- 開催場所:鈴鹿サーキット
- 開催日:2020年10月31日(土) 〜 2020年11月01日(日)
ブリヂストンがオフィシャルタイヤに選ばれたことで、新たな歴史を刻み始めた全日本ロードレースST600クラス。今季は新生ST600クラスの6年目。年々、エントリー台数も増え、全日本で最も激戦のクラスに成長した。
今季は最終戦を前にしてチャンピオンの可能性を残しているのは6人。激戦ぶりを物語るかのようだ。ランキングリーダーは岡本裕生。以下、ディフェンディングチャンピオンの小山知良、南本宗一郎、荒川晃大、長尾健吾、阿部恵斗と続く。
30分間のタイムアタック形式で争われた予選グリッド。ポールポジションを獲得したのはランキング4位の荒川。荒川がマークしたポールポジションタイムから1秒以内に7人がひしめき、激戦を予感させる予選になった。ランキングリーダー岡本は予選2番手。佐野優人が3番手フロントロウ。2列目には南本、長尾健吾、小山が並ぶ。
荒川は予選後に「目標タイムはあとコンマ1が届かず、本当は2分10秒台に入れたかったです。実力が足りず、入れることができなくて悔しい」とコメント。決勝に向けては「1周目をトップで戻ってきて、そのまま後続を引き離してゴールしたい」と気持ちを引き締めていた。
柔らかな陽射しが注いだ決勝日。好スタートを決めたのは岡本。南本、長尾健吾、荒川と続く。12番手グリッドから好スタートを決めた埜口遥希はオープニングラップで4番手までポジションアップ。岡本、南本、長尾、荒川、埜口の5台でトップ集団が形成される。何度も前に出る南本。そのたびに首位を奪回する岡本。
3周目に荒川にライドスルーペナルティが出される。同じタイミングで長尾健吾が大幅ペースダウン。トップ集団に動きがあったところで、後方で転倒車がコースに残り赤旗中断に。3周目の通過順位でグリッドに並び直す。ライドスルーペナルティを消化していない荒川は、ペナルティの替わりに最後尾スタートとなる。
7周の周回数で2回目のスタート。再び岡本が好スタート。南本、埜口と続く。オープニングラップから岡本と南本が激しく順位を入れ替えながらトップ争いを展開。この2台に埜口、伊達悠太、小山を加えた5台がトップグループを形成。オープニングラップを制した南本が後方の2位争いに乗じてトップ独走状態に移行。
2周目。マシンから白煙を上げた埜口がストップ。2位争いは岡本、小山、伊達に國峰啄磨、佐野優人が加わり、5台での争いに。集団トップは岡本から國峰、佐野優人と次々に入れ替わる。6周目。國峰が転倒。さらに後続でも転倒が相次ぎ、またしても赤旗中断。5周終了時点でレース成立。南本が優勝。國峰が2位、佐野が3位。岡本は4位でチャンピオン獲得となった。
●南本宗一郎(予選4位/決勝1位)
「去年、ここ鈴鹿で優勝し、今年はチャンピオンを目指していました。でも2戦連続表彰台を逃した時点で厳しくなりました。こうなったら優勝でシーズンを締めくくるしかないと思っていました。朝のフリー走行で2分11秒のアベレージタイムを維持できたので、自信はありました。赤旗で微妙な終わり方になってしまったけれど、優勝は優勝なので素直によろこびたいです」
●東雅雄(株式会社ブリヂストン モーターサイクルレーシングマネージャー)
「まずは、今季チャンピオンに返り咲いた岡本選手とチームの皆様にお祝いを申し上げます。今日のレースは二度の赤旗で最終的に中途半端な終わり方になりました。ライダーも消化不良だったのではないでしょうか。南本選手は地元レースでST600クラスでは珍しい独走優勝。力強いレースを見せました。向こう3年間は、このクラスをしっかりと支えていきたいです」
決勝
- 開催日:2020/11/01
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:34
- 完走:28
- (5.821km x 8laps = 46.568km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 2 | 南本 宗一郎 | BS | AKENO SPEED・YAMAHA | YZF-R6 | ヤマハ | 8 | 2:11.809 | 11:01.626 | |||
2 | 104 | 國峰 琢磨 | BS | TOHO Racing | CBR600RR | ホンダ | 8 | 2:12.169 | 11:05.572 | |||
3 | 97 | 佐野 優人 | BS | TEAM VITAL SPIRIT | YZF-R6 | ヤマハ | 8 | 2:11.699 | 11:05.804 | |||
4 | 41 | 岡本 裕生 | BS | 51ガレージニトロレーシング | YZF-R6 | ヤマハ | 8 | 2:12.100 | 11:06.128 | |||
5 | 1 | 小山 知良 | BS | 日本郵便 Honda Dream TP | CBR600RR | ホンダ | 8 | 2:11.804 | 11:06.193 | |||
6 | 11 | 伊達 悠太 | BS | BATTLE FACTORY | CBR600RR | ホンダ | 8 | 2:12.920 | 11:06.595 | |||
7 | 50 | 長尾 健吾 | BS | NCXXRACING&善光会 TEAMけんけん | YZF-R6 | ヤマハ | 8 | 2:12.197 | 11:08.553 | |||
8 | 18 | 横山 尚太 | BS | ガレージL8 RACING TEAM・YAMAHA | YZF-R6 | ヤマハ | 8 | 2:13.517 | 11:12.549 | |||
9 | 33 | 中山 耀介 | BS | 伊藤レーシング & TEAM SHOTA | YZF-R6 | ヤマハ | 8 | 2:13.034 | 11:12.678 | |||
10 | 10 | 古山 颯太 | BS | OZT Racing with YSP名古屋西 | YZF-R6 | ヤマハ | 8 | 2:13.747 | 11:15.765 | |||
11 | 36 | 井手 翔太 | BS | AKENO SPEED・YAMAHA | YZF-R6 | ヤマハ | 8 | 2:12.820 | 11:16.416 | |||
12 | 45 | 芳賀 瑛大 | BS | ニトロレーシング | YZF-R6 | ヤマハ | 8 | 2:13.270 | 11:16.852 | |||
13 | 98 | 佐野 勝人 | BS | TEAM VITAL SPIRIT | YZF-R6 | ヤマハ | 8 | 2:12.444 | 11:18.822 | |||
14 | 46 | 芳賀 涼大 | BS | ニトロレーシング | YZF-R6 | ヤマハ | 8 | 2:15.213 | 11:21.168 | |||
15 | 75 | 綿貫 舞空 | BS | 伊藤レーシングBORG カスタム | YZF-R6 | ヤマハ | 8 | 2:14.414 | 11:21.368 | |||
16 | 49 | 松岡 玲 | BS | 伊藤レーシングBORG カスタム | YZF-R6 | ヤマハ | 8 | 2:15.593 | 11:21.900 | |||
17 | 17 | 田所 隼 | BS | Honda Suzuka Racing Team | CBR600RR | ホンダ | 8 | 2:15.705 | 11:27.960 | |||
18 | 90 | 齊藤 魁 | BS | テルル・MotoUP レーシング | CBR600RR | ホンダ | 8 | 2:15.792 | 11:28.292 | |||
19 | 53 | 家根谷 大晟 | BS | Team MF&KAWASAKI | ZX-6R | カワサキ | 8 | 2:16.252 | 11:28.811 | |||
20 | 340 | 松崎 克哉 | BS | KRP三陽工業&RS-ITOH | ZX-6R | カワサキ | 8 | 2:15.716 | 11:29.003 |