POTENZA RE-10Dの開発ドライバーを務める堤優威選手。昨シーズンは念願だったGR86/BRZ Cupのシリーズタイトルを獲得し、RE-10Dの性能の高さを自身の走りで証明しました。
ブリヂストンは、2026シーズンもGR86/BRZ CupプロフェッショナルシリーズにRE-10Dを供給。開幕戦オートポリスでは蒲生尚弥選手が優勝を飾り、ディフェンディングチャンピオンとして臨む堤選手も2位表彰台を獲得するなど、RE-10D装着勢が好調な滑り出しを見せました。
今回は、自身が開発に関わるタイヤでタイトルを掴んだ堤選手に、RE-10Dの強みと今後の開発への思いを聞きました。


堤選手がRE-10Dの強みとしてまず挙げるのは、その高い総合性能です。
「RE-10Dは、ピークのグリップを引き出しやすく、ロング性能も非常に優れています。レースでは、予選でも決勝でも速いタイヤです」


RE-10Dが持つ総合力は、特定のコンディションだけに限られるものではありません。昨年の鈴鹿では、予選が雨、決勝がセミウエットという難しい条件のなか、RE-10Dユーザーが上位をほぼ占める展開となり、堤選手自身も2位表彰台を獲得しています。
「鈴鹿では、RE-10Dが非常に有利なレースをさせてくれました。コンディションを選ばない性能に確かな手応えを感じました」
グリップ性能、ロングでの耐摩耗性、ウエット性能——それらを高い次元でバランスさせることはタイヤ開発における本質的な難しさでもあります。
「ピークのグリップも上げたいですし、ロングの性能も上げたい。さらにウエット性能も上げたい。どれか1つを尖らせていくということではなく、すべてが上がることが理想です。テスト段階では、一発の速さをあげようとするとロングでの性能が落ちてくることが多いので、そこのバランスをとりながら開発を進めていくことがすごく難しいです」


国内のトップドライバーがワンメイク車両で凌ぎを削るGR86/BRZ Cupでは、コンマ数秒を争う予選での順位が決勝の展開を大きく左右します。前方のグリッドからより有利な状況でレースを進めるための一発の速さのための性能は、欠かせない要素となっています。


「レースで勝つためには、ロングでのタイヤの優位性だけでは限界があります。だからこそ、一発でタイムを出すことは、今後の開発でも非常に重要だと思っています」
昨シーズンは、堤選手だけでなく複数のRE-10Dユーザーが各大会で勝利を挙げました。特定のドライバーだけが速さを引き出すのではなく、さまざまなスタイルのドライバーが結果を残したことは、RE-10Dの扱いやすさを証明したと言えるでしょう。
「昨年は4名のRE-10Dユーザーが優勝しました。レース結果全体を見ても、ユーザーのタイムが比較的揃っているので、使い勝手が良いタイヤだと言えます。RE-10Dは、どんな人にも使いやすい、どんなドライビングにも対応してくれるというイメージを、みんなが持ってくれていると思います。この扱いやすさという点も、開発チーム全体で重要視している点ですので、多くのドライバーがRE-10Dで結果を残してくれたのは、本当にうれしいです」


ドライバーとして同じRE-10Dを使う選手に負けたくないという強い気持ちがある一方で、開発に携わったタイヤでライバルが勝利を挙げることには、また別の意味があると堤選手は語ります。
「レースをやっている以上はもちろん勝ちたいですし、同じタイヤを使っているドライバーには負けたくないと思っています。でも、このタイヤで勝ってくれることによって、開発してきたことが間違いではなかったという証明になる。そういう意味では、誰が勝ってもうれしいです。 でも……開発した手前、まずは自分が勝っておかないとっていうプレッシャーも、正直ありますね(笑)」


勝利を目指すドライバーとして、そして開発ドライバーとして。その両方の立場で戦い続ける堤選手とともに、ブリヂストンはさらなるタイヤの進化に挑んでいきます。




















