- 開催場所:スポーツランドSUGO
- 開催日:2023年05月20日(土) 〜 2023年05月21日(日)
全日本ロードレース選手権第3戦SUGOのST600クラスは2レースが組まれた。
【予選】土曜日も天候の回復が遅れ、予選開始直前まで小雨が降り続けていた。路面はフルウエットコンディション。しかしタイムアタック開始と同時に上空が明るくなってきた。真っ先に1分42秒台をマークしたのは長尾健吾。セッション中盤。阿部恵斗が1分42秒台前半にタイムを入れてトップ浮上。長尾、中山耀介も1分42秒台前半に突入。すると阿部は1分42秒051、続けて1分42秒フラットをマーク。さらに1分41秒283と大きくタイムを詰める。
セッション残り10分。小山知良が1分42秒217で2番手浮上。次の瞬間、菅原陸が1分42秒193で小山のタイムを上回るなど熾烈な争いが続く。セッション残り5分でさらに競争が激化。菅原が1分41秒265と阿部を逆転。しかし阿部も1分40秒491と再逆転。長尾が1分41秒147で2番手浮上するも、阿部が1分40秒台でポールポジション獲得。近年稀に見る激しい予選となった。
【決勝レース1】予選の興奮も冷めやらぬまま始まった決勝。好スタートを切ってホールショットを奪ったのは「スタートは得意」という長尾。オープニングラップで阿部を捕らえて2番手に浮上した小山が長尾の背後にピタリとつける。この3台に伊達悠太、中山を加えた5台がトップ集団を形成。小山と阿部の2位争いが激しくなり、羽田太河、鈴木光来、芳賀涼大の3台が首位集団追いついて首位集団は8台に膨れる。
9周目。阿部がトップ浮上。阿部に次いで小山も長尾を捕らえて2番手浮上。10周目の2コーナーで羽田が転倒。これをきっかけにトップ争いは阿部、小山、長尾の3台に絞られる。これを伊達、芳賀が追いかける。
ラスト2周に突入したと同時に「ラスト2ラップで勝負して抑えられたらいいなと思っていた」という小山がトップ浮上。阿部、長尾は諦めずについていく。ラストラップ、最終シケインで阿部が狙いすまして小山のインに飛び込む。そのまま小山を抑え真っ先に立ち上がった阿部が優勝。小山は僅差の2位。長尾は3位表彰台を得た。
●阿部恵斗(予選1位/決勝1位)
「スタート前からトップで千切るのは絶対に無理だと思っていました。前半はブレーキトラブルがあったのですが、トップに立って好きに走れるようになったらトラブルが多少改善しました。でもペースを上げることができなかったので小山(知良)さんに抜かれました。勝負所を決めていたので、ラインがあろうがなかろうが突っ込むつもりでした。止まりきれないと思ったのですが、意外に止まれたのでどうにか勝てました」
【決勝レース2】気温が上昇した日曜日。ST600クラスのレース2が始まるころには雲が厚みを増し、気温も落ち着いてきた。20周のレース、リードしたのは阿部。オープニングラップから芳賀、羽田、小山の4台が激しいバトルを展開。2周目に羽田がトップ浮上。4周目に阿部が首位奪回。5周目は再び羽田がトップと激しい展開。このドッグファイトの連続で、10台以上が長い列を作って周回を重ねる。8周目。小山が転倒。7番手あたりで周回を重ねていた井手翔太がピットに戻ってしまう。それでも車列は11台ほどが連なっている。
13周目、西村硝がトップ浮上。しかし15周目には羽田が首位奪回。16周目には西村が再び首位に立つ。16周目、芳賀と長尾が転倒。コース上にマシンが残ってしまい、すぐに赤旗が出される。この結果、14周完了時点でレース成立となり西村が全日本初優勝。阿部が2位、3位に羽田というリザルトとなった。
●西村硝(予選9位/優勝1位)
「最後の5周か6周で勝負しようと思っていました。偶然、前に出たときに赤旗が出て優勝できましたが、最後までレースが続いていたら勝てなかったかもしれません。前の二人(羽田、阿部)がバトルしていたのは見ていました。それで前が詰まってしまい、後ろからはプッシュされました。それでも抜くタイミングが見つかりませんでした。これまでもユーズドタイヤの方がペースがあったので、残り10周を切ったら前に出ようと思っていました。そこはしっかり実現できたのでよかったです」
決勝
- 開催日:2023/05/20
- 天候:Cloudy
- 路面:Dry
- 決勝出走:32
- 完走:29
- (3.621km x 20laps = 72.422km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
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1 | 3 | 阿部 恵斗 | BS | 51GARAGE kupu Racing YAMAHA | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 1:30.790 | 30:32.617 | |||
2 | 2 | 小山 知良 | BS | JAPAN POST HondaDream TP | CBR600RR | ホンダ | 20 | 1:30.753 | 30:32.799 | |||
3 | 7 | 長尾 健吾 | BS | TBB TEAMKENKEN YTch | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 1:31.033 | 30:32.941 | |||
4 | 21 | 西村 硝 | BS | 51GARAGE kupu Racing YAMAHA | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 1:30.829 | 30:34.468 | |||
5 | 4 | 井手 翔太 | BS | AKENO SPEED | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 1:30.994 | 30:35.862 | |||
6 | 9 | 伊達 悠太 | BS | AKENO SPEED | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 1:30.966 | 30:35.893 | |||
7 | 18 | 芳賀 涼大 | BS | WORK NAVI Nitro Racing | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 1:30.993 | 30:38.204 | |||
8 | 10 | 伊藤 元治 | BS | MOTO BUM HONDA | CBR600RR | ホンダ | 20 | 1:31.019 | 30:38.351 | |||
9 | 11 | 松岡 玲 | BS | ITO RACING BORG CUSTOM | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 1:31.151 | 30:42.830 | |||
10 | 14 | 菅原 陸 | BS | Nippon Pioneer GarageL8 RT | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 1:30.902 | 30:43.004 | |||
11 | 13 | 中山 耀介 | BS | ITO RACING SHOTA BORG CUSTOM | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 1:31.090 | 30;43.075 | |||
12 | 6 | 鈴木 光来 | BS | MOTO BUM HONDA | CBR600RR | ホンダ | 20 | 1:30.650 | 30:55.843 | |||
13 | 29 | 藤田 哲弥 | BS | TN45 with MotoUP Racing | CBR600RR | ホンダ | 20 | 1:32.626 | 31:06.480 | |||
14 | 22 | 山口 辰也 | BS | TEAM T2y | CBR600RR | ホンダ | 20 | 1:32.515 | 31:07.388 | |||
15 | 25 | 岡部 怜 | BS | FujimotoDenki GBSracing | YZF-R6 | ヤマハ | 20 | 1:32.777 | 31:09.056 | |||
16 | 23 | 山田 尚輝 | BS | team elf | CBR600RR | ホンダ | 20 | 1:32.743 | 31:16.819 | |||
17 | 27 | 青田 魁 | BS | MOTO BUM HONDA | CBR600RR | ホンダ | 20 | 1:32.684 | 31:17.045 | |||
18 | 19 | 鈴木 大空翔 | BS | BATTLE FACTORY | CBR600RR | ホンダ | 20 | 1:32.640 | 31:22.245 | |||
19 | 31 | B. ワンムーン | BS | Astemo Honda Dream SI Racing | CBR600RR | ホンダ | 20 | 1'32.903 | 31'22.313 | |||
20 | 35 | 佐藤 穣 | BS | GarageL8 Racing Team | CBR600RR | ホンダ | 20 | 1'33.132 | 31'26.392 |