【2021年全日本ロードレース選手権 第3戦 SUGO JSB1000 レース-2 】　中須賀克行が難しいコンディションをも制して圧勝

全日本ロードレース選手権第3戦の舞台は宮城県のスポーツランドSUGO。事前テスト時は好天に恵まれたが、レースウイークは悪天候に見舞われてしまった。予選とレース1が予定されていた土曜日は朝から雨が降ったりやんだりの不安定な天候。予選は行なわれたものの、午後にはコースが霧に包まれレース1はキャンセル。レース1のグリッドが決まる予選のベストタイムで全日本初ポールポジションを獲得した津田一磨（ブリヂストン）。レース2のポールポジションを決定するセカンドベストタイムのトップは中須賀克行（ブリヂストン）。津田は残念ながら1番手グリッドからスタートすることはできなかった。
レース2は一夜明けた日曜日にスケジュールされていた。早朝のSUGOを包んでいた霧は、朝のウオームアップ走行開始までに消えていた。雲は相変わらず上空を覆い尽くし、路面に残った雨水はなかなか引かない。各車、ウエット宣言の中での15分間のウオームアップ走行で最後の調整をすることになった。

決勝日の朝はコース上に雨水が残り、上空は雲に覆われていた。昼頃には青空も見えるほどに天候が回復。ところがJSB1000クラスのレース2が始まるころには再び不穏な雲に覆われた。好スタートを切ってレースをリードしたのはポールシッターの中須賀。オープニングラップの3コーナーで津田が転倒。マシンがコース上に残ってしまったためにセーフティカー導入となった。　4周目にレース再開と同時に清成龍一（ブリヂストン）がトップ浮上。中須賀、亀井雄大（ブリヂストン）、濱原颯道（ブリヂストン）と続き、4台のトップグループが形成される。5周目に中須賀がトップ奪還。ペースを上げてトップ独走体制に移行。清成、亀井、濱原は2位争いを開始。10周目に亀井がオーバーランを喫して、清成、濱原の一騎打ちに。それを尻目に中須賀はどんどんと差を広げる。中須賀は15周終了時点で7秒近いアドバンテージを築いた。2位争いは亀井が挽回して再び清成、濱原と三つ巴に。14周目には清成のワンミスで濱原がグループトップに浮上。さらに亀井も清成をパスして表彰台圏内にカムバック。逆に清成はペースが上がらず、2位争いから脱落していく。　残り4周。中須賀は10秒近いアドバンテージを築いてトップを快走。2位争いは清成のペースが戻って再び3台に。残り2周。亀井が2位集団のトップに浮上。しかし亀井は最終ラップで転倒。中須賀は最後までペースを緩めることなく独走優勝。2位は亀井の転倒であっけなく濱原の手に。清成は「亀井選手には申し訳ないけれど、表彰台が取れたので感謝です」と漁夫の利で3位表彰台を得た。また、亀井はマシンを起こして再スタート。11位でチェッカーを受けた。

●中須賀克行（予選１位／決勝１位）
「路面温度は高かったのですが、湿気があったからか、思ったようにグリップ感が得られませんでした。それでもコントロール性は失われずに安定していました。テストよりもコンマ４秒からコンマ５秒遅かったのですが、それでも周りよりも速いペースを刻めていました。最後まで失われなかった安定したコントロール性能のおかげで、いいアベレージを刻めて勝つことができました。ブリヂストンタイヤに感謝しています」