【2023年全日本ロードレース選手権 第3戦 SUGO J-GP3】赤旗中断を挟んでの波乱のレースで木内尚汰が21番手から表彰台獲得

全日本ロードレース選手権第３戦SUGOのJ-GP3クラスは開幕戦以来１カ月半ほどのインターバルを経ての開催。25台のエントリーを集めた。

【予選】土曜日は朝まで降っていた雨は上がったものの、ウエットコンディションでのタイムアタック。一部のラインは乾き始めているという難しいコンディションで開始された。真っ先に1分46秒台をマークしたのは高杉奈緒子（ブリヂストン）。高杉は連続タイムアタックして1分44秒台に突入。彌榮郡（ブリヂストン）が1分45秒136と追いかける。高杉はさらにタイムを詰めて1分43秒342。対する彌榮は１分44秒011と迫り、ついに1分43秒782と1分43秒台に突入。さらに大和颯（ブリヂストン）も1分43秒923と彌榮に続く。残り12分。高平理智（DL）が1分43秒022とトップ浮上。一度ピットに入り、再度アタックを開始した高杉が1分42秒955で逆転。高平が1分42秒882で再逆転。高杉は1分42秒661と応戦。残り6分。大和が1分41秒693と1分41秒台に突入してトップ浮上。高平が1分41秒480で逆転、残り2分で池上聖竜（DL）が1分40秒219と稀に見るタイムアタック合戦が展開。
その結果、池上が全日本初ポールポジションを獲得。高平2番手、大和3番手と、フレッシュな顔ぶれのフロントロウとなった。

【決勝】好天に恵まれた決勝日。気温も上昇して絶好のレース日よりになった。20周のレース、好スタートを切ったのは尾野弘樹（DL）。池上、大和、高杉と続く。
オープニングラップで池上が尾野の前に出るシーンもあったが、尾野が抑える。尾野、池上、大和、高杉に加え三谷然（DL）、小田喜阿門（DL）、若松怜（ブリヂストン）、上江洲葵要（DL）を加えた8台が連なる。
5周目、小田喜が転倒。その後、山本航（DL）、徳留真紀（ブリヂストン）、田中風如（DL）と次々に転倒。これで赤旗中断となる。

路面清掃後に12周で切られた再スタート。再び尾野がホールショットを奪う。池上が背後につける。この2台に高杉が加わり、3台がトップ争いを開始。その後ろでは大和と若松が4位争いを展開しながらトップ3を追いかける。
高杉と池上は何度も順位を入れ替える。4位争いには「金曜日の雨の走行のフィーリングが悪く、土曜日の予選の不安要素になった」と21番手グリッドに沈んでいた木内尚汰（ブリヂストン）が加わる。この4位争いの3台がトップ集団に追いつき、6台のトップ争いに移行。

7周目に尾野、若松、大和の3台がドッグファイトを展開。高杉、木内、池上は少し離され２グループに分かれての争いとなる。若松と大和は代わる代わる2番手に浮上し、尾野にアタック。しかし尾野はトップの座を譲らない。

最終ラップまで激しいバトルが続いた3台でのトップ争い。ところが大和と若松が接触、転倒。これで尾野が開幕2連勝。大和と若松の脱落で2位争いとなった争いを制したのは池上。「赤旗後にセッティングを変更したが、うまくいかなかった。実力不足を感じたウイークになった」という木内がほぼ最後尾の21番グリッドから18人抜きで3位表彰台を獲得。

●木内尚汰（予選21位／決勝3位）
「タイヤのフィーリングは常に安定していました。赤旗が出る前はハイペースで追い上げていましたが、それでも垂れることなく追い上げることができました。ようやく3位まで戻ることができました。悔しい気持ちがありますが、次戦の筑波でリベンジしたいです」