました。4台でのトップ争いはST600クラスらしい駆け引きのあるレース展開になりました。ベテランの域に達した小山知良選手が非常にクレバーな走りで若い二人を抑え、力強さを見せました。残り2戦もすべてのライダーに安定した性能のタイヤを供給し、内容の濃いレース展開を支えていきたいです」