TGR 86/BRZ Race 2019 Rd.2 CLUBMAN Series EXPERT

若手の台頭が著しいエキスパートクラスだが、経験値が高いベテランがそう簡単に屈するわけもない。受けて立つのは2017年のシリーズチャンピオンである＃38神谷裕幸(DL)やチーム全体が好調なカローラ名古屋のエース＃760岩本佳之(DL)、そして開幕戦にマシンの準備不足で参加できなかった＃84橋本洋平(ブリヂストン)といったベテランたちだ。

初めて採用される1大会2ヒート制によって、ドライバーには2レース分の周回数を1セットのタイヤで戦うことが要求される。タイヤに無理な負担をかけず、労りながらも、タイムを落とさず、レースを戦うことが求められるのだ。それは結局ベテラン勢に有利に働くことが予想できた。逆にいえば、若手ドライバーにとっては、タイヤのマネージメントというレースでの重要なノウハウを学ぶ、絶好のチャンスともいえる。エントリー台数は38台。

●予選
開始直後にコースインした中で最初にトップタイムを出したのは若手の成長株＃703花里祐弥(ブリヂストン)だった。その後タイムアップするのだが走路外走行のペナルティによってタイムは抹消され、花里のベストタイムは最初のタイムとなり、7番手に沈んでしまう。

そのタイムを更新したのは神谷だったが、それを昨シーズンまでプロフェッショナルシリーズを戦っていた＃29松沢隆弘(DL)が上回り、ポールポジションを手にする。2位に神谷、3位には橋本と、ベテラン勢が並ぶことになった。若手は4位が＃610大島和也(DL)、5位が＃305水野大(DL)、6位に＃56鶴賀義幸(ブリヂストン)が顔を揃えた。

●決勝レース
第1ヒートはスタート直後、オープニングラップの1コーナー先で多重クラッシュが発生し激しくダメージを受けた4台のマシンがコース上に停止。すぐにセーフティカーが導入される展開となってしまった。そのスタートシーン3番グリッドの橋本がスタートダッシュを見せ、前の2台を1コーナーのアウト側から回り込んで、一気にトップに立っていた。セーフティカーはその直後に導入されており、橋本はトップでセーフティカーに続いて5周を消化した。

セーフティカーが解除となり、再スタートが切られた。2位の松沢がやや迫ったものの、それが唯一のピンチだった。無難に切り抜けトップを快走、一気に差を拡げると、その後は距離を観察してペースをコントロールし、そのまま優勝。3位にはスタートで4位へ順位を落とした神谷が入った。

第2ヒート、ポールポジションからスタートの橋本はオープニングラップで1秒072の差をつけ、その後も少しずつその差を拡大し、4周目には早くも3秒538という大きな差をつけた。その要因となったのは水野と松沢が激しい2位争いを展開していたことだった。

橋本は悠々とレースを走りきり、第2ヒートも優勝。激しい攻防を制した水野が2位、3位には神谷が入った。
ブリヂストン装着勢は、花里が5位、鶴賀が6位入賞を果たした。

連勝で第2戦を制した＃84橋本洋平選手のコメント。
「第1ヒートはスタートが決まり上手くトップに立つことができました。セーフティカーが入ったのでタイヤも温存できて、後ろとの間隔を見ながらペースをコントロールしながら優勝できました。第2ヒートもスタートをうまく決めることができて、さらに2位争いが激しかったのでリードを拡げることができました。タイヤのパフォーマンスは全く問題なかったですね。終盤は2位の選手との距離を見て、ペースを抑えたのでタイムは落ちましたけど、タイヤのグリップとしては(2分)6秒台で走り続けることができたと思います」