【2023年全日本ロードレース選手権 第6戦 オートポリス ST600】ベテラン長尾健吾が独走でポールtoフィニッシュ

全日本ロードレース第６戦九州のST600クラスは3カ月半という長いインターバルを経ての開催となった。
特別走行が行なわれた金曜日は１日中小雨が降ったりやんだりのあいにくの天候。セッティングの確認が十分にできないままの予選は20分間という厳しいスケジュールだった。

【予選】予選が行なわれた土曜日のオートポリスは雲に覆われていたが、かろうじて雨の気配はなかった。
セッション開始早々に1分52秒705をマークしてリーダーボードのトップに躍り出た長尾。一方、前戦SUGOラウンドで優勝の阿部恵斗は3番手タイムを出した後に転倒。阿部のチームメイト西村硝が1分53秒127と2番手に食い込む。タイヤ使用制限と20分という短い時間設定が相まってセッション後半は淡々とした時間が流れた。
残り2分、転倒車があり赤旗中断となる。

その後5分間という短い時間が設定されて各車コースイン。しかしこの短い時間でタイム更新できるものはおらず、唯一の1分52秒台をマークした長尾がそのままポールポジション獲得。「ここのサーキットは新品タイヤのグリップを使わないと厳しいのですが、予想どおりのタイムが出ました。決勝に向けて手応えがあるけれど、オートポリスは一筋縄ではいかないが、優勝を目指して頑張ります」と語った。

【決勝】決勝日は好天に恵まれた。強い日差しが降り注ぎ、気温も上昇。青空に白い雲が浮かぶ夏のような空になった。15周のレースをリードしたのはポールシッター長尾。後方では小山知良と芳賀涼大が転倒。
長尾はトップ独走状態に移行。後方では西村、鈴木光来、伊達悠太、阿部、井手翔太の5台での争いが勃発。

6周終了時点で長尾は後方に3秒もの大差を築いて完全な一人旅。2位争いは西村、鈴木、阿部と次々に集団トップが入れ替わる激戦が続く。

12周目。鈴木がマシンと止めてしまう。これをきっかけに2位争いからは阿部が抜け出して単独走行に移行。阿部、井手、伊達は激しい表彰台争いに。

長尾は最後までトップを快走してポールtoフィニッシュで今季初優勝を飾った。阿部は単独2番手走行のままゴール。最後まで激しかった3位争いは西村が制した。

●長尾健吾（予選１位／決勝１位）
「決勝は予選ほどの自信はなかったのですが、朝のフリー走行でのデータもリズムもよかったので、自分からレースを作っていくしかないと思いました。ごちゃごちゃする前に縦長にしようという作戦がうまくいってよかったです」