【2023年全日本ロードレース選手権 第1戦 もてぎ JSB1000レース1】中須賀克行が開幕戦を制す

全日本ロードレース選手権2023年シーズンのJSB1000クラスは、世界に先駆けてカーボンニュートラル燃料を導入したことで注目が集まる。ディフェンディングチャンピオンの中須賀克行（ブリヂストン）に加え、昨シーズン終盤はケガに泣いた中須賀のチームメイト岡本裕生（ブリヂストン）が復調。同じくケガでまともな戦いができなかったホンダのエース名越哲平も復調、水野涼（ブリヂストン）がBSBから復帰。亀井雄大（ブリヂストン）がチーム移籍によってレースに専念できる環境を整えるなど、例年以上に話題豊富なシーズン開幕を迎えた。

【予選】木曜日から始まった練習走行では連日、中須賀がトップタイムをマーク。土曜日の40分間の予選でも中須賀は、セッション開始から積極的にタイムアタック。2周目に1分49秒台、3周目に1分48秒台、4周目には1分47秒801と1分47秒台に突入する。セッション残り10分を切り、中須賀は1分47秒379秒と1分47秒台前半に突入。

残り5分。岡本が1分47秒338と中須賀のタイムを上回ってリーダーボードのトップに浮上。観客席からは感嘆の声が上がる。その後、タイムモニターは動かず、そのまま岡本がクラス初ポールポジションを獲得。セカンドタイムで決定するレース2のグリッドもポールポジションからのスタートすることになった。

【決勝】土曜日午前中の予選に続いて、午後にはレース１が行なわれた。好スタートを切ってホールショットを奪ったのは水野。岡本、中須賀と続く。オープニングラップからこの3台が順位を入れ替えながら激しい攻防を展開。90度コーナー立ち上がりで岡本のマシンが暴れ、その間に作本輝介（ブリヂストン）が3番手浮上。2周目以降は中須賀、水野、作本の3台がドッグファイトを展開。岡本はトップ3台を追いかける。その背後では津田拓也（ブリヂストン）と名越が激しい5位争いを開始する

2周目にトップ浮上の中須賀が、徐々に後続を引き離し始め、6周終了時点で1秒半のアドバンテージを築く。作本、水野は岡本を加えた3台で2位争いに移行。8周目、水野のマシンが突然スローダウン。2位争いは岡本と作本の一騎打ちに替わる。その間に中須賀は後続との差を2秒半とし、悠々と独走体制に入る。

レース終盤。作本との2位争いに決着をつけた岡本が単独2番手で周回。作本は名越、津田との表彰台争いに移る。中須賀は最後には5秒以上の差をつけて24連勝を達成。岡本は単独２位。作本が遅れた表彰台争いは、名越と津田拓也が最後まで接近戦を展開。僅差で名越が制した。

●中須賀克行（予選2位／決勝1位）
「予選時のグリップ感から変わってしまっていて、レース序盤は思うようなリズム刻めませんでした。ですがタイヤが路面になじんできてからは、特に後半も安定しました。コントロール性も落ちることなく、最後までいいリズム刻めました。明日もコンディションが変化すると思いますが、ブリヂストンタイヤは幅広いので安心してレースに挑みたいです」