【2021年全日本ロードレース選手権 第2戦 鈴鹿 JSB1000 レース-1 】

全日本ロードレース第２戦はJSB1000クラスのみ開催の鈴鹿2&4。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でキャンセルされたために2年ぶりの2&4レース。さらに鈴鹿8耐トライアウトレースに指定されていたため、鈴鹿8耐参戦権利を賭けて67台という大量エントリーとなった。鈴鹿8耐を見据えてST600ライダーやST1000ライダーも多数見られ、鈴鹿8耐プレレースといった華やかな様相を呈した。残念なことに開幕戦から連続でスポット参戦を表明した渡辺一樹（ブリヂストン）が木曜日の特別走行で転倒、負傷し、決勝は欠場となった。

土曜日の午前中に行なわれた予選は、曇天のもとで二組に分かれて30分ずつのタイムアタック。A組では清成龍一（ブリヂストン）が真っ先に2分6秒台をマーク。2分6秒833でリーダーボードのトップに立つ。その直後には岩田悟（ブリヂストン）が2分6秒868と肉薄。清成はさらに2分6秒413と自身のタイムを詰めるという白熱したタイムアタック合戦が展開される。その二人を追って亀井雄大（ブリヂストン）、秋吉耕佑（ブリヂストン）、渥美心（DL）、名越哲平（ブリヂストン）が２分7秒台での攻防を繰り広げる。残り5分を切ろうかというセッション終盤には児玉勇太（ブリヂストン）も２分7秒台戦争に参戦。最後に亀井が2分6秒952をマークして2分6秒組に加入。そしてA組の予選はそのまま清成がトップタイムで終了。

B組ではセッション開始早々に中須賀が2分6秒114をたたき出す。そこに濱原颯道（ブリヂストン）が２分6秒510で続く。中須賀はタイムアタックを続行。翌3周目には2分5秒784をマークと早い展開。その後は硬直状態が続いたが、中須賀はチェッカーの直前に2分5秒222とタイムを更新。さらに加賀山就臣（ブリヂストン）がタイムを2分6秒台に入れる。これで唯一の2分5秒台をマークした中須賀が文句なしのポールポジション。2分6秒台は二組合わせて5人。2分6秒413と5人の中では唯一2分6秒前半のタイムをマークした清成が2番手、濱原が2分6秒510で3番手フロントロウ。岩田、加賀山、亀井の順でセカンドロウとなった。
中須賀は「昨日は新品タイヤを履かずに4輪走行後の路面コンディションを確かめながら走行したのですが、今日は新品タイヤでバイクもよく機能して、いいリズムで走ることができた。タイヤが少し消耗したときのマシンの動きが、まだ自分とリズムが合っていないので、そこを少し合わせていけるよう決勝に向けて調整していきたい」とコメントした。

予選と同じ日の午後に行なわれたレース１。好スタートを切ったのは2番手グリッドの清成。2列目グリッドの岩田がロケットスタートを決めて2番手につける。ポールシッターの中須賀は3番手でこの3台がすぐに後続を引き離しにかかる。2周目には中須賀が岩田と捉えて2番手浮上。さらにトップ集団には濱原が加わり、4台での争いに。トップ集団は清成、中須賀、濱原、岩田の順で3周目に突入。その直前に後方で多重クラッシュが発生。これでセーフティカー導入。
7周終了と同時にセーフティカー解除。ここで濱原がピットインしてしまう。替わりにセーフティカー導入前はセカンド集団のトップを走行していた加賀山就臣がトップ集団に加わる。10周目の1コーナーで中須賀がトップ浮上。清成を背後に従える。岩田は徐々に集団から脱落していく。11周目にはペースを上げて清成を引き離した中須賀がトップ独走体制に移行。清成は単独2位走行を開始。清成に引き離された加賀山は岩田に表彰台争いを挑まれる。周回ごとにペースを上げた中須賀は、3秒以上のアドバンテージを築いて独走優勝で開幕3連勝。清成は2位。3位争いは最終ラップの岩田の転倒であっけなく決着。加賀山が表彰台を得た。

●中須賀克行（予選1位／決勝1位）
「2年ぶりの2&4の開催。スーパーフォーミュラーのダウンフォースが効いて路面にこびりついた4輪レースのゴムとの相性が少し悪かったのですが、フリー走行を重ねていくうちに慣れてきて、スピンしても落ち着いてコントロールすることができました。どんな状況でもコントロール下にあるタイヤのおかげでしっかりといいタイムを刻むことができて優勝できました」