雨の第1ヒートは鶴賀が大差で優勝 ドライの第2ヒートでは惜しくも2位
- 開催場所:十勝インターナショナルスピードウェイ
- 開催日:2020年09月26日(土) 〜 2020年09月27日(日)
エントリー台数はわずか9台となったエキスパートクラス。やはり北海道という地は遠いのだろう。しかし、その顔ぶれはシリーズチャンピオンを狙ってフルエントリーしているドライバーばかりであり、エキスパートクラスとして納得できるものとなっていた。ここまでシリーズポイントをリードしているのは#556呉 良亮(ブリヂストン)で、昨年のシリーズランキング3位で今シーズンの大本命である#56鶴賀義幸(ブリヂストン)は7ポイント差の2位。ここまで予選、決勝レースともに鶴賀の速さは際立っているのものの、それが結果に結びついていないのだ。チャンピオンを獲るためにも、自身の実力を結果で示すためにも、鶴賀にとって十勝は落とせないレースとなっていた。
●予選
1日中冷たい雨が降り続いた予選は、雨量が変化する可能性を考えて、早めにタイムアタックに入った鶴賀が、1分46秒998のトップタイムをマーク。2番手タイムの#370菱井將文(ブリヂストン)の1分49秒044を、2秒以上引き離すタイムだった。その直後、#358池島実紅(YH)がエンジンブロー、コース全域にオイルを撒いてしまった。そのオイル処理のため予選は赤旗中断。その32分の間に雨は強まっていった。再開した予選は、そんな状況だけにタイムアップを実現したドライバーはなかった。3位には呉、4位は最後まで果敢にアタックを続けていた若手#550宗藤昌太朗(ブリヂストン)が入った。ブリヂストン装着勢の4台は、1位から4位までを占め、ポテンザRE-12Dのウエット性能の高さを証明してみせた。
●決勝・ヒート1
スタートから鶴賀がしっかりと速さを見せ、危なげなく勝利を飾った。1周目に2秒053、2周目には4秒335と大きなリードを作り、その後も毎周着実にリードを拡げていった。14周のチェッカーを受けた時には12秒255にまで差を拡げていた。かつてチャンピオン争いをしていたジムカーナのレジェンドドライバー菱井は、昨シーズン欠場のブランクがまだ響いているのか、巻き返すことはできなかった。予選3位の呉だったが、スタートで宗藤に先行を許し、4位でチェッカーを受けた。その宗藤は、菱井へアタック。しかしベテランの巧みなブロックによってオーバーテイクできず、3位フィニッシュとなった。予選同様、ブリヂストン装着勢の4台が1位から4位までを独占した。
●決勝・ヒート2
時間の経過とともに路面はほぼドライへと乾いていく中、エキスパートクラスの第2ヒートがスタートした。ポールポジションの鶴賀は今回も上手くスタートを決め、リードしていく。
だが後方は平穏ではなかった。2番グリッドの菱井はシグナル前に動いてしまい、3番グリッドの宗藤はサイドブレーキが弱くて動き出してしまった。その結果、2台はドライブスルーペナルティを受け、下位でレースを終えることになった。背後のライバルが消えた鶴賀は楽な展開になると思われたが、現実はそうではなかった。2位には5番グリッドからスタートした#504富林勇佑(DL)が上がっていた。しかもレースペースは0.5秒以上富林のほうが速く、少しずつ間合いを詰めた富林は12周目、鶴賀をオーバーテイクし、ついにトップを奪う。しかし鶴賀は付いていくことができず、差は拡がっていった。富林は初優勝。一方の鶴賀は総合優勝のないまま、シリーズランキングでトップに立った。3位には#186勝木祟文(DL)が入った。
第1ヒートで優勝、第2ヒートで2位となった#56鶴賀義幸選手のコメント。
「第1ヒートは狙い通り、大きな差をつけて勝つことができました。でも第2ヒートではレースペースが上がらず、富林選手にオーバーテイクを許してしまいました。現時点ではまだ敗因というか、ペースが上がらなかった原因は判っていません。コース上はドライになって来たんですけど、広い範囲に泥が出ているような状況になっていました。ちょっと残念でしたね。ただ目標はチャンピオンなので、今回多くのポイントを得てトップに立てたことは、素直に嬉しいですね。もう一度気を引き締めて、チャンピオンを狙いたいと思います」
総合
- 開催日:2020/09/27
- 天候:Cloudy
- 路面:Dry
- 決勝出走:8
- 完走:8
- (3.405km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 504 | 冨林 勇佑 | DL | GRガレージ新大阪86DL | 28 | 47:51.633 | ||||||
2 | 56 | 鶴賀 義幸 | BS | 栃木トヨタBSED/T2F86 | 28 | 47:30.119 | ||||||
3 | 186 | 勝木 宗文 | DL | ネッツ兵庫 DL ダイシン86 | 28 | 48:58.278 | ||||||
4 | 556 | 呉 良亮 | BS | 86RACER'SIDI86 | 28 | 48:09.514 | ||||||
5 | 162 | 松原 亮二 | YH | Generations 86 | 28 | 48:50.524 | ||||||
6 | 15 | 木村 建登 | DL | 木村金属DL☆NUTEC86 | 28 | 49:09.295 | ||||||
7 | 550 | 宗藤 昌太朗 | BS | 名神タイヤ86ネッツ兵庫 | 28 | 48:21.059 | ||||||
8 | 370 | 菱井 将文 | BS | 徳島トヨタBS86 | 28 | 48:24.747 |
決勝ヒート1
- 開催日:2020/09/26
- 天候:Rain
- 路面:Wet
- 決勝出走:8
- 完走:8
- (3.405km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 56 | 鶴賀 義幸 | BS | 栃木トヨタBSED/T2F86 | 14 | 24:38.237 | ||||||
2 | 370 | 菱井 将文 | BS | 徳島トヨタBS86 | 14 | 24:50.492 | ||||||
3 | 550 | 宗藤 昌太朗 | BS | 名神タイヤ86ネッツ兵庫 | 14 | 24:50.943 | ||||||
4 | 556 | 呉 良亮 | BS | 86RACER'SIDI86 | 14 | 25:00.498 | ||||||
5 | 504 | 冨林 勇佑 | DL | GRガレージ新大阪86DL | 14 | 25:00.680 | ||||||
6 | 162 | 松原 亮二 | YH | Generations 86 | 14 | 25:38.395 | ||||||
7 | 186 | 勝木 宗文 | DL | ネッツ兵庫 DL ダイシン86 | 14 | 25:50.147 | ||||||
8 | 15 | 木村 建登 | DL | 木村金属DL☆NUTEC86 | 14 | 25:55.200 |