今シーズン、 K-one Racing Teamから、GR86/BRZ Cupプロフェッショナルシリーズに新たに2台のブリヂストン装着車が参戦しています。 POTENZA RE-10Dを装着する2台のK-one 愛知トヨタ BS GR86を駆るドライバーは、清水英志郎選手(2号車)と佐藤凌音選手(24号車)です。
国内トップドライバーがひしめき合うGR86/BRZ Cupで上位を争うためには、チーム力、ドライバーのポテンシャルはもちろん、それに加えて、これまでに蓄積したデータからタイヤの性能を最大限に引き出し、限られた調整範囲のなかでマシンを仕上げていくことが求められます。そんな厳しい戦いの中、K-one Racing Teamは第2戦SUGOで清水選手が優勝を飾り、早くも結果を残しています。
この適応力と速さを支えるチームの強みを、チーム代表と2人のドライバーの言葉から探ります。
K-one Racing Teamを率いる小菅英久代表は、自らが運営するショップを母体に、長年にわたってさまざまなレースカテゴリーでモータースポーツに携わってきました。
チームの特徴のひとつが、複数台のマシンを走らせることで得られる豊富なデータの共有です。同じGR86でも、ドライバーによって得意とするコーナーや、マシンの動かし方が異なります。K-oneでは、それぞれのドライバーが持つ速さを個人のものにせず、チーム全体で共有しています。


「英志郎のいいところがあったり、凌音のいいところがあったりします。ヘアピンが速いドライバー、高速コーナーが速いドライバーと、それぞれ乗り方も違えばタイムの出し方も違います。そういうところをドライバー同士で共有して、ドライバー自身も勉強している。それが私たちのチームの強みだと思います」
マシンを速くするだけでなく、複数のドライバーが持つ“速さの引き出し”を持ち寄り、互いに高め合っていく。それがK-one Racing Teamの戦い方なのです。


そして小菅代表は、POTENZA RE-10Dの特徴が、自身のチーム作りと相性のいいものだと語ります。
「ブリヂストンのタイヤはすごく懐が深いと感じています。暑い日や寒い日、雨など、コンディションが変わっても柔軟に対応できる。特定の条件だけで突出するというより、幅広いレンジのなかでドライバーが合わせ込んでいける。そこでうまく合わせ込んだドライバーが結果を残している印象があります」
マシンのセットを組み立てるうえで基準となっているのは、長くチームに所属してきた清水選手の走行データです。


「僕がチームのなかでは一番長く在籍しているため、基本的な持ち込みセットは僕が去年走ったデータをもとに作っています。チームにリーダーのような存在があるわけではありませんが、長くいる分、常にチームの先頭で走れるような立場になっていかなければいけないと思っています」
K-oneの強みについて清水選手が挙げるのも、やはり豊富な比較対象と情報共有です。レベルの高いチームメイトと走行データやマシンの状態を共有し、それぞれのドライビングの長所を取り入れながらセットアップを作り上げています。
さらにK-oneは、マシンに装着するダンパーやブレーキパッドなどのパーツも自社で開発しています。チーム内だけでなく、GR86/BRZ Cupに参戦する他チームにも使用されることが更なるデータの共有にもつながっています。
そうした高いマシンポテンシャルとチーム内で蓄積されたノウハウを結果へと結びつけたのが、第2戦での清水選手の優勝でした。


清水選手はPOTENZA RE-10Dについて、レース後半までパフォーマンスを維持できる点を特に高く評価しています。
「タイヤのパフォーマンスを維持する能力が高いところが最大の武器だと思います。特に真夏の気温・路温の高いレースではアドバンテージがあります。決勝で長く走ったときに高いパフォーマンスを維持できるところが、一番のポイントだと感じています」
そして、チームでそのノウハウを吸収しながら成長を続けているのが佐藤凌音選手です。


カートからホンダレーシングスクールを経て四輪へとステップアップした佐藤選手にとって、初めて出場した四輪レースがGR86/BRZ Cupでした。プロフェッショナルシリーズ参戦2年目となる今シーズン、K-one Racing Teamへの加入によって、その環境は大きく変わりました。
「トップレベルのドライバーと同じチームで走って、ロガーデータを共有したり、教えてもらったり、マシンを一緒に作っていくことで、吸収していかなければいけないことがたくさんありますね。僕も2年目なので、そろそろ結果が欲しいと思っています」
特に佐藤選手が取り組んでいるのが、市販車をベースとしたGR86ならではのドライビングへの適応です。
カートやフォーミュラでは、俊敏なマシンの反応を生かして積極的な操作をしてきたという佐藤選手。しかしGR86では、それとは異なるアプローチが求められます。
「カートやフォーミュラの乗り方がなかなか抜けなくて…。ステアリングの切り方なども違います。GR86は突っ込んで気合でどうにかするようなクルマではないので、いかにクルマを転がせるか。そこが今の一番の課題です」


その答えを探すうえで、速いチームメイトのデータを直接比較できる環境は大きな助けとなっています。完成されたマシンにただ乗るのではなく、チームメイトを信頼しながら、自分自身のドライビングをマシンへ合わせ込んでいく。佐藤選手はK-oneでPOTENZA RE-10Dとともに新たな速さを身につけようとしています。
「POTENZA RE-10Dは、温度レンジが広く、どんなコンディションでも走りはじめから安定したグリップがあります。一発の速さもありますし、レース後半でも粘り強くグリップしてくれる。乗っていて安心感があって、すごく気持ちのいいタイヤです」
K-one Racing Teamがつかんだ勝利は、経験も、得意とするドライビングも異なるドライバーたちが、それぞれの速さを持ち寄り、互いのデータから学びながらマシンを仕上げていくというチームの戦い方と、幅広い要求に応えるPOTENZA RE-10Dの性能が結びついた結果だと言えるでしょう。
しかし、小菅代表が目指しているのはリザルトだけではありません。

「リザルトだけではダメだと思っています。クルマだったりレーシングスーツだったり、オーラがあって『かっこいい』と思ってもらえるチームを目指しています。小学生や中学生、お父さんに連れられてきた子どもたちに、第一印象でかっこいいと思ってもらいたい。それがファン作りにつながると思っています」
速く、強く、そして憧れられる存在であること。
鮮やかなオレンジを基調に、ウェーブラインをまとったマシンとともに、K-one Racing Teamはその走りと姿でモータースポーツの魅力を伝えながら、戦い続けています。




















