【2023年全日本ロードレース選手権 第6戦 オートポリス JSB1000】九州出身の中須賀克行 地元でダブルウイン

全日本ロードレース選手権第６戦九州の舞台はオートポリス。前戦から2週間のインターバルを経て、２レースが組まれた。土曜日は午前中に30分間の予選アタック、午後には15周のレース１が行なわれる忙しい一日となった。

【予選】土曜日は午前中に30分間の予選アタック、午後には15周のレース１が行なわれる忙しい一日となった。曇天の下の予選タイムアタック。まずは岡本が1分49秒317でトップ浮上。3周目に1分48秒686で中須賀克行（ブリヂストン）で逆転。セッション開始から10分ほどで岡本裕生（ブリヂストン）が1分48秒451でリーダーボードのトップに再浮上。中須賀は1分48秒543と自身のタイムを更新して岡本を追う。岡本は1分47秒451、1分47秒323と1分47秒台にタイムを入れ、さらに少しずつタイムを削って逃げる。

残り10分を切り亀井雄大（ブリヂストン）が1分48秒287で2番手浮上、それを津田拓也（ブリヂストン）が1分48秒054で2番手の座を奪うなど激しい展開。残り5分。中須賀が1分47秒342とて岡本に0.019秒差に迫る。しかし再逆転ならず、岡本がレース1は今季2度目のポールポジションを獲得。セカンドタイムでは中須賀に軍配が挙がり、明日のレース2のポールポジションを獲得。このヤマハファクトリーチーム二人のみが1分37秒台という予選だった。

【決勝レース1】土曜日午後に行なわれたレース１は15周の周回数が設定された。朝から雲が広がっていたものの、ドライコンディションでスタートするも、同時に秋吉耕佑（ブリヂストン）と新庄雅浩（ブリヂストン）が接触、転倒。これで赤旗中断となる。クイックリスタートとなり秋吉はTカーでグリッドについたが、新庄はピットから出ることができなかった。さらに、一部のコーナーで雨粒が落ちてきたという情報が入る。幸い、雨脚が強まることなく、そのままレースがスタート。

好スタートを切ってレースをリードしたのはポールシッターの岡本。中須賀がピタリと背後につけ、ヤマハファクトリー2台がワンツー走行。オープニングラップから後続を引き離しにかかる。後方では水野涼（ブリヂストン）、津田拓也、岩田悟（ブリヂストン）、清成龍一（ブリヂストン）と続く。オープニングラップを終えた状態でヤマハファクトリーの2台は後方に3秒半のアドバンテージを築いた。表彰台争いからは津田と水野が抜け出した。

6周目、中須賀が岡本を捕らえてトップ浮上。今度は岡本が中須賀の背後につける。7周目は岡本、9周目には中須賀が前と、2台は順位を入れ替えながら周回を重ねる。
中須賀と岡本はテールtoノーズのまま最終ラップに突入。2台は何度も準二を入れ替えながらサイドbyサイドの激戦を展開。そして0.045秒差で中須賀が優勝。岡本は悔しい2位。表彰台争いは津田に軍配が挙がった。
中須賀は「最後までいいバトルができてよかった。地元レースだから今日は勝ててよかった」と笑顔。岡本は「前戦は悔しい結果（転倒リタイア）に終わった。今日は悔いの残らないレースができた」と納得顔を見せた。

●中須賀克行（レース1予選2位／決勝1位）
「岡本選手も同じブリヂストンタイヤユーザーとしてクリーンなバトルができました。ブリヂストンファン、レースファンにいいレースを見せることができてよかったと思います」

【決勝レース2】日曜日は好天に恵まれた。JSB1000クラス決勝レース2は強い日差しの中で午後2時にスタートした。ホールショットを奪ったのは岡本。中須賀が背後につけてレース1同様にヤマハファクトリー2台がオープニングラップから後続を大きく引き離してデッドヒートを開始する。

後方では水野、亀井、津田、名越哲平（ブリヂストン）、作本輝介（ブリヂストン）、岩田、清成が表彰台争いを開始。津田は3周目に転倒、岩田、清成は遅れ出し、セカンド集団は4台に。中須賀と岡本は順位を入れ替えながらの激戦、後方では周回ごとにポジションを挙げた名越と水野が激しいバトルを展開しながら周回が重なる。中須賀と岡本はところどころで順位を入れ替えながら接近戦を継続。

真っ先に最終ラップに突入したのは中須賀。コーナーごとに仕掛ける岡本。しかし前に出ることはできない。そして中須賀がダブルウイン。表彰台争いは水野に軍配が挙がった。

●中須賀克行（レース1予選1位／決勝1位）
「今日だけいきなり天気がよくなって路面温度も上がりました。周回数も昨日よりも3周多く設定されました。タイヤグリップは徐々には垂れてきたもののコントロール制は最後まで保ってくれたので、昨日のように岡本選手とクリーンでハイレベルなバトルをすることができました。ブリヂストンのパフォーマンスもファンの皆さんにしっかり見せることができたし、レースファンの皆さんに喜んでもらえる内容になったと思います」