【コンディション】
・天候:晴れ/30℃
・路面:ドライ/36℃
※手元計測


朝の到着時点から晴れの気持ち良さというよりは、日差しが照り付け少し蒸し暑さもありました。
お昼ごろから暑さのピークを迎え、15時ごろになると涼しい風が吹き込みました。

走行は各車順調に走行を重ねました。
本番を想定して、午前中は予選アタック、午後は決勝走行想定での走行が多かった印象です。
タイムに関しては公式セッションでないこと、手元の計測のため、公開できませんので、
明日の専有走行から速報いたします。


今回インタビューに応えて頂きましたのは、
#56 鶴賀義幸選手(栃木トヨタT2FACTORYBSGR86)です。
鶴賀選手は2020年にクラブマンシリーズのエキスパートクラス シリーズチャンピオンを獲得後、
翌年の2021年からプロクラスに変更して参戦しています。
ライバルは長年参戦をしているドライバーやスーパーGTでも上位の結果を残し続けているドライバーです。
そんな中、クラブマン王者として、栃木トヨタの自社社員でのみ構成されたチームで参戦する意義を聞いてみました。





IMG_0925.jpeg

―昨日(6/13(木))から走ってみて、今のところ調子はいかがですか。

「プロクラスに参戦しはじめてから、およそ全体の真ん中、もしくはちょっと下ぐらいで、今週末もいまのところその辺りかと思います。
GR86/BRZ Cup(ZN8型)になってから車高調など多くのパーツを選べるようになってセッティングの幅が広がった中で、やっぱりまだ(周囲と比べて)経験はどうしても少ないなと感じています。
ちょっとずつ勉強しながら、セッティングを出すことが徐々にできるようになってきて、やっとだんだんわかるようになってきました。
このレースウィークは、その蓄積をもとに合わせ込んで、いまのところ頭で考えたこと通りに車が動いているので、あと2日でどこまで詰めていけるかっていうところは、今までの中では、一番楽しく感じています。」

―バックグラウンド的なところになりますが、チームのメンバーは鶴賀選手含めて栃木トヨタの社員のみで構成されているんですか。

「はい、全員社員です。」

―社員ドライバーはレース以外どのようなお仕事をしているのですか。

「私が中途採用で栃木トヨタに入社した際、栃木トヨタがT2 FACTORYというモータースポーツ・車好きのお客様のためのお店を立ち上げました。
私はそこのスタッフをしています。
主にはパーツ選択やサーキットで走るうえでのセッティングのアドバイスと、あとはシミュレーターがあるのでインストラクターをしています。
また、お客様に楽しんでいただける企画もしています。」

―今日来ているチームの方々も社員さんですか。

「そうです。1名はチーフメカニックでT2 FACTORY専属でマシンメンテナンスをしてくれています。ほかの3名は販売店から来てくれていて、
毎回、研修という形で参加して頂いております。」

―ここまで純粋なディーラーチームとして参戦しているプロクラスのチームあるのかな、というくらいのチーム構成ですが、
 この体制で参戦するメリットはたくさんあると思いますが、鶴賀さんからみてどうお考えですか。

「まずは、エンジニアさんの技術向上、モチベーション向上のところがあります。
また、一番他のチームと違うなと思うところは、このレースについて熟知している人がいないところです。
これってデメリットに聞こえるんですけど、みんなで同じ目線で勉強していけるっていうところと、一つずつわかっていく過程がみんなで楽しめる。
聞いてやるだけじゃなくて自分で本当にわかっていくので、他の人にも教えられるぐらい知識がつく。そういう意味では非常に有意義な活動になっていると思います。」

―そういう点も含めてより高いレベルで競争しているプロクラスに挑戦しているんですか。

「そうですね。元々僕のドライバーとしての気持ちの部分で、プロフェッショナルシリーズでプロクラスの皆さんと戦いたいところはあって、会社(栃木トヨタ)としてはどちらでも良かったんですけど、私の思いを受けてくださいました。
それから活動していく中で、クラブマンシリーズも良かったですけど、こっちの方が深みがあって、かなり(クラブマンと)訳が違うぞと感じました。
そういうところで、非常に勉強になっています。車作りをより深く理解しないと、もう手も足も出ないくらいタイム差があるし、
そのエンジニアリング的な部分で販売店でやっていること以上の経験や知識を得られているのがこの場だと思います。」

―プロクラス、クラブマンシリーズが準備されているGR86/BRZ Cupをすごく活用しているように感じます。

「もちろんブリヂストンさんの支援もありながら、ここまで5年ぐらいやってますけど、今後も社員の皆さんに貴重な体験をしていただけるように続けていけるよう、私も頑張らなきゃなと思います。」

―今シーズンの目標お聞かせください。

「順位でいうと、ポイント獲得圏内のトップ10入りです。
ただ、レースを見ていると分かるとおり、強力なライバルのなかポイント獲得はかなり難しいです。
ただ、可能性はゼロじゃないので、今シーズン中にはそれを目標として達成したいと思います。
結果が出ると、会社の活動としてもより弾みがつくので、本当はもうちょっと早くそれをやりたかったんですけどね。
それを達成するために必要なことっていうのが非常に見えてきまして、普通の仕事の進め方等も同じなんですけど、みんなで情報共有して、
1人だけわかっててもやっぱりだめで、みんなで理解して、みんながやれるような仕組み作りとか、そういうところを一つ一つ丁寧にやっていかないといけないです。
そのチーム作り、本当に全てを俯瞰して見れるような、言ってみれば、ただ雇われてやっているドライバーというよりは非常にいろんな面が成長できているのかな、という自負はあります。」

―ありがとうございます。今シーズン他のカテゴリーの活動は何か予定されてますか。

「そうですね、今年はとりあえずこのGR86/BRZ Cupで去年勉強したことも生かして、全集中したいと思います。」

―最後にコーナーとして僕がネット記事やWikipediaを読んで気になったことを聞こうと思っているのですが、
 もともとレースシミュをしていたとのことですが、他スポーツされていましたか?

「小さいころから、体操教室だったり水泳を習っていました。小中はサッカーをしていました。
おかげさまで運動神経は良い方で体力もあって駅伝の選手もしていました。
ただ、サッカーはセンスがなくて辞めちゃいました(笑)」

―S耐にも参戦していましたが、その持ち前の体力活きたんじゃないですか。

「実は意外にも活きませんでした。
というのも、個人的には運転中は体力は問題ないのですが、脱水(発汗)が人よりも凄くて、
ドリンクも飲んでいるにも関わらず走り終わったあとに、脱水症状で足に力が入らなくなったりがありました。
S耐に参戦したことで、その改善点に気づけました。」




鶴賀選手のインタビューでした。
このカテゴリをディーラーチームとして最大限生かしているチームだなと感じました。
競争は激しいですが、なんとか目標のポイント獲得を果たして欲しいです。
他カテゴリでも活躍する有名ドライバーも多いですが、ぜひ観戦時にこのバックグラウンドを知ってもらったうえで、鶴賀選手の走りに注目してみてください!


56.png

教えて、ゼッケンの由来 Part1


GR86/BRZ Cupのゼッケンナンバーの由来を聞いてみたいと思います。
記念すべきPart1は今回インタビューに応えて頂きました、
鶴賀選手の栃木トヨタT2FACTORYBSGR86車両です。
ゼッケン56、
この由来は、チームメンバーの方が好きな、漫画バリバリ伝説の登場人物、巨摩郡のゼッケンとのことです。
また、山本五十六も好きなことからこのゼッケンにしたそうです。