【2022年全日本ロードレース選手権 第8戦 MFJ-GP 鈴鹿 J-GP3】木内尚汰が2013年以来のコースレコードを更新し、上原は最終戦を制する

全日本ロードレース選手権J-GP3クラスの最終戦は、上原大輝（ブリヂストン）にとって18点差での逆転チャンピオンをねらう大会となった。通常よりも一日早い木曜日から始まった特別走行。初日からタイトル争いの上原と尾野弘樹（DL）にランキング3番手につける木内尚汰（ブリヂストン）を加えた三人が競り合う。

晴天に恵まれた土曜日の予選は30分間のタイムアタック形式。セッション開始10分程度で上原が真っ先に2分17秒497と2分17秒台に突入。

セッション中盤で転倒車の影響で赤旗中断。この間にセッティングを変更した木内がセッション再開直後に2分17秒518をたたき出して2番手浮上。さらに翌周には2分16秒592と一気にトップ浮上。そのまま今季4度目のポールポジションを獲得した。2分16秒台が記録されたのは2013年以来のことだった。

晴天に恵まれた決勝日。きれいな青空の下で切ったスタート。ホールショットを奪ったのは尾野。背後につけた木内がダンロップコーナーで前に出る。スタート直後は5番手の上原が着々とポジションを挙げ、2周目の1コーナーでトップ浮上と激しい展開。

2周目には上原、尾野、木内の3台が後続を引き離してトップ集団を形成。コーナーごとに順位を入れ替えるドッグファイトが展開される。

7周目。6台での4位争い集団で走行していた高杉奈緒子（DL）が転倒。マシン、ライダー共にコース上から取り残されてしまう。これで赤旗が提示される。

6周目の順位でグリッドにつき、5周のレースがスタート。尾野がホールショットを奪い、木内、上原と背後につける。デグナーコーナーで木内がトップ浮上。尾野はバックストレートで首位奪回。シケインで上原がトップ奪取と、赤旗前と同じ激戦が展開される。

オープニングラップのシケインでトップに出た上原は首位キープ。木内と尾野が激しい2位争いを展開している間に逃げを打つ。2周目のシケインで尾野の前に出た木内が上原を追いかける。上原はファステストラップをたたき出して逃げる。

4周目。尾野と木内はポジションを入れ替えるサイドbyサイドの2位争いに発展。これで上原は1秒ほどのアドバンテージを築いた。

上原は最後までペースを落とすことなく後続に3秒以上の差をつけてトップでフィニッシュ。尾野と木内の争いは0.005秒という僅差で尾野に軍配。木内は今季5度目の表彰台を獲得した。

●上原大輝（予選2位／決勝1位）
「1周目からチェッカーまでタイヤのたれを感じることなく、アベレージタイムがとても安定していました。常に予選の一発タイムを同じ感覚で高いアベレージタイムを刻めるのです。最終戦ということで気温も低くなりましたが、１周目からグリップしてくれたおかげでオープニングラップから攻めることができ、その結果、逃げ切ることができました。ブリヂストンタイヤのおかげで今季はこのような結果を残せました。ありがとうございます」