富士スピードウェイで開催されたTOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupプロフェッショナルシリーズ第5戦。
最終ラップにファステストラップを記録する圧巻の走りで、今季初優勝を飾ったディフェンディングチャンピオンの#1堤優威選手。
第2戦でランキングトップに立つとそこから一度もその座を譲ることなく、富士での勝利で今季4度目の表彰台登壇を果たしタイトル争いを大きくリードしています。唯一表彰台を逃した十勝でも4位でフィニッシュし、速さだけでなく、レース巧者としての強さも見せています。


各チームが高い精度でマシンを仕上げ、実力の拮抗したプロドライバーが高次元で競い合うGR86/BRZ Cupでは、コンマ数秒の差が順位を大きく左右します。勝つことが難しいのは言うまでもなく、シーズンを通して上位を維持することすら難しいワンメイクレースで、堤選手はなぜコンスタントに結果を残すことができているのでしょうか。
その理由について堤選手に聞いてみました。彼は、予選ではあえて「100%でいき過ぎない」ことを意識していると語ります。


「100%で行ったときに、想定よりグリップしなかったりすると、その後の調整が難しくなってしまいます。だから98%くらいの感覚で、少し余力を持って予選を走っています。もちろん攻めていないわけではありませんが、100%で集中してしまうと、ミスしたときに自分の性格的にも崩れてしまいそうなので。今シーズンはずっとランキングトップで焦る必要がないということもありますが、意識して、常に少し余裕を持つようにしています」
一発の速さが求められる予選では限界まで攻め切るのではなく、あえてわずかな余力を残す。それは、マシンセッティングに対する考え方にも共通しています。


「練習では、セットが完璧に決まっていなくても『これくらいでいいかな』というところがあります。ニュータイヤを装着した際にどれくらいグリップが上がって、マシンバランスがどう変わるのかを考えながらセッティングしています」
特定の条件にマシンを合わせ込みすぎず、変化に対応できる幅を残しておく。そして走り出したあとは、その範囲のなかで自らのドライビングによって速さを引き出す。
実は、この堤選手の戦い方はPOTENZA RE-10Dが持つ特性とも重なります。
堤選手とともにPOTENZAの開発ドライバーを務める佐々木雅弘選手は、タイヤ開発で重要なのは特定の条件での速さだけを追求するのではなく、トータルバランスを高めることだと常々語ってきました。


レースでは予選で前に出ることが重要ですが、最終的な目標は決勝でトップチェッカーを受けること。そのためには、最後まで高いパフォーマンスを維持して走り切れる性能が求められます。またシリーズを通して考えれば、春から冬まで変化する気温や路面状況のなかで、安定して性能を発揮できることも重要です。
こうしたレースで求められる性能を高い次元でバランスさせることができれば、最後の速さはドライバー自身の頑張りで引き出すことができる。それが、佐々木選手が語ってきたタイヤ開発の考え方です。
堤選手自身もRE-10Dの特性についてこう語ります。


「RE-10Dは、グリップのピークのストライクゾーンが広い。路温などに大きく左右されることもありません。そのなかでドライビングが優劣を決定します。僕自身のここまでの結果は、自分のドライビングをこの特性にうまく合わせられているのかなと思います」
変化に対応できる余力を残しながら、コースコンディションやセッティング、ドライビングに幅広く対応するPOTENZA RE-10Dの特性を活かし、必要な速さを引き出していく。
開発ドライバーでもある堤選手は、自らレースで結果を残すことで、そのタイヤづくりの考え方を体現しています。


ブリヂストンは、ディフェンディングチャンピオンとしてシリーズを牽引する堤選手とともにタイヤづくりを磨き、より確かなものにしていきます。




















