- 開催場所:鈴鹿サーキット
- 開催日:2022年11月05日(土) 〜 2022年11月06日(日)
全日本ロードレース選手権最終戦は恒例の鈴鹿MFJ-GP。最高峰クラスは3レース開催という新たな試みがなされた。
タイトル争いはすでに前戦岡山大会で中須賀克行(ブリヂストン)が獲得している。最終戦の3レースは20周、12周、15周とレースごとに周回数が変化することで、各ライダーの作戦が見え隠れすることが期待される。
予選は40分間のタイムアタック形式。グリッドはレース1がセカンドラップタイム順、レース2がレース1のファステストラップ順、レース3がベストタイム順。
朝から晴れ渡り、絶好のレース日よりになった土曜の予選日。王者、中須賀が2周目に2分4秒805をマーク。圧倒的な速さを示す。中須賀はセッション後半にも自身のタイムを更新して2分4秒487をたたき出す。
ほかにだれも2分4秒台をマークするものはなく、そのまま最終戦の予選を制した。これで中須賀はレース1とレース3はポールポジションからスタートすることになった。
土曜日午前中の予選に続き、午後にはレース1が行なわれた。レース1は3レースのうちで一番長い20周という周回数。
朝から晴れ渡り、夏のような白い雲が青空にポカリと浮かんでいる。しかし吹き込んでくるのは冷たい強い風。そんな中で好スタートを切ってホールショットを奪ったのは濱原颯道(ブリヂストン)。3列目からロケットスタートを決めた岩田悟(ブリヂストン)と中須賀が並んで1コーナーに侵入。譲った中須賀は5番手に後退。
勢いをつけた岩田はオープニングラップでトップ浮上。逆に濱原は勢いを失って2周目移行は後退していく。替わって岩田を追撃したのは渡辺一樹(ブリヂストン)。渡辺は3周目に岩田を捕らえて首位奪取。一方の中須賀はオープニングラップで4番手、2周目に3番手と順位を回復。渡辺がトップに浮上した3周目には中須賀も2番手に上がり、渡辺の背後にピタリとつける。ここから渡辺と中須賀の緊迫した接近戦が始まる。
岩田はトップ2台に離され、追い上げてきた亀井雄大(ブリヂストン)、清成龍一(ブリヂストン)と表彰台争いを開始する。
レース中盤。「タイヤマネージメントを考えて、タイヤを温存して後半に仕掛ける作戦だった。サインボードにOKサインが出たが、抜けずに苦労した」という中須賀は、渡辺の背後で周回を重ねる。
表彰台争いは7周目に集団トップに浮上した清成がペースを上げて単独走行に移行。
13周目。ついに中須賀がトップ浮上。しかし渡辺が意地で抜き返す。中須賀は渡辺の背後での走行に戻る。
15周目。渡辺がラインを外したところで中須賀が前に出る。次の瞬間、中須賀が少しラインを外して渡辺が前に出る。渡辺のマシンが暴れ、またもや中須賀が前に出る。
「前に出てからは自分のアベレージを刻むことだけに集中した」という中須賀は、ファステストラップをマークして渡辺に1秒の差をつけて16周目に突入。残り4周は中須賀の独壇場。最後まで危なげない走りで今季11勝目をマーク。同時にレース2のポールポジションをも獲得した。
一方、中須賀に引き離された渡辺は単独2番手で周回を重ねていたものの、ラスト2周の最終シケインでコースアウト。すぐにコース復帰したものの、単独3番手で走行していた清成に迫られてしまう。しかし渡辺は清成を前に出すことなく2位でゴール。清成は3位に甘んじたものの、今季初、チーム移籍後初の表彰台獲得となった。
●中須賀克行(予選1位/決勝1位)
「久々に20周という長いレースだったので、もちろんタイヤマネージメントが必須の状況でした。前半は抑えましたが、その後もコンスタントにグリップが持ってくれたおかげで、後半にタイムを出すことができました。ブリヂストンと共に連勝記録を一つ伸ばすことができたので、引き続きしっかりとタイヤの力を使いながら連勝記録を伸ばせたらいいなと思います」
決勝
- 開催日:2022/11/05
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:23
- 完走:20
- (5.821km x 20laps = 116.42km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 1 | 中須賀 克行 | BS | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YZF-R1 | ヤマハ | 20 | 2:06.215 | 42:22.131 | |||
2 | 15 | 渡辺 一樹 | BS | YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN | GSX-R1000R | スズキ | 20 | 2:06.451 | 42:29.382 | |||
3 | 3 | 清成 龍一 | BS | TOHO Racing | CBR1000RR-R | ホンダ | 20 | 2:06.734 | 42:29.715 | |||
4 | 6 | 亀井 雄大 | BS | Honda Suzuka Racing Team | CBR1000RR-R | ホンダ | 20 | 2:06.938 | 42:41.717 | |||
5 | 29 | 岡本 裕生 | BS | YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2 | YZF-R1 | ヤマハ | 20 | 2:06.979 | 42:43.598 | |||
6 | 27 | 作本 輝介 | BS | Astemo Honda Dream SI Racing | CBR1000RR-R | ホンダ | 20 | 2:07.618 | 42:45.683 | |||
7 | 28 | 榎戸 育寛 | BS | SDG Motor Sports RT HARC-PRO. | CBR1000RR-R | ホンダ | 20 | 2:07.553 | 42:48.806 | |||
8 | 8 | 岩田 悟 | BS | Team ATJ | CBR1000RR-R | ホンダ | 20 | 2:07.360 | 42:53.824 | |||
9 | 2 | 濱原 颯道 | BS | Honda Dream RT SAKURAI HONDA | CBR1000RR-R | ホンダ | 20 | 2:08.083 | 43:03.842 | |||
10 | 7 | 秋吉 耕佑 | BS | Murayama.Honda Dream.RT | CBR1000RR-R | ホンダ | 20 | 2:08.160 | 43:12.987 | |||
11 | 19 | 生形 秀之 | BS | S-PULSE DREAM RACING ・ ITEC | GSX-R1000R | スズキ | 20 | 2:07.966 | 43:20.176 | |||
12 | 14 | 津田 一磨 | BS | BabyFace Powered by YOSHIMURA | GSX-R1000R | スズキ | 20 | 2:09.946 | 43:35.761 | |||
13 | 11 | 関口 太郎 | BS | SANMEI Team TARO PLUSONE | M1000RR | BMW | 20 | 2:08.759 | 43:39.673 | |||
14 | 16 | 中冨 伸一 | DL | WaveinnR | YZF-R1 | ヤマハ | 20 | 2:10.314 | 43:47.229 | |||
15 | 17 | 黒木 玲徳 | BS | GOSHI Racing | CBR1000RR-R | ホンダ | 20 | 2:10.382 | 43:51.552 | |||
16 | 25 | 田尻 悠人 | BS | GOSHI Racing | CBR1000RR-R | ホンダ | 20 | 2:10.619 | 43:53.135 | |||
17 | 23 | 江口 謙 | BS | Team TATARA aprilia | RSV4 | アプリリア | 20 | 2:10.437 | 43:57.509 | |||
18 | 31 | 武田 雄一 | DL | OGURA CLUTCH ORC with RIDE IN | YZF-R1 | ヤマハ | 20 | 2:11.276 | 44:08.176 | |||
19 | 26 | 星野 知也 | DL | TONE RT SYNCEDGE4413 BMW | S1000RR | BMW | 20 | 2:11.243 | 44:17.626 | |||
20 | 30 | 樋口 耕太 | BS | EXEDY H.L.O RACING | GSX-R1000 | スズキ | 19 | 2:12.073 | 42:26.113 |