史上初のBRZワンツーフィニッシュ 井口卓人が逆転で総合優勝
- 開催場所:十勝インターナショナルスピードウェイ
- 開催日:2020年09月26日(土) 〜 2020年09月27日(日)
プロフェッショナルシリーズは、ほとんどがプロドライバーたちであり、フルシーズン参戦が基本となっている。そのためクラブマンシリーズのオープンクラス、エキスパートクラスよりもずっと多い26台のエントリーとなった。予選と第1ヒートが行われる土曜日は、以前から雨の天気予報となっており、多くのチームが雨で大きなアドバンテージがあるブリヂストンタイヤを選択した。結果からいえば、予選と第1ヒートのリザルトでは、上位にブリヂストン装着の全車が並び、その下位に他社が並ぶという明確な線引きとなる圧倒的な結果となった。
●予選
降り続く雨の中、予選は開始された。タイヤをしっかりと温めるため、ウエービングさせるマシンが多いが、1周では不十分なのか2周目に入ってもスローペースだった。そんな開始4分、#5井上尚志(ブリヂストン)がコースアウト。ぬかるんだグラベルからの脱出は困難で、マシン回収のために赤旗中断となる。マシンは無傷で、そのまま再開後の予選に参加している。再開後、予選はトップタイムが次々と塗り変わる激しい展開となっていく。最初のリーダーは#34佐々木雅弘(ブリヂストン)だったが、すぐさま#87久保凜太郎(ブリヂストン)が更新。そのタイムに#121蒲生尚弥(ブリヂストン)、#7堤優威(ブリヂストン)はわずかに届かない。終了間際、そのトップタイムを更新したのは#988井口卓人(ブリヂストン)だった。しかしその直後、久保がさらにタイムアップ、2013年から参戦を続け、初のポールポジション獲得となった。2位には井口が入り、フロントローをBRZが独占というのもまた初となった。3位には#121蒲生、4位は#1谷口信輝(ブリヂストン)が入った。ブリヂストン装着勢は15台を占めたが、1位から15位までに全車が並ぶという圧倒的な結果となった。
●決勝・ヒート1
土曜日の夕方、暗くなり始めた十勝スピードウェイは、プロフェッショナルシリーズの第1ヒートが始まる頃、やや雨量は少なくなっていた。フロントローに並んだ2台のBRZは、ともに上手くスタートを決め、そのままの順位でレースは進んでいった。トップグループは蒲生、堤、佐々木、そして#700阪口良平(ブリヂストン)までの6台でフィニッシュとなった。
レースが進むにつれてトップ2台が先行し、マッチレースの様相になっていく。そのまま1位久保、2位井口という、昨年までのチームメイトがBRZ初のワンツーフィニッシュを実現させた。久保にとっては記念すべき初優勝。3位には、蒲生、堤をオーバーテイクして上がってきた阪口が食い込んだ。
ブリヂストン装着勢は1位から14位までを占めた。
●決勝・ヒート2
日曜日の午後、天候はすっかり回復し、北海道の秋空の下、プロフェッショナルシリーズの第2ヒートがスタートした。しかし波乱はオープニングラップに数多く組み込まれていた。2番手スタートの井口が好スタートを決めて久保に並ぶ。昨シーズンまでのチームメイトであり、現実に師弟のような信頼関係がある2人は、3コーナーまで並んだままコースを進み、4コーナーでやっと井口がトップに立った。こうした先頭の2台の動きが影響したのか、後方は密集した形で走行していた。そんな状況の中で#160吉田広樹(ブリヂストン)がコースオフし、そのままスタックしてしまい、オープニングラップでいきなりセーフティカーという展開になった。
5周目の再スタート、しかしその直前、加速していた2位久保はコースサイドに出てしまい、トップ井口との間に大きな距離ができ、再スタート時点で1秒556というタイム差になってしまった。その差を埋めようと追いかける久保は、ファステストラップを記録しながら追いかける。とくに最後の3周は井口のラップタイムは苦しく、久保に勢いがあった。しかしわずかに届かず、2台のBRZは井口が2mほど前に出た横並びの状態で、チェッカーフラッグを受けた。
井口の優勝は2016年最終戦以来、通算3勝目。お互いの順位を入れ換えたものの、第1ヒートに続いてのBRZワンツーフィニッシュとなった。3位には混乱のスタートで上手く前に出ることができた蒲生が入り、4位は佐々木となった。ブリヂストン装着勢は表彰台を独占し、トップ10のうち8位までを占めた。
第1ヒート2位、第2ヒートで逆転の優勝を果たした#988井口卓人選手のコメント。
「本当に嬉しいです。開幕戦のSUGO、この前のオートポリスと、何のためにチームを移籍してきたのか判らない! っていう悔しい結果だったので、チーム初優勝を挙げることができて嬉しいです。今日の第2ヒートはスタートも上手く決まって、お互いラインを開けながら2台並んで3コーナーまで走りました。再スタートの時に凜太郎がコースオフしてしまい、間隔が開いたのが大きかったですね。あれがなければ、最後にオーバーテイクされていたかもしれません。ブリヂストンの雨でのパフォーマンスが高くて、その中でも予選2位を取れたことが、こういう結果につながったと思います」
総合
- 開催日:2020/09/27
- 天候:Fine
- 路面:Dry
- 決勝出走:24
- 完走:23
- (3.405km x 28laps = 95.34km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 988 | 井口 卓人 | BS | RECARO BRZ BS T | 28 | 49:21.945 | ||||||
2 | 87 | 久保 凜太郎 | BS | CG ROBOT BRZ BS | 28 | 49:21.421 | ||||||
3 | 121 | 蒲生 尚弥 | BS | tomicaネッツ兵庫 BS GR86 | 28 | 49:32.039 | ||||||
4 | 34 | 佐々木 雅弘 | BS | 小倉クラッチ REVO 86 BS GR86 | 28 | 49:35.694 | ||||||
5 | 700 | 阪口 良平 | BS | ADVICS Tby2 86 | 28 | 49:31.683 | ||||||
6 | 1 | 谷口 信輝 | BS | KTMS 86 | 28 | 49:47.603 | ||||||
7 | 98 | 近藤 翼 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC 86R | 28 | 49:54.441 | ||||||
8 | 7 | 堤 優威 | BS | ADVICS カバナ BS 86 | 28 | 49:36.003 | ||||||
9 | 906 | 佐々木 孝太 | DL | RECARO 86 DL K | 28 | 50:43.249 | ||||||
10 | 10 | 菅波 冬悟 | DL | OTG TN滋賀 86 | 28 | 50:46.640 | ||||||
11 | 610 | 大島 和也 | DL | Team MDI/P 京都WM86 | 28 | 50:44.162 | ||||||
12 | 369 | 平中 克幸 | DL | トヨタカローラGRカロリン86 | 28 | 50:45.843 | ||||||
13 | 557 | 大西 隆生 | BS | オートバックス G7 AS86 BS | 28 | 50:12.182 | ||||||
14 | 60 | 服部 尚貴 | DL | OTG DL 86 | 28 | 50:49.181 | ||||||
15 | 88 | 手塚 祐弥 | BS | CG ROBOT BRZ BS | 28 | 50:04.975 | ||||||
16 | 11 | 脇阪 寿一 | BS | Owltech 86 | 28 | 50:19.312 | ||||||
17 | 305 | 水野 大 | DL | ピースレンタカーDL86 | 28 | 51:15.962 | ||||||
18 | 813 | 坂 裕之 | DL | ネッツ兵庫DLテックプロ86 | 28 | 51:18.981 | ||||||
19 | 989 | 田中 哲也 | DL | RECARO 86 DL T | 28 | 51:29.406 | ||||||
20 | 5 | 井上 尚志 | BS | まんさくレストアパーツBS86 | 28 | 50:47.579 | ||||||
21 | 916 | 田嶋 聡 | BS | ネッツ兵庫エムプランニング86 | 28 | 50:33.914 | ||||||
22 | 293 | 石川 京侍 | NX | 86NferaSportR | 28 | 51:04.577 | ||||||
23 | 521 | 川合 孝汰 | BS | 埼玉トヨペットGB 86 | 26 | 47:01.123 | ||||||
- | 160 | 吉田 広樹 | BS | 埼玉トヨペットGB 86 BS | 14 | DNF |
決勝ヒート1
- 開催日:2020/09/26
- 天候:Rain
- 路面:Wet
- 決勝出走:24
- 完走:24
- (3.405km x 14laps = 47.67km)
順位 | No | ドライバー | タイヤ | チーム | マシン | シャシー | エンジン | 周回数 | Delay(Lap) | ベストタイム | ベストラップ | タイム |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 87 | 久保 凜太郎 | BS | CG ROBOT BRZ BS | 14 | 24:05.530 | ||||||
2 | 988 | 井口 卓人 | BS | RECARO BRZ BS T | 14 | 24:06.533 | ||||||
3 | 700 | 阪口 良平 | BS | ADVICS Tby2 86 | 14 | 24:11.444 | ||||||
4 | 7 | 堤 優威 | BS | ADVICS カバナ BS 86 | 14 | 24:13.109 | ||||||
5 | 121 | 蒲生 尚弥 | BS | tomicaネッツ兵庫 BS GR86 | 14 | 24:13.659 | ||||||
6 | 34 | 佐々木 雅弘 | BS | 小倉クラッチ REVO 86 BS GR86 | 14 | 24:16.856 | ||||||
7 | 1 | 谷口 信輝 | BS | KTMS 86 | 14 | 24:26.884 | ||||||
8 | 160 | 吉田 広樹 | BS | 埼玉トヨペットGB 86 BS | 14 | 24:29.935 | ||||||
9 | 98 | 近藤 翼 | BS | 神奈川トヨタ ☆ DTEC 86R | 14 | 24:32.990 | ||||||
10 | 88 | 手塚 祐弥 | BS | CG ROBOT BRZ BS | 14 | 24:34.042 | ||||||
11 | 11 | 脇阪 寿一 | BS | Owltech 86 | 14 | 24:43.201 | ||||||
12 | 557 | 大西 隆生 | BS | オートバックス G7 AS86 BS | 14 | 24:43.823 | ||||||
13 | 916 | 田嶋 聡 | BS | ネッツ兵庫エムプランニング86 | 14 | 24:48.909 | ||||||
14 | 5 | 井上 尚志 | BS | まんさくレストアパーツBS86 | 14 | 25:02.817 | ||||||
15 | 610 | 大島 和也 | DL | Team MDI/P 京都WM86 | 14 | 25:18.038 | ||||||
16 | 369 | 平中 克幸 | DL | トヨタカローラGRカロリン86 | 14 | 25:18.769 | ||||||
17 | 293 | 石川 京侍 | NX | 86NferaSportR | 14 | 25:19.234 | ||||||
18 | 906 | 佐々木 孝太 | DL | RECARO 86 DL K | 14 | 25:20.162 | ||||||
19 | 60 | 服部 尚貴 | DL | OTG DL 86 | 14 | 25:20.688 | ||||||
20 | 10 | 菅波 冬悟 | DL | OTG TN滋賀 86 | 14 | 25:20.760 | ||||||
21 | 305 | 水野 大 | DL | ピースレンタカーDL86 | 14 | 25:39.682 | ||||||
22 | 813 | 坂 裕之 | DL | ネッツ兵庫DLテックプロ86 | 14 | 25:39.888 | ||||||
23 | 989 | 田中 哲也 | DL | RECARO 86 DL T | 14 | 25:50.179 | ||||||
24 | 521 | 川合 孝汰 | BS | 埼玉トヨペットGB 86 | 12 | 20:59.378 |